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ロボットと変形ロボットの対決

一階の扉の床に手を掛けるとまた爆発音と振動が伝わり上から砂埃が舞うように落ちヘルメットにかかり思わず目を閉じたがすぐに開けてよじ登るとそこでは黒い服の男たちがコシミズの車を取り囲んではいたが先ほどの爆発で砂埃まみれになりはらっているそばを白く砂埃をかぶった金髪の女性がエルヴァを抱えて颯爽と逃げたのでコシミズも後を追って走り出した。

するとまた爆発が起きると出入り口が吹き飛び外に出ようとしていた金髪の女性たちが吹き飛び床を転がった。

「おい!、アオキ!むやみに爆撃すんな!俺が死ぬ!」

「おぉ、生きていたか!子供は捕まえたのか?」

「お前の爆撃で吹き飛んで床を転がってるよ!」

エルヴァは金髪の女性が倒れた拍子に手を離したようで金髪の女性から少し離れた場所で倒れてそれに気が付いた黒い服の男たちがエルヴァを回収しようと走り出したのでコシミズも慌てて走り出した。

金髪の女性は頭を打ったのかピクリとも動かないがエルヴァはゆっくりと上半身を起こして周りを見渡すと黒い服の男達とヘルメットをかぶった男が近づいてくるので悲鳴を上げたが構わずに手足を必死に動かして走った。

「・・・?」

エルヴァが悲鳴を上げた瞬間から足が床を蹴る感覚が無くなり慌てて下を見ると手足は必死に動いているのだが床に足が届いていない。

「どうなってんだ?」

思わず独り言を呟いて前を見るとエルヴァの奥の黒い服の男達も手足を動かし隣の人の肩を掴んで必死に前に出ようとしたがどんどん宙に上がっていくのでコシミズも下を見ると同じように上がっていく。

「どうなってるんだ?」

黒い服の男達から声が上がるとその中の一人がサブマシンガンをエルヴァに向けるのが見えた。

「止めろ!!」「バカ野郎!」「誰かそいつを止めろ!」

仲間の黒い服の男達が叫び止めようとしたがサブマシンガンの銃身が小刻みに動き発砲音が響いた。

思わずエルヴァを見たがエルヴァは両手を耳に当てた状態で黒い服の男達の方を見ると視線の先に銃弾が漂っているのが見え、エルヴァが手をかざすと銃弾は見えなり黒い服の男達が悲鳴を上げて血を滴らせた。

「マジか?」

「どうなってるんです?こんなクサイところから出してくださいよ!」

ブサイクなぬいぐるみのぐぐもった声が聞こえてきた。

 (そうだ、上着の下に押し込んでたんだ)

コシミズはぬいぐるみを引っ張り出すと周りの状況に気が付いて言った。

「酷いことになってますね、あなたはまだ大丈夫なんですか?ずいぶんと運がいいんですね?」

「うるさい、お前がエルヴァを説得して俺を下ろせ」

「なんでそんなことをしなければならないんですか?あなたはエルヴァさんと私を誘拐した犯人なんですよ?あいつらと同じ目にあえばいい」

最後まで聞かずにエルヴァに向かってブサイクなぬいぐるみを思いっきり投げつけた。

「あ~れ~」

叫び声を上げ回転しながら飛んで行くとエルヴァがこちらを向きぬいぐるみとコシミズに気が付いた。

「ぬいぐるみ、説得しろ!」

「エルヴァさん!!私です!!」

ブサイクなぬいぐるみが叫ぶとぬいぐるみが空中で停止した。

「やったか?!」

聞いた瞬間にぬいぐるみが勢い良く回転をはじめコシミズに向かって勢い良く飛んできたの思わず両腕で頭をガードすると腹にぬいぐるみがたたきつけられ肺の空気が搾り出された。

「うっ」

「失敗しました」

ぬいぐるみの声が言うとぬいぐるみはそのまま床に落下していく。

(次は俺か!!)

「アオキ!、聞こえるか!」

「聞こえるぞ!子供は捕まえたか!?」

「それどころじゃねぇ!殺されちまう、俺がいる所に爆弾を落として爆破してくれ!!」

「いいのか?そんなこと」

「いいから!!早く!!」

「はいよ!!、ミサイル撃ったぞ!!」

アオキの返事を聞いてコシミズは下にいるエルヴァを見た、エルヴァは下に落ちたブサイクなぬいぐるみに視線を向けていたと思うとこちらを見上げた。

(ヤバイ)

直感で危険を感じると心臓の鼓動が体中に響き、手の平や背中に冷や汗が一気に出るのを感じて思わず外を見るとアオキが撃ったミサイルが飛んでくると何かが爆発する音が聞こえそちらを振り向くと五メートルくらいの緑色の二足歩行のロボットが現れ素早くエルヴァを捕まえて建物外に飛び出した。

「あっ」

その瞬間に体が落下してアッという間に床にたたきつけられ体中に痛みが走ったが急いで立ち上がりミサイルが飛んでくる方を見たがもう目の前で避けたり逃げれるような場所は無い。

「かー、やっちまった」

言いながら頭にかぶっているヘルメットを両手で押さええると次の瞬間には爆発音と爆風で吹き飛ばされ何回転もして思わず目を瞑った。




「おい!、大丈夫か?おい!」

誰かの声が耳元で聞こえ目を開けた、体中が痛むので身体を見ると戦闘服は白く砂埃をかぶって汚れていたが血が出ているようなところは無く手足も変な方向に向いていることは無かった、建物に入ってくる時に見たガラスの壁はすべて砕けていてミサイルの着弾した場所の床が大きくえぐれて地下の様子が見えるようになっていた。

「コシミズ!、返事をしろ!おい!」

「生きてる、生きてるよ、死ぬかと思ったが」

「それよりも外に緑色のロボットが出てきたぞ!しかも結構カッコいい!」

アオキは少し興奮しているようだ、コシミズは立ち上がりがなら言う。

「そいつがエルヴァを持っているから足止めしてくれ、俺は車で出る」

「OK、OK、俺もあれを壊してみたいからな」

返事をせずに乗ってきた車に向かって走った。

「私も連れてってくださいよ」

声のする方を見ると白い砂埃まみれになったぬいぐるみの声が聞こえ、走りながら回収してロックを解除して車の運転席に座った。

「あなたは本当に運がいいですね、まだ死んでないなんて」

ぬいるぐみが話しかけてくるが無視してエンジンをつけて背後を見るとエルヴァを掴んだ緑色のロボットが上空を見ているのが見え、慌ててハンドルを切り車を回転させて正面にロボットが見えるようにして思いっきりアクセルを踏み込んだ。

車がエンジンの回転数を上げながら突き進んでいくと割れずに残っていた窓ガラスと残っていた窓枠にぶち当たり派手な音を立てて外に出た。

「体当たりでもするつもりですか!?止めてください、エルヴァさんもいるんですよ!?一体なに考えているんですか?」

ぬいぐるみが心配しているが無視してアクセルを踏み続けると外に出る音で気が付いたのか緑色のロボットがこちらを向いてエルヴァを差し出した、体当たりをしたら車とロボットの間に挟まれてペチャンコになってしまう。

「エルヴァさん!!」

ぬいぐるみが叫びコシミズはブレーキペダルを思いっきり踏み続けながらハンドルのボタンの10番を押しながら思いっきり叫んだ。

「チェーーーンジ!!!、ゲッ○ターーーーー!!!!」

すると運転席が持ち上がり車内にいるので良く分からないがあっという間にコシミズの乗っている車がロボットに変形した。

「どっちかって言うとトランスフォームじゃないですか?」

「うるさいな、俺は○ッターの方が好きなんだよ」

言いながら運転席に座っているコシミズは変形した車のロボットの胸の部分に移動して操縦席になると上空にいるアオキの声が聞こえた。

「やっぱり俺達のロボの方がカッコいいぜ!」

「あなた達どんな技術力なんですか?」

ブサイクなぬいぐるみが戸惑いながら聞いてきたが無視して目の前の緑色のロボットの頭部を思いっきり殴ると頭部の装甲が凹みカメラが付いているガラス部分が砕けたが構わず殴り返されてボディが凹み軋む音が操縦席に響いて背筋に寒気が走った。

「ロボットどうして殴り合いをするもんじゃないな」

言いながら後ろに下がり距離をとると緑色のロボットが自分の胸の装甲を掴んで一気に引き剥がすと中には地下で見たエルヴァをつれて逃げようとしてコシミズが蹴りを食らわせて倒した黒い服の男が乗り込んでいた。

「あの男しつこいな」

コシミズが思わず呟くと足元に転がっているブサイクなぬいぐるみが言った。

「あの男あれでも研究所の警備の責任者のアキモトですよ、まぁ、エルヴァさんをあなたにさらわれたせいで間違いなく組織に処分されるでしょうからね、もう後が無いんで必死なんですよ」

すると黒い服のアキモトの操縦する緑色のロボットは振り返って背を向けたと思うと一気に走り出した。

「逃げやがった!!」

慌ててコシミズも走り出し逃げるアキモトのロボットの足に飛びつくとロボットが草むらに倒れ足を必死に動かしてコシミズのロボットから逃れようとするのでコシミズはロボットで覆いかぶさるとエルヴァを掴んでいる腕の装甲が弱そうな肘の関節部分を何度も殴りエルヴァを解放させようとすると殴るたびにロボットの掌が変形して壊れていくが構わず殴り続けるとエルヴァを握っている腕が肘から壊れて地面に落ちたがアキモトもロボットの身体を捻り外れた腕を掴もうとするのでコシミズはロボットで上から押さえつけた。

「アオキ!!」

「はいよ!!」

上空で様子を見ていたアオキのオートジャイロがすぐに地上に降りるとエルヴァに近づいて掴まれている腕から必死に離そうとすると以外にすんなり抜けたようでアオキは素早くエルヴァを抱えてオートジャイロに向かって走りそれに気が付いたアキモトは千切れたエルヴァを掴んでいた掴みそのまま千切れた腕でコシミズを強引に殴ると打ち所が悪かったのかコシミズのロボットのメインカメラが映らなくなった。

「メインカメラをやられた!!」

「ガンダム?!」

「真面目な話だよ!!」

思わず怒鳴るとロボットがひっくり返り中のコシミズも一回転して頭をぶつけ、ブサイクなぬいぐるみが上へ下へ回転していた。

「ヤバイ!!そっちに行くぞ!!」

アオキに呼び掛けたが返事がない、慌てて立ち上がろうとするが周りの様子が見えないためうまく立ち上がることが出来ず仕方なくアキモトと同じように操縦席の前の装甲を強引に剥がした、金属が曲がり擦れる嫌な音と電気系統がおかしくなったのか先ほどまで点灯していたボタンや室内のライトの明かりが消えてしまったが外の電灯の明かりが入ってきたのでうっすらと周りの様子が見え自分とロボットが仰向けに倒れいてる事が分かりすぐに立ち上がりオートジャイロのアオキを見た、離陸しようとしているアオキとエルヴァにアキモトの緑色のロボットが迫っているが今から走っても間に合わない。

「どうするんです?またエルヴァさん達が捕まってしまいますよ?」

「言われなくたって分かってる!」

ブサイクなぬいぐるみに返事をして走り出そうとすると目の前に自分のロボットの剥ぎ取った装甲が見え素早く掴み上げた。

「盾にはなりませんよ、小さすぎます」

「分かってるさ」

言いながら振りかぶりアキモトの緑色のロボットの背中に向けて思いっきり投げたがロボットを殴った時に指が変形していたようで狙った背中には当たらずお尻に突き刺さるとアキモトの緑色のロボットは勢い良く地面に倒れた。

「今だ!!行け!!」

思わずコシミズが叫ぶとアオキは聞こえているのかいないのかわからないがオートジャイロが離陸して飛び上がるとアオキの声が聞こえた。

「こっちは子供を回収して飛び立ったぞ!!お前も早く逃げろ!!」

「合点承知!」

コシミズは返事をして変形解除ボタンを押したがロボットがボロボロになっているせいでシステムがエラーを起こして車に戻らないのでこのままロボット状態で走って逃げるしかなさそうだ。

上空を飛んでいるアオキのオートジャイロを見上げた。

「車に変形できないからこのままロボットの状態で逃げるからルートを指示してくれ」

「わかった、まずはお前が大学に入った門から出るんだ、そしてお前が来た道を途中まで戻ってから川の中に入って一旦ロボットを沈めてお前を回収する、ロボットで基地まで帰るのは目立ちすぎる」

「・・・・、仕方ない、すまんな、アオキの大事な作品を置いていくことになるなんて・・・」

「気にするな、どうせ後で回収するんだ、それよりもさっさと逃げろ」

「わかった」

言いながらコシミズはロボットを操作して必死に走ったつもりだが、手足を動かすたびにギシギシと関節が鳴る音が聞こえ、川までもたないのではないかと思いながら周りを見た、警察のパトカーのサイレンの音が聞こえてこないか耳をすませたがまだ聞こえない。

「警察のサイレンが聞こえてこないなんておかしいですね?、もしかしてアキモトの所属している組織は警察にも手を回してるんですかね?」

足元のブサイクなぬいぐるみが思っていることを見透かしているかのように話しかけてきたが返事をしなかった。

「無視ですか?無視するんですか?私がぬいぐるみだからですか?ぬいぐるみにも」

その瞬間に背後から衝撃が走りコシミズは前のめりに倒れ思わず顔面を操縦席の前にぶつかりかけた。

「後ろだ!!逃げろ!!」

アオキの耳をつんざくような叫び声が聞こえるとロボットに何かが覆いかぶさったの同時にロボットの壊れていたメインカメラの頭部が吹き飛んで破片が草むらに散らばった。

「お前だけは許さん!!」

上から怒鳴り声が聞こえるのと同時にコシミズのロボットの右腕が吹き飛び芝生の上を部品が飛んでいくのが見えた。

必死に左手一本で起き上がろうとするが上に乗られているのでうまく立てず横に逃げようとして地面を掴んだが滑ってうまくいかない。

焦っていると真上で爆発が起こり上に乗っているアキモトのロボットがいなくなった。

「早く立ち上がって走れ!!」

アオキがオートジャイロで攻撃したようだ、片手で素早く立ち上がりアキモトのロボットを見ずに走り出したが足もおかしくなっているのかうまく動かず歩いているスピードくらいの速さで逃げた。

「待て!!」

言いながら後ろから羽交い絞めにされ必死に逃れようとしたが、ロボットが限界らしくパワーが弱くなり逃げることができない。

「クソッ!」

「どうするんです?このままだと敵の応援が来てしまうかも知れませんよ!」

「わかってるよ!」

むかついたので足元のぬいぐるみを踏み潰した。

「ぐぇ」

足元から変な声が聞こえてきた。

(お前痛覚とかあるのかよ)

そんなことを思っていると背後から羽交い絞めしていた腕が伸びコシミズのいる操縦席に手を伸ばしかろうじて残っていた装甲と操作盤をすべて引き剥がした。

(ヤバイ)

慌ててベルトを外して飛び降りようとした。

「私をわすれないでください」

ブサイクなぬいぐるみの懇願するので仕方なく拾い上げて前を見るとアキモトのロボットの腕がこちらに向かって飛んでくるのが見え慌てて飛び降りた。

が飛び降りるのを予想していたのかうまく胴体を掴まれた。

「捕まえたぞ!!」

アキモトが叫びコシミズの乗っていたロボットが動きが止まったまま地面に倒されるとアキモトはコシミズを空に飛んでいるアオキのオートジャイロに向けて掲げて叫んだ。

「こいつが潰されてもいいのか!?」

言いながら掴んでいるコシミズを締め上げてくる。

「うぇ」

締め上げられて腕や体が痛くなり思わず変な声が出た。

「大丈夫ですか?」

下から声が聞こえそちらを見るとブサイクなぬいぐるみが草むらに落ちていた。

「大丈夫なわけ無いだろ」

だんだんと締め付けが強くなり腕の関節が痛くなってきた。

「ヤバイ、アオキ何とかしてくれ」

助けを求めると上空からアオキの拡声器を使った声が聞こえた。

「わかった、この子を戻すからそれ以上締め上げるな!」

「さっさと降りて来い!こっちはこいつを殺したくて仕方が無いんだ!腕や足を折っても構わないんだぞ!!」

言いながら更に強く締め付けられた、アオキ特性の戦闘服でなければどこかの骨が折れていてもおかしくないし締め付けられて頭に血が上るのを感じた。

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