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敵研究所地下でのいろいろな再会

ゆっくりと立ち上がりエレベーターがあった所にはなにもなく足音を立てないように近づいてエレベーターの落ちた下を覗くとさらに下でエレベーターの扉が開かれ下を覗いている男が見えコシミズは目の前にあるエレベーターを吊っていたロープに飛びつき一気に下まで降りていくと下を見ていた奴等が顔を上げて気が付いたので壁を蹴ってロープを放し見上げた奴に体当たりをして下敷きにしながらその階に入った。

「ウエッ」

下敷きにした奴から変な声が聞こえたが間髪いれずグローブをつけている手で顔面を思い切り殴り動かなくすると立ち上がった。

「誰だ!貴様!」

前を見ると広い廊下のような場所でコシミズから十五メートルくらいはなれた場所でエルヴァとブサイクなぬいぐるみを持ち去った男が三人の黒い服の男をつれていた。

「そんなの答えるわけないだろ?馬鹿なの?」

コシミズが挑発したが男は何も反応せずに言った。

「おい、あいつをつれて来い」

すると右側にいた男が隣の部屋に入った。

「なにすんだ!触るな!放せ!」

「うるさい!、大人しくしろ!」

女性と男が怒鳴り合う声が聞こえると部屋に入った黒服の男がどこかで見たことのある病院の入院服のような服を着た金髪の女を引き連れて戻ってきた。

「おい、お前の目的はこの女だろ!」

誰かわからずコシミズはもう一度女性を足元から頭までしっかりと見ると一瞬だがこちらを睨んだ赤い瞳が見えて思い出した、エルヴァとブサイクなぬいぐるみを抱えて逃げている時に俺のことをしこたま殴った金髪の赤い目をした女だった、どうやらうまく逃げ切れず捕まったようだ。

「おい!、何か言え!」

リーダーの黒い服の男が怒鳴ってくるのでコシミズは深呼吸してから言う。

「どうぞ!お好きに!俺の仲間じゃないしな!」

言いながら右腕を前に伸ばし左手で腕を押さえて叫んだ。

「ロケットーパーンチ!」

言いながら左手で右腕のボタンを押すと右手首から先が爆発音と共にまっすぐ飛んで行き、それを見て驚いた黒い服の男たちは避けるように逃げ惑い、女性を捕まえていた男もロケットパンチを避けるために女性を掴む手を緩めたのか放したのかわからないが女性が床に倒れ避けられたロケットパンチが廊下の奥の壁に当たりめり込んだ。

コシミズは素早く黒い服の男たちに向かって走ると男たちはすぐにコシミズを見て殴りかかろうと構えた。

なので走りながらコシミズは腰からアオキの持っていた黒い筒状のテーザー銃を取り出して素早く撃つと二人の男に当たり全身を痙攣させた。

「野郎!!」

一人が殴りかかってきたのでテーザー銃を持った腕で防ぐと男はいきなり床に倒れた。

驚き思わず下を見ると倒れて捲りあがった入院着の下から伸びた白い女性の足が男の足を挟んでいると女が上半身を起こし倒れた男の顔に肘打ち食らわせると男の口から茶色く変色している歯が二本床に転がった。

「うわぁ」

思わず声を出してしまうとヘルメットに強い衝撃が走りコシミズは勢い良く床に頭をぶつけるように倒れた。

ヘルメットをしているので傷はないが何かの衝撃で目の焦点が合わず頭を押さえようとすると足を蹴られた。

「おい!男が逃げていく!早くこの紐を取れ!!」

女性が言いながら更に蹴ってくるのでコシミズは仕方なく起き上がるとエルヴァを連れ去った男が奥に走っていくのが見えた、この女を置いて追いかけるか一瞬迷ったが一余女性を助けることにする。

「分かったから蹴るな」

女性は後ろ手に縛られている両腕をコシミズに差し出した。

「早くしてよ!逃げられちゃう!」

(親切で助けてやってるのになんなんだ?この女?)

女性の手はプラスチック製のバンドでとめられているのでコシミズは腰からサバイバルナイフを取り出して素早くバンドを切った。

「切ったぞ!」

言いながらバンドを投げ捨て立ちあがると女性が素早く立ち上がり逃げた男を追ってすぐに走り出しコシミズも後を追って走った。

(お礼もなしか!)

女性が通路を曲がったのでコシミズも後を追って曲がると女性はその先の通路の奥に続く鉄製の扉をなんとか開けようと蹴飛ばしていた。

「この中に入ったのか?」

「そうよ、だから変態も開けるの手伝ってよ」

女性は扉をもう一回蹴飛ばしてからコシミズを見た。

(変態って俺のことかよ・・・、確かにヘルメットかぶって黒い戦闘服着てれば十二分変態か・・・)

落ち込みそうになるがポケットからスマホを取り出して発信機の追跡画面を見たが電波が遮断されているのか発信機の反応は無かった。

仕方がない、コシミズは壁に刺さった右手のロケットパンチを取り外して右手に装着した。

「そんな使えないの回収してないで手伝いなさいよ!」

なんでこの女性は俺に命令してくるんだ?先ほどは落ち込んでしまったが今はダンダンと腹が立て来たので怒鳴った。

「おい、ジャマだ、そこをどけ」

言いながらまた右腕のロケットパンチを構えると女性は呆れたように言った。

「またそれ?そんなので遊んでないでさっさと」

「いいからどけ!」

コシミズが強く言うと女性はコシミズを睨みながら扉の前から移動してコシミズの隣に立ったので右腕を前に伸ばし左手で腕を押さえて叫んだ。

「ロケットーパーンチ!」

左手で右腕のボタンを押すと先ほどと同じように右手首から先が飛んで扉の壁に当たった。

「ほら、無駄じゃない」

女性の勝ち誇ったような声が聞こえたがコシミズはかまわず叫んだ。

「爆破!!」

更に右腕のボタンを深く押すと壁に当たっていた手袋が爆発して砂煙が二人を包んだ。

「ゴホッ、ゴホッ」

隣で女性の咳き込む声が聞こえるが気にせず砂煙の中を扉に向かって走ると扉が粉々に砕けて穴が開いているので中に入り周りを見渡すと黒い服の逃げた男がエルヴァを抱えて逃げようとしていてエルヴァはブサイクなぬいぐるみを大事そうに両手で持っていた。

「待てぃ!!」

思わず叫ぶと黒い服の男がコシミズを見た。

「またお前か?一体何なんだ?お前は?」

「俺か?、俺はだな、悪の秘密結社KA団の首領コシミズだ」

「悪の秘密結社?KA団?の首領?」

黒い服の男はコシミズが本当のことを言っているのか疑っているようだ。

「悪の秘密結社?KA団?バカだろ?」

女性の声が背後から聞こえてきた、振り向かなくても分かる、さっきの女性がバカにしている。

「その後ろの女はお前の仲間なのか?」

「違うに決まってるだろ!!こんなオタクの変態集団と一緒にしするな!!」

コシミズが反論する前に後ろの女性が叫びながらコシミズの隣を入院服を翻し白い太ももをちら見せしながら黒い服の男に飛びかかった。

だが、女性は黒服の男に飛びかかる前に何かにぶつかり仰向けに床に倒れてるとすぐに立ち上がり目の前に手を伸ばして何かを確かめ始めた。

「そこには強化ガラスがあるんですよ」

ブサイクなぬいぐるみの声が聞こえ黒い服の男は必死に強化ガラスを叩いている女性を見てバカにして笑った。

「じゃあな、お間抜けお二人さん」

言いながら振り返りエルヴァを抱えたまま余裕でゆっくと逃げようとした瞬間に突然爆発音と共に明かりが消えたと思うとすぐに点いたが爆発音と振動は続いた。

「何が起こっているです?」

ブサイクなぬいぐるみの混乱した声が聞こえ黒い服の男はポケットからスマホを取り出して耳に当てるのが見えた。

(たぶんアオキだな・・・、俺の安全なんて考えてなさそうだ、俺も早く逃げ出さなければ)

コシミズは走って強化ガラスまで近づくと腰から茶色い十センチくらいの円柱状の物を取り出し強化ガラスに叩きつけるとガラスにくっ付いた。

「なにしてるのよ?」

隣の女性が不思議そうにこちらを見た。

「離れろ」

言いながら女性の手を取ってその場から離れると五秒も経たないうちに爆発が起こり強化ガラスが粉々になり床に崩れ落ちた。

ヘルメットをかぶっているコシミズはガラスの破片など関係ないので一気に突き進んた、黒い服の男はエルヴァを片手で抱え反対側の腕で顔を破片から守ってこちらを見ていないのでコシミズは男のわき腹に飛び蹴りをくらわせると黒い服の男は無様に床に倒れた。

「うぇ」

間抜けな声が聞こえコシミズは素早く黒い服の男の顔面を蹴っ飛ばすとエルヴァを抱えていた腕を放したので素早くコシミズがエルヴァを抱えあげて来た通路に向かって走った。

「助けに来てくれたんですか?」

エルヴァの抱えたブサイクなぬいぐるみが聞いてきた。

「助けてくれたんですか?」

「いいからその話は後だ!」

返事を適当に返しながら通路を戻ろうとするとその先に埃まみれになった金髪の女が立っていた。

(仲間ではないので避けて行こう)

隣を一メートルくらい距離をとりエレヴェーターに逃げようとすると金髪の女が素早くエルヴァを抱えているわき腹に回し蹴りを決め来た。

息が止まるような感覚と衝撃で思わずよろめいて立ち止まった。

「あっ」

ブサイクなぬいぐるみの声と共に金髪の女性がさらにヘルメットをつけている頭を蹴りコシミズは床に倒れると女性はエルヴァを抱え上げるとブサイクなぬいぐるみを捨てた。

「ありがとな、バカ軍団」

いいながらエレベーターに向かって走って行くのが見えた。

「早く起き上がってください、エルヴァさんが連れ去られてしまいます」

「くそっ」

ブサイクなぬいぐるみの声を聞きながら立ち上がりぬいぐるみを掴み金髪の女性の後を追った。

エレベーターの前にはもう誰もおらず開けっ放しのドアから上を見ると金髪の女性がエルヴァを抱えてアオキが降りて来たあいたままのドアに入るのと入院服の下の白い足と共に白いお尻も見えた。

「おっ」

(思わず声を出してしまった)

「なに反応してるんですか?さっさと早く追いかけてくださいよ!」

「うるさいな、このまま下に投げ捨てるぞ」

「やめてください、本当に野蛮な人だな」

一瞬本当に投げ捨ててやろうかと思ったがこいつはコレでも高性能なコンピューターだ、とっておけば確実に役に立つ。

金髪の女性はエルヴァを抱えたままエレヴェーターシャフトを一階まで移動したようだが、どう考えても普通の女性ではなさそうだ。

ブサイクなぬいぐるみを戦闘服の上着の下に押し込むと何か文句を言ってきたが無視してシャフト内に垂れているロープに飛びつき壁に足をつけて一気に上まで登った。


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