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そーれ!!  突撃!!

「アオキ、大丈夫か?何度か蹴られていたが・・・」

言われてアオキがTシャツを捲り挙げると腹には赤黒い様な痣が出来ていてアオキは自分で痣を触ると痛そうに顔を歪めた。

「おい、大丈夫か?もしかして肋骨が折れてるんじゃ・・・・」

「いや、動いても痛くはないから大丈夫だと思う」

いいながら冷蔵庫の冷凍室から氷を取り出して近くにおいてあったコンビニのビニール袋に入れると痣になっている場所に押し当てからコシミズの反対側のソファーに横になり大きくため息を付いた。

「体が痛んでる時に悪いがどうしてあの女の子を連れ戻そうとしたんだ?お前がブサイクなぬいぐるみを連れてきた時は驚いたが、一体どうしたんだ?説明してくれないか?」

コシミズはテーブルの上に置いたままになっていたエルヴァのペットボトルのお茶があった、立って冷蔵庫の中のお茶を取りに行くのが面倒だしいない人のお茶なので構わずに飲むとアオキが話し始めた。

「お前達が出て行ったあと俺は冷蔵庫に入れていたあのブサイクなぬいぐるみを取り出して分解しようと作業場に持って行くとぬいぐるみが女の子がいないことに気が付いて騒ぎ始めたんだよ、『エルヴァさんはどこに行ったんだ?』って感じでな」

「それで?」

「俺が騒ぐな、解体されるのに見苦しいぞって言うと『昨日から話を聞いて推測するにあなたたちは重大な勘違いをしています』って行った始めたんだよ、そして俺が何の事だって聞くと、『あの研究所での最高機密は私ではなくあのエルヴァさんなんですよ、私はあくまでエルヴァさんのサポート兼監視役なんですよ、エルヴァさんは簡単に言うと超能力者であの研究所でエルヴァさんの研究をしていたんですよ』とか言いはじめてな、俺だけじゃ本当のこと言ってるのか言ってないのかなんて分からないからコシミズと女の子を迎えにいったんだが、騒ぎになって女の子が連れて行かれるのが見えたから慌てて突っ込んだらコシミズが道路に飛び出してきたんだよ」

「そうか・・・」

その後はコシミズもいたのでわかるが、エルヴァとあのブサイクなぬいぐるみが連れ去られた今本当の事を言っていたのかを確かめることは出来ない。

思わずため息を付くとアオキが聞いてきた。

「どうするんだ?これから?」

「どうしますかね・・・、アオキも体が万全じゃない状態であの子供とぬいぐるみを取り戻しに行くってのもな・・・・・、そもそも俺達があの研究所から盗み出したんだからな・・・」

コシミズが呟くとアオキが身体を起こしてソファに座りなおしてコシミズを見た。

「おい、おい、悪の秘密結社の首領がそんなんでいいのかよ、あの研究所から俺達が盗み出した時点であれは俺達のものだ、それを奪われたんだぞ!」

アオキが珍しく本気で怒っている。

「たしかにな・・・」

「なら俺達の取る行動は一つだろ?」

「そうだな、やられたらやり返す、倍返しだ!」

言ってアオキを見るとニヤッと微笑んだ。

「お前のその言葉、流行は過ぎたが嫌いじゃないぜ」

言われてコシミズもニヤッと笑った。

「だが今すぐというわけにも行かないな、奴等の居場所が分からないし準備も整えないといけないしな」

コシミズが飲みかけのペットボトルのお茶を一口飲んでからアオキに差し出すと受け取って一口飲みながら立ち上がりアオキは自分の工房兼車庫に行ってしまったのでコシミズは冷蔵庫から冷えているお茶を取り出すために立ち上がり冷蔵庫に近づき冷蔵庫のドアを開けると冷蔵庫の中に並べられた缶ビールが目に入り思わず手を伸ばして握るとキンキンに冷えていてお茶のことなど忘れて缶ビールを取り出した。

「おい!」

アオキの声が聞こえた。

「アオキもビール飲むか?」

言いながらもうもう一缶掴んだ。

「俺は要らないしコシミズも飲むんじゃない」

「どうして?」

聞き返しながらアオキを見るとアオキは手にタブレットPCを持っていた。

「どうしたんだ?それ?」

「ビールをしまってコレを見ろ」

言われた通り二つの缶ビールを冷蔵庫に戻してからタブレットPCを受け取って表示されている画面を見ると何処かの地図が表示され真ん中の学校のような大きな建物で赤い点が表示されていて思わずアオキを見た。

「これはまさか・・・」

「お前の想像通りだよ、あの駅前のお前達に会いに行く前にぬいぐるみの中に発信機を仕込んで置いたんだよ、ぬいぐるみだからしこみやすかったしな、だからあいつらがドコにいるかはすぐにわかる」

「ならビールなんて飲んでる場合じゃないな」

「あぁ、いろいろ準備しないとな」

そういって二人は笑い合った。




深夜一時を過ぎほとんどの家の明かりが消えて住民達が眠りに入った頃、コシミズはアオキが駅前に乗ってきたシルバーのセダンの普通車に一人で乗り全身をアオキが開発した黒い戦闘服を着て顔を見られないようにするのと安全のために黒いヘルメットをつけていた。

アオキがブサイクなぬいぐるみに仕掛けた発信機が点灯していた場所は本当に都内の大学の構内で悪の研究所が大学の施設の中に隠してあるなんて灯台暗しというかなんというか・・・。

「おい、準備はいいか?」

ヘルメット内のスピーカーから上空の武装したオートジャイロに乗っているアオキの声が聞こえてきた、前使用したときは逃げるためのほとんどの武器を外していたが今はこの辺一体を塵にする気なんじゃないかと正気を疑ってしまうくらいの危険な武器を大量に搭載していた。

(実際にあいつは黒い服の男に蹴られているから塵にするつもりかもしれないな・・・・)

「おい、大丈夫か?準備は出来ているのか?おい!返事をしろ!」

「あぁ、悪い少しヘルメットの位置を直したからもう大丈夫だ」

「本当か?何か問題があれば帰ったら報告してくれ」

「分かってる、そっちはOKか?」

「いつでもいいぜ!、あいつらの施設を全部破壊してやる!」

アオキの意気込みの思わず笑ってしまったが目の前のカーナビにセットしてある目標地点を確認した。

「エルヴァとブサイクなぬいぐるみはまだ中にいるんだろうな?」

「エルヴァは知らないし、ブサイクなぬいぐるみの発信機に気が付いていないことを祈るんだな」

「まぁ、違ってもいっか、どうせ俺らも奴等も悪い奴なんだしな」

「そうだ、そうだ、気にするな」

コシミズは今まで止めていたエンジンをスタートさせた。

「俺が先に突っ込んで様子を見て無線で連絡する」

「OK、たのしんで来い」

(たのしませてもらうよ!)

コシミズはライトをつけてからアクセルを軽く踏んでゆっくりと車を進めた、深夜なのですれ違う車もなく遠くからでも大学の明かりの付いた守衛室の警備員二人がこちらを見ているのがわかり、車が近づいていくと一人が帽子をかぶって出てきたが深夜一時なので完全にコシミズを怪しんでいた。

「どうするんだ?」

こちらの様子を見ていたアオキの声が聞こえた。

「どうせヘルメットかぶってるんだし無視して問題無いだろ?」

「そうだな」

コシミズは今まで徐行くらいの速度で車を進めていたが返事をした瞬間に一気にアクセルを踏み込み車を加速させると驚いた警備員が腰から何かを取り出して運転席のコシミズに向かって構えた瞬間に発砲がして思わず目を閉じた。

だが、この車はアオキの特別製の車のなので防弾使用になっているためフロントガラスには傷一つ付かない。

警備員は入ってくる車が防弾使用になっているとは想像していなかったようで驚いた表情をしながらも轢かれないように逃げコシミズは車を目的地にむけて走らせると大学の敷地内の警報がなり始めた。

「気付かれたようだな」

「ここの警備員、俺に向けて銃を撃ってきやがった」

「なら正解だな、ここは普通の大学じゃないな」

「あぁ、アオキも何があるか分からないから注意しろよ」

言うと目の前の施設の明かりが付くと黒い服と銃のような物をもった男達が十人以上出てきた。

「さぁ、お楽しみの時間だ!!」

コシミズは言いながらハンドルのクラクションを鳴らす部分のカバーを外すと中には1~10の数字が書かれたボタンが現れた、1番のボタンを押すとボンネットの中心がパカッと開くと中から機関銃が現れて目の前にいる黒い服の男達を一斉になぎ倒した。

「大丈夫か?」

「問題ない、これから目的地に向かう」

コシミズが赤い点の場所に向けて車を走らせると大学構内の奥から駅前で見た装甲車が出てきた。

「あれには1番の機関銃は効かないぞ、だから3番を使え」

「3番ね」

アオキに言われ3番のボタンを押すとボンネットの機関銃が収納されると灰色の四角い箱が現れると車内にも響く激しい音が聞こえると何かが飛んで行き次の瞬間には装甲車は火に包まれていた。

「3番て何なんだよ?」

「ミサイルランチャーだ、そんなことよりさっさと目的地に向かえ」

「わかったよ」

アクセルを踏んで倒れている人と爆発した装甲車を交わして目的地に近づくと目的地は五階建ての一面がガラス張りになっているきれいなビル建物で学生や職員がお茶でもするのかテーブルと椅子が大量に並べられている吹き抜けのスペースが見えたのでそのままガラス張りの壁に突っ込むと大量のガラスが割れて車の天井に降り注ぐ嫌な音が聞こえて背筋がゾクゾクした。

もう一度車のナビでぬいぐるみの位置を確認するとどうやら建物地下にあるみたいだ。

「建物の中に入って捜索する」

「ならちゃんと外にでて車をロックするんだぞ」

「わかってる、研究所だから電波が遮断されて通信できなくなるかも知れないから気をつけろよ」

「あぁ」

返事をしながら車の外に出て電子キーでロックを掛け地下に向かう方法を探したがエレベーターがあるのは見えるが階段が見つからずどうするか迷っているとチンという金属を叩いた軽い音と共にエレベーターのとびらが開いた。

「どやら誘われているみたいだ」

「気をつけろよ」

「大丈夫だ、大人しく乗るつもりは無い」

返事をしてコシミズは腰から黒い球体を取り出すと一番上のボタンを押してエレベーターの中に転がして入れると素早く乗ってきた車の陰に隠れて両耳を塞いだ。

(いけね、数を数えるのをわすれた)

そんなことを考えていると空気を揺さぶる轟音と共に体が揺さぶられエレベーターが落ちて底にぶつかる音が聞こえた。

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