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裁きの雷  作者: つーにゃむ
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序章


 西暦1999年


 1999年7月に恐怖の大王が来るだろうとノストラダムスが予言した。それは人類が滅びると予言したものであり、実際何があって人類が滅亡するかは分からない。環境問題、核兵器、彗星など、「恐怖の大王」の候補とされているものがあるが、本当のところは何もわかっていない。



 人類滅亡の予言を前に、ただの戯言だと、どうせ何も起こりはしない。と笑うものもいれば、災害や暴動がおこった際の対策を準備するものもいる。それでも実のところ誰も信じていない。

 だってそうだろう、君は明日死ぬんだよ!と言われて誰が信じられるものか。


 人は皆、病院で余命宣告や病気の診断など調べてから本当にあった事実以外はポジティブに生きるものだからだ。



 メディアやマスコミにもノストラダムスの大予言は持ち上げられたが、それも時間の問題だった。予言は一年も前からされていたが、話題になったのは一週間くらいだ。今住んでいるこの地球が予言のなにかによって滅んでしまうと信じられるか?

 それくらいノストラダムスの大予言は世界の皆にとっては、ただの酒の肴であったり、子供を教育するための脅し文句だった。



 そして運命の七月になったその時。空を見上げていた人が、あれ?と首を傾げ声を上げた。それにつられるように、周りの人も空を見上げる。


 そこには思っていたより小さい。が、たしかに隕石が落下していたのだ。

 こういった隕石は世界中の観測者や研究者によって地球に接近するコースにはいったときに機関に報告され、少しでも危険があれば、メディア放送される。


 隕石の対応は様々で、危険なコースにはいったならば宇宙空間で核爆弾により破壊し、大気圏の摩擦で燃やし尽くしてしまうくらいに粉々にしてしまうか、ミサイルなどで地球に落下するコースからはずしてしまうなどの方法がある。


 それにもかかわらず、どの観測者や研究者の目にとまらぬまま、人々の肉眼で把握できる距離にまで近づいた隕石。そんなことは絶対にありえないのだが、何かによって隠されていたかのように音もなく出現した隕石。

 その隕石は一つではなく、世界中に小さいながらも確かな勢いで大量に落ちてきたのだ。


 世界中から上がる悲鳴、何の演習もなしにはじまった避難勧告、世界中が阿鼻叫喚のなか、数々の隕石は地球に落ちた。


 地球に落ちた隕石は、大気圏に突入し、空気摩擦によって炎に包まれ燃え上がりながら落下してくる。観測者がなぜこれほどまでの数の隕石を観測できなかったのは定かではないが、やはり小さかったのだろう。


 どこの国に落ちた隕石も、クレーターができるほどの威力だったのは間違いないが、建物や土地に多少の被害はでたが、人類に対しての被害はなかった。


 予言は事実だったが、人類は滅亡どころか多少の物的被害はあったが大した被害にはならなかった。まるで、大した被害がでないような場所に狙って落ちたような。

 最近では落ちた隕石を見ようと大勢の見物客も集まっている。


 世界各国の隕石の周辺には研究者たちが集められ、様々な研究が行われていた。だがどの機関でも確かな成果は上がっていなかった。


 その一週間後、世界中で沢山の人々が高熱に見舞われた。これが隕石落下の弊害で、隕石には未知の病原菌があり、世界中の人類が高熱で倒れ、死に至るなんて可能性もあったが、人類の高熱も一週間程で収まり、事態は何事もなく収束した。

 だが脅威は、人類の予想を裏切るかたちとして、世界中の誰の目にも発見されぬまま広がっていった。



 初めにその事態に気づいた人間は、庭で花に水をやっていた。ここのところ天気が良かったためか、少し多めに水を上げようと、念入りにジョウロで水を蒔いていると、不思議なことにその人間の手のひらからも少量の水があふれ出たのだ。

 他にも、タバコに火をつけようとして、指から火が出た。

 手のひらから土や砂があふれてくる、植物が成長していく、空を飛べる。等、個体差はあっても、世界中の全ての人間から奇跡のような出来事がおこっている。

 

 これらが人間に発現して以来、人々の目には、体からオーラのようなものまで視認できるようになり、世界各国から研究者が集まり、これらの事について解明していく。



 この奇跡に対して人類が表明したのは、この体から溢れるオーラは魔力であり、おこりえる事は様々だが、それは魔法である。

 研究によって、隕石に魔力が宿り、隕石が地球のあちこちに衝突し、その魔力が拡散し、世界中の人間に魔力が宿ったと結論づけた。



 隕石落下の後、世界中の人間に発症した高熱は、魔力を体に馴染ませているためにおこる現象であり、これからも魔力を体に宿した人間にははじめに高熱がでる。

 そう、研究者や、公的機関の発表により人類は歓喜した。

 魔力の発現には人類が暮らしやすくなるために科学のみならず、魔法と共存していくことによって、世界が新たに進化する未来ができたと人類は喜んだ。


 しかし、魔法の発現が良いことばかりとは限らなかった。

 それを悪用しようとする人間が出てきたのである。

 賭博や競争に使うものが出た。

 それは、魔法の力を使って、お金を違法で稼いだり、陸上競技などでは、今まで無名だった選手が、世界で一番速く走ることができる人間の倍の速度で走り抜けたりなど、既存のルールを捻じ曲げていった為、その対策として、その人物が持つ能力を管理され、競技などでは使わせないように厳重に審査や監視がはいった。

 賭博などでも違反しないかの監視員を常に配置され、違反をしたものには罪を与えた。

 そのような規制により、鬱憤のたまった一部の人々の中には暴力に魔法を使うものが現れたのだ。

 いつの時代にも、強い力をもったものは、その力を使わずにはいられない。

 その力を使って他の人間を従わせ、従わないものには容赦なく攻撃をくわえていった。


 そういった出来事が益々世界中を混乱させ、またそれらに対して世界中が行った対策が、警察や自衛隊などに魔法の訓練や経験を積ませ、悪には正義をもって対抗していった。

 

 最初のうちは小規模なテロや暴動で済んでいた事案がどんどん過激化していき、紛争地域では銃や爆薬、大規模魔法など、武器も持っていない一般市民であっても、いきなり魔法で攻撃し、警察や自衛隊でも後手にまわる一方で、明らかに悪のほうが優勢であった。



 それから何度も正義と悪の小競り合いがおき、世界が協力して対策し、時は進んで2020年。

 世界の防衛機関は悪に対しての対策を発表。

 世界中から優秀な魔法師を1000人集め、その魔法師たちを競わせ、厳しい審査を経て、上位10名を選出した。

 そのものたちが精鋭中の精鋭であり、それぞれが一騎当千の実力者であり、最強であった。

 その最強の10人をもって悪に対抗する。

 そのものたちはもはや魔法師ではなく、さらに上位の存在。魔導士である。

 




        その魔導士集団は自らの事を<<裁きの光>>と名乗った。

 





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