5/5
僕は運がない
パソコンに突然、電源が入った。
液晶に「緊急事態」の文字が表示される。
机の上に置かれた携帯電話がなる。
恭一は携帯電話を手に取った。
バイト先からの電話だ。
「もしも…。」
店長からの電話だった。
「恭一君今何時だと思ってるんだ。」
(しまった夕方からバイトだった。)
「すみません、今、事件に巻き込まれてまして。」
店長の怪訝そうな声色が聞こえた。
「何を言ってるんだ。君は続ける気があるか?」
(僕は運がない、今日はなんでついてないんだ。)
「もちろんです。すみません。」
「また明日連絡するから。今日は来なくていいから。」
「すみません。」
目の前がぼやけていく。
「ちょっと起きなさい。」
栞に起こされた。
「あんた、いつまで寝てるのよ。仕事に遅れるよ。」
くだらない夢を観た。
僕は運がない。




