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合コン

招待状をもらって来たものの、場の雰囲気になじめずに翔大は広間の片隅にいた。

彼の名は、森本翔大。

先日、ポストに入っていた婚カツの案内と言う、合コン形式に近い集まりに参加した理由はただ単に無料で食べ放題飲み放題と言うところに惹かれてしまったのだ。

現在無職の翔大にとって、怪しい招待状の内容は関係無かった。

ただ無料と言うところが重要であり、真剣に内容は読んでいなかった。

だけどー。

服装自由って書いてあったから、いつもの格好で着たのに、何か浮いてる!みんな、それなりの正装ではないか。

特に女の人たちの服装の派手さに驚きを隠せない。

翔大は、異性と話すのがあまり得意では無く、こう言う場での自分の立ち位置におどおどするばかり。


「あのー。」

ふと、女の子の声に気付きはっとして顔を上げた。

翔大の身長は男にしては低い方であったが、彼女は翔大よりかなり低く、周りの女の子たちより質素な服だったので、全く目立っていないその女の子は、翔大を見ながら言葉を続けた。

「何も食べないんですか?」

「え?」

「あ、ごめんなさい。私、こう言うとこ馴染めなくて、で、周り見てて、あ、私と同じような人いるなって思って。」

「………。」

「ホント、ごめんなさい。」

必死な彼女の言い方がおかしくて、翔大は吹き出してしまった。

「あ、えっと、私、星野しおりと言います。」

「星野さんですね。僕は森本翔大です。」

「翔大…さんって言うんですね…」

彼女の表情が一瞬くもったのを翔大は見逃さなかった。 

「翔大って名前に何かイヤな思い出でも?」

彼女は、翔大の目を数秒見つめ、目を反らし、下唇を噛んでから答えた。

「実は、私三ヶ月前に彼と別れたばかりなんです。その彼の名前が翔って名前だったんで。ちょっとドキってしちゃって。ごめんなさい。」

翔大は、すぐに返事ができずに、ちょっと間をおいてから、

「良かったら、何か飲みながら話しません?せっかくタダなんだし。」

と彼女を誘った。

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