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彼女が家出クラブに入った理由

でだ。

俺のクラブは、いったん閉じることにして、裏サイトへと移行した。

元々の閲覧者は一日7万、のべ年間2500万近いアクセスがあるが、

何度も投稿し支援金を寄付してくれた濃い客だけ、ハッキングで調べ上げ、

新しい「家出クラブ」に誘った。


それでも1万人はいた。彼らは絶対の秘密厳守を約束し、さらに年間10万の寄付をしてくれた。

これだけで10億の活動資金。


逃げなければいけない子供たち、つまり家庭内暴力や性的な危険、

さらには親の借金で闇に売られようとしている子供たちを助けたいという人たちなのだ。


そこに大人の家出人もたすけるという大義が加わり、ますます彼らの正義感をあおった。


まず、100名近い職員が、1年をかけてホームレスを調査した。

その数、全国津々浦からで約2万人。

彼らは、家出をしているわけで、家出クラブの会員になる資格はある。


しかも、彼らは住所がないので生活保護は受けられない。

まずは、ここからだ。


家出クラブは、田中ホーム、植田ホーム、佐藤ホームなど様々な名前で、プレハブを作り

彼らを収容した。全国200軒で1万人を収容したのだ。


そして俺は、生活保護の申請をした。

彼らの本名を聞き出し、それを自治体のデータをハッキングし照らし合わせる。


失踪届けが出ていないものに対しては、本名で生活保護を申請させる。

半分は失踪届けが出ているので、これは照らしあわされると、家族が出てきて面倒だ

新しい名前とIDを与え、同時に偽造の戸籍謄本を用意し生活保護を受けさせた。


もちろん、戸籍のデータベースも書き換えている。

全く新しい戸籍が、各都市に毎月2,3個増えても、確認のしようはない。


サイバー攻撃に対しての対策をしてないのが悪いのだ。


これで一月14~16の生活保護が入る。

もしくはあっせんした仕事で、同額が入る。

ホームは、食費と住居費などの経費と、仕事のあっせんなどで半分とる。

それで月8万、という事は、家出クラブに8億、年間96億入る計算になる。

そこに30億の資産家からくる活動費、会員の10億を加えると126億。


そう言う利益を残す気なんて、さらさらないので、どんどん土地を買い、家出人のためのコミューンを建築していった。

シムシティみたいなものだ。

そのうち政党でも作れそうな勢いで会員は増えていった。


5年もするうちに、家出クラブは、5万人の会員を登録し、

月40億、年500億の売り上げになった。


裏の仕事だけに、やくざ屋さんも絡んでくる。

が、そこは資産家の会長が、彼らを使うことで、話を付けた。

簡単にいうと、ある組がこの組織に組み込まれた。


クラブの勧誘は、慎重にやった。

所属する会員の中から、スカウトを訓練し養成していく。

そのスカウトが、ホームレスやネットカフェや深夜の繁華街を徘徊し

これはと思う人物に近づき、そして勧誘し、陥落させる。


そのターゲットの共通していることは、

家から出ている・家から出たい・・・と思っていて、苦労をしていて、

しかも、家と食事が与えられるだけで、満足という心理になっているという事だ。


家出の最大のポイントは、今までのしがらみを切りたいという事なのだ。

決して、全員が勤労意欲が欠如しているわけではない。


ホームレスビジネスで金銭的に安定してきた2年目から、未成年の保護を開始した。


こいつらは、ほぼ全員、新しい名前とIDを求めてきた。

子供の家出者は、そのままでは働けない。

だからこそ、俺かが守らなければならないのだ。


特に新宿・渋谷あたりは、家出娘のメッカ。

そこにはエロイ神が、ロリータを漁っている。


☆☆☆☆☆☆


私ののiDはS303-664-773-344 だ。

名前は二つある。

一つは仲田陽子、もう一つは澤田昭子。


半年前、14才の時、山形県から東京へ

親は借金のカタに私を売ろうとしていた。

こういう児童買春と言うのは、組織ぐるみ・家族ぐるみ。

借金とかでどん底の家族を言い含めて、子供を売らせるのだ。

小学生で1回30万くらい、私のように幼く見える中学生で20万という話だった、

半分の10万が親の取り分になるらしい。

2000万の借金はだったと聞いたので、私は200回抱かれる計算らしい。


これじゃ、家出するのも仕方ないと、みんな言ってくれるだろう。

どんなオヤジに抱かれるかと思うと、いてもたってもいられなかった。


親から盗んだ20万で新宿を根城にカプセルホテルとネットカフェを転々としたが、

一ヶ月で底をついた。


そういうときには、神があらわれた。

家出少女に寝床と食事を与えてくれる・・・それが神。

しかもロリコン野郎は、最後までやらなくても、少なくとも2万を出す。


一月に5人神を見つければ、根城をネカフェにして、しのいでいけた。

町を彷徨き、夜は神と出会えないかさまよう、なにもなければネカフェでネットをさ迷う、

他にやることもない。

15才になれば、働く。

そうなれば、今度はデリヘルやファッションヘルスで、年齢詐称でも通用するだろう。


どんどん堕ちていくのは分かっていたが、そもそも親に売られた時よりまし。

自分で選択している生き方なので、まだましに思えたのだ。


家出クラブについては、うすうす噂にはなっていた。

まあ、都市伝説みたいなもので、クラブに入ると、新しい名前がもらえる。

さらにまともな仕事と部屋を与えられる。

タコ部屋みたいに過酷なことはないらしく、風俗もやらなくていい。

なんて話だが、声がかかるのは、ほんの一握りらしい。


5年歌舞伎町に立ちんぼをしている女が教えてくれた。


「スカウトがいるらしいのよ・・・でもパッと見わからないっていう話よ。

 私の友達もいなくなったんだけど・・・もう連絡つかないのよ」


そりゃそうだ。新しい名前と場所を与えられたら、すべて断ち切るものだ。


アメリカの証人保護プログラムと同じこと。

アメリカではマフィアの「血の掟」による復讐から証人を保護する目的で設けられた。

住所の特定されない場所に極秘で居住、パスポートや運転免許証、社会保障番号まで新しいものを

交付し、生涯守られる。


家出クラブの新宿三四郎という人は、アメリカの証人保護プログラムを家出人に応用したと

聞いている。


素敵な考え方…まさに彼は、本当に私たちの神様だ。


出会いたいな~って思いながら、夜の街を徘徊していた。

そんなときだ、新宿三四郎の家出クラブに誘われたのは!





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