家出クラブにようこそ !
俺のハンドネイムは、新宿三四郎。
最近、俺のクラブ活動が、よろしくない。
なにかと、事件に巻き込まれる。
№S302-453-333-231と№A455-877-333-540
そして№G500-302-003-003
みんなうちのクラブに所属している。
特にG500-302-003-003こと田原草子は、最高の成功例で、有名で華やかで
クラブ員達の励みになつていたのに。
いちつもように警察をハッキングすると、これらのiDが注目されている部署があった。
船越とか言う警部のパソコンが、やたら検索し、メールでも、捜査の指示を出している。
まあ、俺までたどり着くには、クラブ規則に絶対の秘密と隠すマニュアルをつけ、なによりボタンひとつで、クラブに関するワードを削除するプログラムの入った入会ソフトをインストールさせるので、ウォールを張りまくったから、まあ時間がかかるだろう。
しかも念のため、1週間使わないと自動的に削除消滅するようにしているから、不慮の事故でも、このクラブの事はわからない。
まあソフトはそのたびにダウンロードすればいいので、特に不満はでてこない。
しかも、iDの痕跡を、こちらのデータベースから、完全削除すれば、どんな天才ハッカーがいても、探しようはなくなる。
って事で、deleteボタンを押して完了!
俺は、彼らの存在をクラブの中から消し去った。
えっ、なんのクラブかって?
日本最古の、しかも最大の「家出クラブ」だよ。
家出をしよう・・・そう考えるやつは少なくはない。
だから、20年前、小学生の時に、遊び半分で
俺はネット上に裏サイトとして「家出クラブ」を作ったんだ。
家出人捜索願は年間で8~10万人出てくる。
その中で、10歳未満の家出人の数が700人以上もいる。
捜査願いが出てない奴を考えると、この倍いるだろう。
それに、居所不明児童生徒と呼ばれている子供たちがいる。
小学生で855人、中学生で336人、あわせて1200名近い。
その多くは家出だろう。
本当に実行するやつが、それだけなら、家出をしようと考える子供は、そのなん十倍だろうか?
ならば、そういう子供たちに安全に家出できる仕組みを作ってやろう。
そう考えて、俺は「家出クラブ」を作った。
よくある家出娘を紹介する風俗では意味がない。
最初は、家出をして何日か過ごせる場所を紹介していた。
2~3日過ごせる公園や施設を教えたり…あるいはカプセルホテルに親の名前で予約してやったり…
どうせ、それくらいのプチ家出すれば、親は子供の意見を聞くようになる。
それでよかったのだ。
そして、掲示板に悩みが寄せられそれにこたえるようになった。
そこで、DVで親に殴られ、ご飯も食べさせてもらえないとか、性的な暴行を受けているという
女の子たちの存在が話題になり始めた。
彼女たちは、家出をしなければならない存在を知った。
そのうち、大人たちが、掲示板に入ってきた。
大抵は、家出娘の「神」になって、寝る所・食べるもの・そしていくらかの小遣いの代わりに
ロリコン嗜好を満足させて…といういやらしい奴ら。
なんでわかるかって・・・・
俺は、小学生で、すでにハッキングを身に着けていた。
家出少年少女に手を差し伸べるような文面には、必ず疑いを持ち、その発信元を調べた。
たいていは、ロリコン写真があり、もしくはそういう風俗や性的なことのWEBの検索歴がある。
ところが、一人だけ、ある企業の80歳になる会長のアクセスがあった。
最初は、うそだろうと思っていたが、何度もメールが届き、こちらも様々なハッキングで
彼を調査した。
その結果は、疑いなく資産家本人であることを証明した。
そこで、中学2年の時に、その資産家とあった。
「僕もね、親がやくざで、小学6年生で家出をしたんだよ。
そこから、裏の世界に入り、チンピラから若頭まで登りつめた。
そして、今の商売に目をつけたて成功したんだよ」
「えっ、でも立派な大学卒業してるじゃないですか?}
「ああ、その経歴・・買ったんだよ」
金さえあれば、だれにでも「なりすませる」という事だ。
その先は、怖くて聞きたくない…経歴を売るなんて・・・そんな人はろくな人生ではない。
そして、資産家は、俺に提案をしてきた。
「このクラブは、目の付け所が面白い。これから伸びるよ。
面白いビジネスだ。しかも、すでに毎日10万のアクセスがある。
これをびどネスにしてほしい。つまり、君に投資したい。」
えっ、と思ったが、何をしたいのか・・・それがわからなかった。
「家出人捜索願は年間で8~10万人、それは、君も知っているだろう。5年で40~50万人。
鳥取県の人口数だよ」
それは言い過ぎだよとは思ったが、大都市の人口ではある。
「その大半は、大人だ。その多くが自殺したり、ホームレスになる。
その多くは、人生を捨てている奴らだ。
そいつらを助けたい」
子供を助けるのが俺の理念だが、この人は大人を助けたいのだ。
でも、そこには大きなすれ違いがある。
「大人はいやかい?」
「ちょっと違う気がします」
「でも、君の助ける子供たちも、人生を捨てようとする子供だよ。
過去を書き換えたいのは同じ・・・・」
そうかもしれない・・・
「そこで、私は、世代を超えて、家出クラブを組織化してほいんだ。
組織化すれば、仕事を与えることもできる・・・私の力で。
すると過去を書き換えて、彼らは仕事をして生きられるんだよ」
この人の企業は、職業のほぼ全域をカバーしている。家電、薬品、不動産と言った大きなのから、警備、コンビニ、100Yenショップまで100業種以上、
それほど多岐にわたっての事業展開をしている。
「何をすればいいんですか?」
「過去を書き換える・・他人のものとシャッフルする。
あるいは、新しい経歴を偽造する。それで自由になる人がいる。」
えっ、それって犯罪じゃん!!
「そのとおり、でも私が後ろにつく。
さらに初年度から年間30億以上の資金と、私の部下が100名はつける。
彼らは私に絶対服従の精鋭だ」
えっ、でも捕まったらいやだな~
「君も含めて・・全員、偽名で活動する。
万一、誰かが捕まっても、君と数人のキーマンは、高層ビルの厳重な秘密の場所で動くので
捕まることは、ほぼないよ」
というような、会話で、俺はここにいる。
新宿の超高層ビルの54階で、こにはいるまでに7つのドアがすべて暗号化されているキーと
認証で守られているという秘密の基地。
その人から、新しい名前まで与えられた。
それが家出クラブ代表「新宿三四郎」なのだ。
「なりすまし」の王さまは「なりすまし」
そう言う事だ。