表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/22

名前のない女の復讐 2

資産家は、女の言うまま、その会社の株を買い占めていく。

時間内取引と、時間外取引を繰り返し、2000億で株の95%を手にした。


3000億のうちの2000億。

まあ出せない額でもない。


そして、その日、ある金曜日。

都市銀行の社員と、台湾の萬一〇〇公司の役員たちが

資産家の豪邸のロビーに集まった。


役員たちは、全員ベンツやジャガーという豪華な外車で乗り付け

資産家の駐車場は、さながら高級外車の見本市に。


台湾の萬一〇〇公司の本社のある台湾南部の高雄にも、資産家の手先を

派遣し、二箇所で、今度は、資産家の2000億の株の取り引きが行われて

言った。


やることは簡単で、巨額ではあるが銀行の入金を見て、振り込みを確認し、

名義を書き換える。


まず最初の50億で、すべてをチェックした。


銀行の振り込みも、複数の端末で確認し、正規に取引されている確認をした。


次の50億も同じように確認・・・


そして、三回目の50億からは機械的に処理していった。

たった30分で2000億の株を5000億で売却できた。


これにより、ゲインは3000億。


同時に、萬一〇〇公司は資産家の会社は、年間600~1000億で年間225億の

利益の出る商取引を15年間行うという輸出入契約を提携した。


まあ、このすべてがパソコンで行われるのが今という時代らしい。


「リアリティがないな~」


資産家はそうつぶやいた。


だが、その言葉通りだと気づいたのは、土日を挟んだ月曜、三日後だった。


最初の100億以外は、いっさい口座になかったのだ。



「えっ・・・・・・・」



報告を受けた資産家は、巨額の詐欺に引っかかったことを思い知らされた。


公司は簫の会社・・・そして、役員たちも詐欺師。


しかも2000億の株をたった100億で手に入れていた。


銀行の入金画面はダミーで、確認をした銀行員は偽物で


そう言う事だ。



「パソコンの数字に意味はない」・・・・新宿三四郎の仕業だ。


こんなデジタルの画面のやり取りは、彼にとっては、意味のない事。

簡単に精密にリアリティをもって作り上げられる

彼ならではの虚構の世界なのだ。


この女こそ、かって失踪し、アルアル詐欺にも絡んでいたというクラブのホステス・サチ。


パスポートに書かれた中村花子・・・・しかもそれも偽物と言う、なりすまし人生の女。


家出クラブの初期メンバーである。


実は、失踪後、歌舞伎町で身を売っていた彼女を、新宿三四郎が発見し、確保した。


そもそも彼女の家庭はひどかったのだ。


彼女の本当の名前は、村中めぐみであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ