七鍵『悪徳貴族』登場人物一覧†第四部
七鍵『悪徳貴族』登場人物一覧†第四部
これまでのあらすじ。
復興歴一一一一年/共和国歴一○○五年。
海運の要衝たるマラヤ海峡を擁するマラヤディヴァ国は、二大陣営に分かれて戦っていた。
神焉戦争以来の野望を果たすべく牙を磨ぐ邪竜ファヴニルは、緋色革命軍を煽って国土を火に包み、彼の盟約者たる異世界人クロードは大同盟を組織して反攻を目論む。
約束の日が近づく中、両勢力の衝突が始まろうとしていた。
☆大同盟サイド
【レーベンヒェルム領】
小鳥遊 蔵人
/本エピソード『悪徳貴族』の主人公。
悪徳貴族の影武者として、壊滅状態だった領の復興を遂げた。
数々の苦難を乗り越えて、領主としても戦士としても成長している。
レア
/あらゆる仕事をこなす万能メイド。
契約神器であるファヴニルやオッテルとなんらかの因縁があるらしい。
ソフィ
/古い地元宗教の巫女であり、千年前に多くの人を救うべく、ファヴニルと盟約を結んだファフナーの一族の末裔。
魔術道具と心を通わせ、力を引き出す異能をもつ。
アリス
/異世界から来た、黄金色の毛並みをもつ猫にも狸にも似た愛らしい獣。
現在は人化のすべを得て、黒髪の大人にも、金髪の子供にも変身できる。
セイ
/群雄割拠の戦争が続く、日本に少しだけ似た異世界からきた少女。
軍を率する才能を開花させ、部下たちからは飛将軍、姫将軍と慕われる。
ショーコ
/かつて異なる世界を救い、それゆえに忌まれて追放された少女。
人類の守護者としての矜持を忘れず、中立の立場から怪我人の治療などを行っている。
テル
/元第三位級契約神器オッテルだが、いまは力を失ってカワウソに化けている。
千年前、神話の時代から戦い続けた古強者で、ファヴニルとレギンの兄貴分だった。
エリック
/領警察特別警備隊隊長として、治安維持につとめる少年。
クロードとは良い喧嘩友達で、守りに特化した盾の契約神器を持つ。
ブリギッタ・カーン
/外交折衝担当官。
優秀だが、時にはクロードや彼氏のエリックも裸足で逃げ出す辣腕家。
アンセル・リードホルム
/出納長(戦闘職)。内政にも軍務にも通じた領の要石。
広域把握と砲撃能力を有する弓の契約神器をもち、兄であるダヴィッドの打倒に心を燃やす。
ヨアヒム
/領軍参謀長。縁の下の力持ち。
幻影、回避の魔術を付与する棒の契約神器をもち、戦場でも冷静な冴えを見せる。
ハサネ・イスマイール
/諜報に重きを為す、公安情報部の幹部。
道を誤った犯罪者を更生させる刑務所長としての顔と、ファンクラブのデモを煽るトリックスターとしての顔をあわせもつ、とらえどころのない男。
ロロン
/領海軍を率いる提督。
かつては腐敗した貴族に抵抗する義賊であり、マラヤ海峡を荒らした大海賊だった。
【ヴァリン領】
ヴァリン公爵
/学問に秀で、マラヤディヴァ国屈指の繁栄を見せるヴァリン領を統べる為政者。
老いてなお揺るぐことのない姿勢でクロードを支え導く。
ニコラス・トーシュ
/ヴァリン領大学の教授。
都市と農村が共存する牧歌的な楽園を夢見て、幅広い分野の研究を進める。
【ルクレ領】
エステル・ルクレ侯爵令嬢
/かつて強力な水軍をもち、いまなお水運に長じるルクレ領の跡継ぎたる少女。
寺子屋で勉強中。アネッテ・ソーンを母のように慕い、ミーナやアリスと仲がいい。
ミーナ
/獣人や精霊が住む異世界から来た羊族の少女。行き場を無くしていたところをエステルに救われ、彼女を守ると決めた。
現在はソーン領との仲を取り持つべく出向中。
コンラード・リングバリ
/いまは亡きエステルの父、トビアス・ルクレに恩がある騎士。一度はセイとも熾烈な戦いを演じた。
主席監察官代行としてルクレ領の文武官を率いている。アンセルとは食道楽を巡るライバルにして同好の士。
ミカエラ・レーン
/ルクレ領の騎士。
コンラードを師と仰ぐ直情娘。
【ソーン領】
アネッテ・ソーン女侯爵
/領内に大規模な山地を有し、かつては精強な陸軍を誇ったソーン領の後継者。
現在は、山の清水を活かした酒の醸造や、魔術道具の製造に力を入れている。
緋色革命軍との争いで戦中行方不明となった夫の帰りを、今も待ち続けている。
アンドルー・チョーカー
/元エングホルム領の騎士で、緋色革命軍に一時所属。高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に戦うことを座右の銘とする指揮官。
現在はソーン領の隊長格の一人。ドを外れた色惚けだったり、戦略面では無能だったりするが、局地戦では意外な強さを発揮する。
ミズキ
/西部連邦人民共和国の工作員。三番目と番号で呼ばれていたが、花にちなんだ名前をセイからもらう。
緋色革命軍のゴルト・トイフェルは、共和国の監視の目を嫌い、ソーン領に向かうチョーカーに随伴させる形で彼女を追放、あるいは逃がした。
共和国には、おそるべき……紫色の服を好む痴女っぽい上司がいるらしい。
【ナンド領】
マルク・ナンド侯爵
/高い工業力を有するナンド領の後継者。
尚武の精神を重んじて、自らも積極的に前線に赴くが、強すぎた英雄願望が裏目に出ることが多かった。
クロードとの出会いで視野が広がり、より良き領主を目指す。
ガブリエラ・レーン
/元ソーン領の騎士で、ミカエラの従妹にあたる純情娘。
マルクと縁があったことで、ナンド領へと移った。
【ユーツ領】
ローズマリー・ユーツ侯爵令嬢
/農業と錬金術に長じたユーツ領の後継者。
現在、領地は緋色革命軍の占領下にあり、故郷を解放すべくクロードに力を貸す。
また自身が奴隷として売買されるところを救い、避難民を逃そうと死力を尽くしてくれたヨアヒムには心を許している。
★緋色革命軍サイド
ファヴニル
/とても可愛らしい容姿の少年。「悪徳貴族」における諸悪の根源であり、緋色革命軍さえも、彼が裏で糸をひく玩具に過ぎない。
かつては龍神として人々を愛したが、なんらかのきっかけで邪竜へと変貌した。
変化と堕落の魔法を極め、一軍すら容易く葬る強大な存在だが、クロードには愛憎入り混じった眼差しを向ける。
ダヴィッド・リードホルム
/緋色革命軍の代表で、元テロリスト団体”赤い導家士”の幹部、アンセルの兄。
レベッカ・エングホルムを介して、強大無比なファヴニルの力(本人はオッテルのものと誤認)を得て、マラヤディヴァ国を戦火に包み、独裁者へとなりあがった。
自身の理想社会を構築しようと目論むが、理念だけを信じて現実を見ずに惨劇を繰り返す。
レベッカ・エングホルム
/緋色革命軍の幹部の一人。古き文化を重んじながらも、革新的な価値観を並立させたエングホルム家を簒奪した少女。
アンセルやダヴィッドたちの幼馴染であり、ソフィに強く執着する。
並行世界を覗き見、干渉する異能の力をもつが、それがゆえに善悪の価値観を見失った。
ゴルト・トイフェル
/緋色革命軍の幹部の一人。セイに匹敵、あるいは凌駕する軍才を持ち、敵味方から万人敵と恐れられる。
緋色革命軍の中では比較的良識派のように見えるが、彼の内面では闘争の歓喜が渦巻いている。
ドクター・ビースト
/緋色革命軍の幹部の一人で、愛する娘を理不尽に奪われたことで狂気におちた異世界出身のマッドサイエンティスト。
故人。彼が戦死したことでダヴィッドは台頭し、歪んだ理念によって組織と領土を弱体化させてゆく。
ヨハンネス・カルネウス
/緋色革命軍の提督。大海賊ロロンを一度は沈めた男。
強すぎるが故にルクレ領の貴族に陥れられ、爵位を奪われた過去をもつ。
*その他勢力
グスタフ・ユングヴィ大公
/マラヤディヴァ国現国主。
ユングヴィ領失陥後は、メーレンブルク公爵の元に身を寄せている。
メ-レンブルク公爵
/ヴァリン公爵と双璧を為す老練な政治家。
国家に変化をもたらす者としてクロードを憎むが、それは彼を認めるが故だった。
あえて大同盟には与せず、緋色革命軍を引きつけて反攻の時間を稼ぐ。
ニーダル・ゲレーゲンハイト
/西部連邦人民共和国の冒険者で、その正体はクロードの先輩である演劇部長こと高城悠生。
共和国では小勢力の民主派に属し、”シュターレンの雪解け”における虐殺阻止、民間人脱出などに協力している。
イスカ・ライプニッツ・ゲレーゲンハイト
/ニーダルの養女。
アリスの親友で、ミズキの妹分。
ロジオン・ドロフェーエフ
/テロリスト団体”赤い導家士”の用心棒。
レベッカが知る凄惨な平行世界からの来訪者で、めっぽう腕が立つ。
なぜかイスカやミズキを気にかけている。
オズバルト・ダールマン
/西部連邦人民共和国の軍人。使い手の少ない鋳造魔術と武技を極めた達人。
共和国では、どちらかといえば現実指向のパラディース教団現教主派に属している。
ガルム
/オズバルトが”シュターレンの雪解け”事変の際に殺めた同僚から引き継いだ契約神器。彼にはその毛並みから”銀と呼ばれている。
千年前オッテルに救われたらしく、レーベンヒェルム領に来てアリスたちと友好を育む。
ライナー
/異世界人とのハーフの青年。その出自から実験動物のように扱われた過去がある。
オズバルトを敬愛し、余命の少ない彼を献身的に看病する。
ウド・シュバーツヴルツェル
/西部連邦人民共和国パラディース教団の枢機卿。
拡張・侵略志向が強い前教主派の中でも特に過激な野心をもち、盤外からマラヤディヴァ国に影響を与える。
ミズキの依頼人
/西部連邦人民共和国パラディース教団の重鎮と思われる女性。
レベッカの知己であり前教主派に属しているが、マラヤディヴァ国に干渉する気は無い模様。
クロードを高く評価し、彼ならば条件次第で己すらも討てるだろう、と言ってのける。『いったい誰なんだ……?(本人談)』
レギン
/レーベンヒェルム領に眠る第三位級契約神器。千年前、神話の大戦に参加したオッテルとファヴニルの妹分。
彼女を見つけ、ファヴニルに対抗するのがクロードの使命である。
『探す必要なんてなくない? ってツッコミは無用だよ(ミズ以下略)』
≪マラヤディヴァ国簡易地図≫





