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【5/10発売】転生処理ミスで貧乏貴族にされたけど、錬金術で無双します!~もふもふとお金を稼いで家を救います~  作者: 空月そらら
第二章

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第90話 黄色いポーション

隣にあった『生活を彩る魔導具たち』という本も手に取る。


 魔力で冷える冷蔵庫や、自動で掃除をしてくれる箒。


 人々の生活を豊かにするアイテムの数々。


 夢が広がる。


 錬金術の世界は、私が思っていたよりもずっと広くて、そして深い。


 知見が広がりそうだ。


「でも、今は我慢ね」


 私は名残惜しさを感じながらも、ゴーレムの本と魔導具の本を棚に戻した。


 あれらはかなり難しそうだ。


 今の私の実力では、基礎理論を理解するだけで何年もかかってしまうだろう。


 まずは足元を固めないと。


 ポーション作成は、錬金術の中でも比較的入りやすい入り口だ。


 ここでしっかりと成果を出して、次のステップへ進む。


 私は気を取り直して、再び棚を探し始めた。


 ポーション、ポーション……。あった。


 『ポーション大全 ~効能と色彩の神秘~』


 辞書みたいに分厚くて重たい本だ。


 背表紙の金文字が、重厚な輝きを放っている。


「これなら、求めている情報がありそう」


 私はその重たい本を両手で抱え、近くの閲覧テーブルへと運んだ。


 よいしょ、とテーブルに乗せる。


 椅子に座り、重い表紙をゆっくりと開いた。


 中には、数え切れないほどのポーションのレシピが載っていた。


 一つ一つのポーションに、詳細な解説と、美しい挿絵が添えられている。


 色んな素材で作られる、様々な種類のポーション。


 回復薬(ヒールポーション)。


 解毒薬(アンチドート)。


 筋力増強薬(パワーポーション)。


 効果も様々なら、色も様々だ。


 基本の赤や青だけでなく、緑、紫、白、黒……。


 見ているだけで楽しくなってくる。


「さて、私は何色を作ろうかな」


 課題は『自分の好きな色』だ。


 私は自分の髪を一房、指でくるくると弄びながら考える。


「……黄色、にするか」

 

 温かくて眩しい色。


 私が錬金術を使う時に放たれる、あの「光」の色にも似ている。


「うん、黄色いポーション。可愛くていいかも」


 私はページをめくり、黄色のポーションを探した。


 黄色い液体で、かつ、一年生の私でも作れそうな難易度のもの。


『麻痺の毒薬(パラライズリキッド)』 ……うっ、これは黄色だけど、ダメね。


 課題で毒薬を提出したら、アイラ先生にどんな顔をされるか分からない。


 「あら、誰を殺すつもりですか?」なんて、笑顔で聞かれそうだ。


『発光薬(ライトポーション)』 飲むと体が光る薬。 ……宴会芸にはいいかもしれないけど、実用性が微妙だわ。


 私はさらにページをめくる。


 そして、一つの項目に目が留まった。


『初級・魔力微回復薬(イエロー・マナエイド)』


 説明文を読む。


 精神を安定させ、枯渇した魔力をわずかに回復させる効果を持つ。


 また、服用者の集中力を高める副次効果もある。


「……これだわ」


 魔力回復。


 今まで私が作ってきたのは、主に身体の傷や疲労を癒す「回復ポーション」だった。


 肉体へのアプローチ。


 対して、これは精神と魔力へのアプローチ。


 全く違う分野だけど、錬金術師として魔力を扱う私にとっては、喉から手が出るほど欲しい効果だ。


「よし、これにしよう」


 私は決めた。 黄色い、魔力微回復薬。


 これなら、私の「好きな色」という条件も満たせるし、実用性も高い。


 何より、作っていて楽しそうだ。


 私はレシピを食い入るように確認する。

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