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【書籍化決定】転生処理ミスで貧乏貴族にされたけど、錬金術で無双します!~もふもふとお金を稼いで家を救います~  作者: 空月そらら
第一章

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第62話 最後のオーブは女神のもとに

私が《ファイアウォール》を解除した、その瞬間。

 

闇の槍は、音もなく放たれた。

 

そして、巨大蜂の硬い外殻を、まるで紙でも貫くかのように、いとも簡単に貫通する。

 

蜂は、悲鳴すら上げる間もなく、その巨体を内部から、黒い闇に飲み込まれ、塵となって消滅した。

 

後には、焦げ臭い匂いと、地面に落ちた、大きな魔石だけが、残されている。


「……はぁ、はぁ……」


私はそのあまりの威力に、呆然としていた。

 

これが、Sランクの、魔力……。


「あ、あ、ありがとうございました……!」


我に返った、紫髪の少女が、私の元に駆け寄ってきた。

 

そして、深々と、頭を下げる。


「えっと、私の名前は、ユリ、と申します。森を、探索していたら、突如として、あの魔物が、現れまして……。その、私、昔から、虫が大の苦手で……」

 

「……そうだったの。私はエリスよ。さっきまで、あそこの木陰で、休んでいたんだけど」


私がそう言うと、ユリさんは申し訳なさそうに、もじもじとしてしまった。


「ご、ごめんなさい! 私のせいでお休みを邪魔してしまって……!」


彼女は、魔法帽子を胸の前でぎゅっと握りしめる。

 

まあ、あの魔物が突然出てきたら、誰だって驚くだろう。

 

同情はする。


だけど、ただで助けてあげたわけでもないのよね。


私は、ちゃっかり頭の中でそろばんを弾いていた。


「ユリさん。一つ聞きたいことがあるんだけど、赤いオーブはどこかで見なかったかしら?」

 

「赤いオーブ、ですか?」


私の問いに、ユリさんは少し考えるように首を傾げた。

 

そして、あ、と、何かを思い出したように顔を上げる。


「えっとですね、確か、ここを、真っすぐ行った先に、古い石像がたくさんある広場があります。その、一番大きな石像のすぐ近くに、赤いオーブが浮いていました。私はそこで赤いオーブを手に入れましたので」

 

「本当!? 助かったわ、ありがとう!」


探す手間が省けた。

 

魔力は、ほとんど空っぽになってしまったけれど、これなら、十分にお釣りがくる。


「エリスさん! その、また、いつか、必ず、このお礼は、させていただきます! ですから、学園で、またお会いしましょうね!」

 

「ええ。あなたも頑張ってね。虫には、気をつけて」


私が少しだけ意地悪く笑うと、ユリさんは顔を真っ赤にして、俯いてしまった。

 

私とユリさんは、そこでお互いに別の方向へと向かう。

 

彼女は、次のオーブを探しに。

 

そして、私は彼女が教えてくれた石像のある場所へと。


◇ ◇ ◇


「ここら辺、かな?」


私はユリさんが言っていた通りの道を歩き、石像がないか注意深く周囲を見ながら、歩を進める。

 

魔力も、体力も、まだ完全には回復していない。

 

だけど、休んでいる時間はない。

 

陽はすでに、西の空へと大きく傾き始めている。


しばらく進んでいくと、木々の密度が、ふっと、低くなった。

 

そして、目の前に苔むした石畳が広がる、円形の広場が、姿を現した。

 

その、中央にあった。

 

天を仰ぐように、立つ三体の石像が。


「これは……女神、かしら?」

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