08話 パーティ結成
皆さんお久しぶりです。
少し遅めのクリスマスプレゼントですが、投稿する前に内容を見返したら......
うん、ダメだ。
急いで友達に校正を3回ぐらい頼みました(ありがとね)
というわけで......
定期更新再開します!!!!
「今のは……なんだ?」
如月が目を丸くして、俺の矢が貫いた跡を見つめている。
そこには雷を帯びて黒焦げになったホーンウルフの死体と香ばしい匂いが立ち込める。
「おそらく、魔法です」
「そりゃそうだろ……ほんとに君、初心者?」
「はいっ!」
俺は満面の笑みで答えた。全身ボロボロだが、なぜか心は晴れやかだった。
「…………」
うわ、絶対今、目逸らされたよな。なんかやらかしたか?
あ、テンションが高すぎたか......
初対面の雑魚がこんな高いテンションだったら普通は引くか。
いや、さっきまでスライム一匹にすら苦戦してたから「弱すぎ」のほうか?
でも最後は雷で決めたしな……?
わからん!!
その間、如月は黙っていたが、ふと俺に視線を向ける。
「よし、組もう」
「っしゃぁぁぁ!!如月さん、よろしくお願いします!」
「如月でいいよ。てか、俺一年だし」
「え!?」
なんだ、一年なのかよ......
それでよく入学式の時に電話番号書いた紙渡したな。別にゆっくりメンバー決めりゃよかったやん。
とはいえ、そうしてたら俺はボッチだったからな。助かった助かった。結果オーライ。
如月はポケットを探り始め、
「あと、ポーションあげる。その傷ぐらいなら一瞬で治るだろうし」
「ありがとうございます!!」
え、遠慮はしないのかって?
するわけないだろ。肝臓が突き抜かれた状況でそんなこと言えるわけないだろ。
俺は小瓶の蓋を開け、一気に飲む。すると......
ジュワ......という音と共にものの10秒でたちまち傷が癒えてくる。これすげえな......如月に感謝だ。
……が、傷が治ったタイミングで最悪の敵が来た。
「グルルルル……」
背後から、低く唸るような声。
振り向けば、さっきのより一回り大きいホーンウルフ。牙がギラリと光る。
ホーンウルフからすれば初戦だが、俺からすれば2回戦かつ大破。勝ち筋は......ない。
急転直下と絶望の状況で思わず叫ぶ。
「おいおい、二匹目とか聞いてねぇぞ!!」
その瞬間、如月が一歩、前に出た。
風が静まり返る。
森のざわめきすら消えた。
音が世界から抜け落ちたような、研ぎ澄まされた空気。
「……仲間を傷つけられたのが気に入らない、か」
低く落とされた声に、背筋が粟立つ。
横顔は、ついさっきまでの優しい雰囲気とは別物だ。
冒険者としての威厳が、静かに滲み出ている。
「見てろ」
その言葉と同時に、空気が震える。
足元を走った魔力の気流が、肌を刺す。
次の瞬間──白い閃光が視界を断ち割った。
ジジジ……バチィィィッッッ!!
「───第五階梯、ラグナ・インパルス」
キィィーーン……ギュン!
白い閃光が一直線に走り、ホーンウルフが糸が切れたように崩れ落ちた。
地面には、焦げ跡が真っすぐ一本。
それだけで決着がついていた。
派手さはないのに、逆にそれが異常だった。
無駄も隙もなく、“必要な一撃だけ”を完璧に通す。
これが、桁違いの戦い方なんだと誰でも理解できる。
如月は振り返り、少しだけ肩をすくめて言った。
「───これが魔法だよ」
その一言に、胸の奥がじわっと熱くなる。
初めて見た圧倒的な力を前に僕は尊敬したのだろう。
「……今の、何したんですか……?」
やっと声が出た俺に、如月はいつもの気の抜けた声で答えた。
「ん? ちょっと電気通しただけ」
サラッと言うな。
どう見ても“ちょっと”で済む話じゃない。
電磁パルスみたいな音してたし、既に死体が全て吹き飛んでるもん。
俺は呆然と立ち尽くしながら、如月の背中を見た。
それでも───
(……これが、如月の世界なんだ)
怖いとかじゃない。
悔しさとかじゃない。
ただ、英雄を見た一般市民の気分だったのだ。
「さて、次は宮田の番だな」
「へっ?」
如月が顎をしゃくって指した先。
そこには、ぷるぷると震えるスライム一匹。
「お、おいこれ! さすがに格落ちすぎでは!?」
「復習だよ。今のうちにイメージを戦いに取り入れろ」
如月はそう言って、木にもたれかかった。
完全に“観察モード”に入っている。
……やるしかない。
俺はナイフを構えた。
目の前のスライムがぷるぷる震えている。
うん、たぶんこいつは無害だ。でも俺のプライドが無害じゃないと言っている。
「くそっ、さっきのを見たら燃えちまうじゃねえか……!」
気合を入れて、跳び込む。
「はあっ! くそっ、遠いぞ!!」
「うわ、ぬるっ! 斬れないな!!」
見た目以上に地獄だった。
スライムの粘液がナイフに絡み、刃が当たんない。
それでも、俺は必死で振り回した。
「うぉぉぉおおおっ!!」
「グチュッ……」
──なんとか、倒した。
「……やった……ぞ……」
俺はぐったりと地面に倒れ込んだ。
如月が遠巻きに見て、呟いた。
「……あいつ、バカだな」
方法がスライムにあってなさすぎる。
普通に短剣で斬れば一発なんだがな......
それに斬れないわけがない。
馬鹿にもほどがある。
でも、その声はどこか楽しげだった。
「うっ、魔力が.......」
急いでポーションを開ける如月。
(ちょっと本気出しすぎたかな......?)
如月もまた、ホーンウルフに合わぬ第五階梯魔法を使ったのだ。
ちっぽけな見栄を張った代償だ。
◆◆◆◆◆
数十分後、受付。
俺は誇らしげに魔石を手に受付に差し出した。
「ホーンウルフの魔石、1つですね。換金価格は───500円になります」
えっ、五百円……?
肝臓の痛みを代価に得たこの魔石が……?
俺は震える手で現金を受け取った。
こんなにズタボロになって得たものが500円だと……?大損にも程がある。
(こりゃ、ダンジョンなんか二度と行くか……!)
俺はそのとき、心の中で固く、固く誓った。
◆◆◆◆◆
───翌日。
「今日の昼食は、っと......」
.......金がない。
しまった!今月の仕送りを道場の月謝に使い切ったんだった......
仕方ない。ダンジョンに行くか。
え、昨日の誓いはどこいったって?俺がサインをしてないから無効だ。
そう思いながら壁にかかっている短剣をとって玄関に立つ。
「ダンジョン行ってくるねー」
───冒険者・宮田誠は今日もダンジョンに行く。
如何だったでしょうか?
ダークサンタになってなければ幸いです。
感想、ブックマーク、質問などあったらどうかお願いします!!!!
大歓迎です!!!!




