05話 気づいたら初ダンジョン
初めての作品です
5話まで一気に投稿します
改善点があったら全部気兼ねなく教えてください
それを踏まえて6話以降をより良くして出します
よろしくお願いします
追記:皆さんのおかげで日間ローファン86位に入りました!!!!!
八王子ダンジョン。
西東京最大のダンジョンにして、週末ともなれば観光地さながらに人でごった返す狩場だ。周囲には装備店や回復アイテムのショップ、冒険者カフェなんかも立ち並び、もはや“戦場の商店街”と化している。
そんな場所に、なぜか俺は立っていた。
──師匠に連行されて。
「なぜ、そんな場所に俺はいるかというと───」
「立ち止まってないで歩け。邪魔だ」
俺のナレーションごっこは、いつも通り師匠によって強制終了。……ナレーションぐらい自由にやらせてくれ。
冒険者ギルドの建物は、思ったよりも明るくて騒がしかった。
正直、酒樽を抱えた荒くれ者たちが殴り合ってるイメージだったのに、実際は全然違う。受付で地図を広げる新米らしき二人組、子連れで買い物をする夫婦、奥では雑談をしている社会人冒険者たち。……なんだこれ、ほとんど日常じゃん。
「次の方、ギルドカードをお出しください」
受付のお姉さんがにこやかに告げると、師匠が一歩前へ。
「彼は初めての登録でね。カードはまだ持っていない」
「では、身分証明書をお願いします」
──そう。ついに冒険者としての第一歩。受付に立つだけなのに、心臓がバクバクしてきた。
「……ろ?」
「え?」
「早く出せって言ってんの。何度も言われてるだろ」
やば、また自分の世界に入り込んでた。慌てて学生証を差し出す。受付嬢にクスッと笑われた。……地味に刺さる。
そして数分後。木目調のカードが手渡される。これが俺の──ギルドカード。
「じゃ、こっちだ」
師匠に促され階段を降りると、そこには異様な光景が広がっていた。
四角い金属枠のゲート。その中は水面みたいに揺れていて、向こう側は見えない。人が通るたびに、煙も音もなくフッと姿が消えていく。
「行くぞ。あれに鼻ぶつけて折ったやつはいるが、普通に通れば大丈夫だ」
「それ聞いたら逆に怖いんですけど」
俺は覚悟を決め、ゲートをくぐった。
──次の瞬間、景色が一変する。
広がる青空、丘に根を張る大木、透明度の高い湖。どう考えても東京には存在しない光景。しかも周囲には親子連れや社会人冒険者たちの姿。……あ、あそこにいるのは、先輩たち?
「今日は微妙だったな」
「だよな、あの一年じゃ無理だ。四人で行くか」
「仕方ないね」
──え、俺、完全に切り捨てられてる!?
ショックで固まっていると、師匠が肩を叩いてくる。
「な?言ったろ。数うちゃ当たる勧誘は失敗する。特にパーティはな」
「……なんでソロでやらないんですか?」
「人数が中途半端なんだよ。3人なら解散してソロでいけるが、4人はギリ成立してる。解散するほどでもないし、新一年で適任もいない」
「なるほど……ランクも絡む?」
「鋭いな。彼らは多分Dランク。卒業条件ギリギリの、まあ“下位安定層”ってやつだ」
頭で反芻していたら、師匠が唐突に言った。
「よし、誠。座れ。あぐらでいい」
「は?」
「第二階梯・ウォータースプラッシュ」
ドバシャアッ!!
顔面に冷水直撃。何が起きたかわからず固まる俺。
「なにすんだ!!」
「魔法だ。何か感じなかったか? 身体の内側がビリっとする感覚」
「……そう言われれば……?」
「次、いくぞ」
「いや待って、まだ──」
「第二階梯・ライトニング」
ビリビリビリビリ!!
「ぎゃああああああ!!!」
「第二階梯・エアーブレッド」
「ごほっ……っ胃液でるぅぅ!」
「第二階梯・ロックニードル」
「ぎゃああああああ!!!」
──10分後。俺は地面に転がり、白目を剥いていた。
「……よし、そろそろやめるか。で、何か感じたか?」
「……膜……?薄いヴェールみたいな」
「それが魔力感知だ。魔法の基礎にして最初の壁。それを掴んだら──本番だ」
師匠の気配が一気に真剣味を帯びる。
「今度は“共鳴”だ。お前の魔力を俺の魔法に合わせて引き出す」
「失敗したら?」
「……人にやるのは初めてだからわからん。覚悟しろ」
(おいぃぃぃ!)
俺は必死に魔力を意識する。わずかな芯が熱を帯び、手の方へ集まっていく。師匠の魔力が体中を震わせ──
「第二階梯・ウォータースプラッシュ!」
ズンッ──
俺の中の何かが、外へと強制的に引き剥がされる。
バシャァァァッ!!
水が炸裂。目の前に水たまりができた。
「……出たな」
疲労と吐き気と、ほんの少しの達成感。
「よし、今日は終わりだ……って、20時!?」
「え、マジで!?」
空が変わらないせいで時間感覚が狂っていた。さらにスマホを確認すると──
「え、電源が……つかない?」
「……あ、雷か。ついでに水も浴びたし」
「財布も焦げてるんですけど!?」
「悪かった。弁償する。あと焼肉行くか」
「っしゃあああああ!!!」
──魔法の代償、案外悪くない。
最後まで読んでくれてありがとね!
ギャグ多めで楽しく書きたいと思います。
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