第1章 孤独な二人の出会い part.3
真奈の口の動きを見て、翔太はにっこりと微笑んだ。「どういたしまして。」
その後、真奈と翔太はそれぞれに思いを巡らせながら、屋上を後にした。真奈の心には、今まで感じたことのない温かさが残り、翔太もまた、彼女に対する何か特別な感情が芽生え始めていた。
屋上から教室へ戻る途中、真奈はふと立ち止まった。翔太の言葉が、心の中で静かに響いていた。彼の優しさに触れた瞬間、忘れていた何かが少しずつ蘇ってくるような気がした。真奈はその感覚を大切に抱えながら、教室の扉を開けた。
翔太もまた、真奈との短い時間が頭から離れなかった。彼女の静けさの中に潜む深い悲しみを感じ取り、何か力になりたいと強く思うようになっていた。それは、ただの同情ではなく、もっと個人的な感情の芽生えだった。
その日、翔太はいつもより少し早く家路に着いた。彼は真奈のことを考えながら、無意識のうちに歩みを早めていた。そして、自宅に帰るとすぐに、彼女のことを考え続けた。彼女の心に寄り添いたい、その思いが日に日に強くなっていった。
一方、真奈は自室に戻り、窓の外を見つめていた。夕暮れの景色が、静かに彼女の心に染み渡っていく。翔太との会話が、彼女の胸の中で温かい光となり、暗闇を照らしているように感じた。
これが二人の新しい一歩となる、静かな始まりだった。
第1章完結です!
次回から第2章に入りますっ.ˬ.)".ˬ.)"
引き続きお願いします.ˬ.)"