059〜騎士団×クロム謹製装備
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ただ大きいだけの奴等なら俺達騎士でどうにかなる。
「クロム装備隊は巨人兵へ向かえ!」
クロムの作った装備を使いこなせた者達を巨人兵に充てる。
あいつの作った装備で、一騎当千とも言われる位の戦闘力を誇る部隊となった。
部隊の中では『クロム装備』だったり『賢者装備』と言われている。
超高火力、超低燃費の魔法剣だったり、鎧なのに衣服のように軽く、市販品の剣を折るほどの防御力。
顔を覆い尽くすのに、目で見るよりもはっきりと周囲を感知出来る兜や、走り出したら一気に加速することが出来る脚絆とブーツ。
「あいつらも装備に慣れるまでが大変だったな。」
俺は実力があり、柔軟な思考を持つ者達に装備を渡していた。
「お前ら、奴等の度肝を抜いてやるぞ!!」
「「了解!!」」
クロム装備隊は号令と叫び声を上げて防御陣地を飛び出していった。
ドン!という地面を揺らすような踏み込み音が鳴って、十数人の騎士達が目の前で消えた。
しばらくすると、遠くに見えていた巨人兵の集団の一部が慌て始める。
直ぐに何人かの首が飛んだ。
「神の力で強化されているとは言ってもその力を扱う者が凡人なら問題無い。こちらは優秀な者を強化させてもらったさ。」
まだ俺達には手札がある。
これもクロムのおかげだな。
だが……他はどうだ?
「各防御陣地の情報は来ていないか!?」
俺は伝令部隊に確認を取る。
俺達南部が良くても他が悪くては話にならない。
「報告します!西部、東部劣勢!!北部と傭兵団、ギルド隊は持ちこたえています!!北部と東部からは援軍要請が来ています!」
公爵達か……デカい口を叩いていたくせにこのザマか。
情報収集が足りず、相手を舐めていたな。
王からも人ならざる者の力が動いていると言われていただろうが!!
「ダグラス・ファル!!」
「はっ!ここに!!」
ラインバード応援任務についていた隊長を呼ぶと、直ぐに現れた。
「クロム特殊装備の使用を許可する。数人を連れて東部と北部の応援へ向かえ。……ついでに味方のケツも叩いてこい。」
「ハハッ!!了解しました!!」
ダグラスはすぐさま飛び出していった。
本当は温存したかったが仕方がない。
他の場所が破られても後が面倒になる。
クロムが作っていった特殊装備の一つ。
人一人が乗れる、三輪の魔力で動く馬だ。
だが、あれを馬と呼んでいいのかは分からん。
とんでもない速度で走る代物で、なおかつ走る際に、地面を整地しながら進むので悪路も問題なく走れる。
障壁が張られていて外部からの攻撃は弾く。本来、速い速度で走ると身体に風圧等が掛かるがそれすらも無効化している代物。
障壁も頑丈で、魔力を含んだ硬い壁などもぶち壊して進める。
「要するに敵の真っ只中に突っ込んで、人をハネ跳ばしてこいということだ」
「本当にとんでもないですね……」
近くにいる騎士も呆れている。
あの特殊装備隊はその速度に慣れた上で、胆力のあるものを選んでいる。
特攻隊のようなものだからな。
さて、次に相手はどう出るかな?
何だかんだ不安ながらも楽しんでいる俺は良くないのだろうな。
特殊装備隊が、爆走していくのを見てそう思った。
騎士団無双が始まりました!!
もう少しで戦況動きます。
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