051〜喜怒哀楽
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感情の力とは一体……。
その力の一端のお話です。
オレが部屋に入ると、ディオスはデスクに座り何やら書類を処理していた。
魔王がデスクワークするのか。
「クロムウェア・ウォーロード……正気になったか。」
「迷惑をかけた。スマナイ。」
オレは謝罪をしてあの部屋で起きたことをディオスに話した。
「闇の中で自分と同じ姿の者と融合した。あの部屋はそういった部屋ではないのだが……貴様の心の中には何かが棲み着いているのかもしれんな。」
ディオスの話によれば、あの部屋は心の中に隠された恐怖や、トラウマ、そういったものを強く思い出させるような場所らしい。
それを乗り越えることで感情の力をより強くすることが出来る。
だが、オレは違った。
闇の中で憎悪を増大させて、強い魔力と共にあの部屋を出た。
部屋を出ること、それがすなわち心の内にある強さを引き出せたということらしい。
「オレの感情の力は本当に“怒”なのか………?」
「まぁ、憎むという感情も怒りの一部かもしれんが、あの時の貴様は違ったと思うがな。どちらかといえば我に近い様子だった。強い魔力を扱うことを楽しんでいたな。」
それは喜・怒・哀・楽という四つの感情の力を重複して使えることが出来るということか?
楽の力が消滅を司る、哀の力が癒しを司る、喜の力はまだ分からないな。
では怒の力は……何だ?
特性が不明だ。
強いて言うならば魔力。
魔力を司る力か?
「感情の力は分からないことが多い。我ですら楽の力の本質は分からんのだ。とりあえずの所は消滅としている。哀も同じくだ。邪神様は多くを語ってはくれぬ。我らも力を託されただけだ。今があるのも試行錯誤の末の結果よ」
そうか。
まだまだ分からないことだらけということか。
そしてレナ様が説明しないのはオレだけではないということ。
あの闇の中で会ったオレは、オレを騙していたのは分かった。
ふつふつと怒りが湧いてくる。
怒りとともに魔力も増大していく。
「感情が表に出すぎているな。貴様は他の感情の力を持つ者達にコントロールする術を学んでこい。アルティアとエリックだ。」
正面から言われ、意識すれば怒りも落ち着いていく。
アルティアが哀の感情であれば残るはエリックが喜びということか?
まだ一度会っただけだが、無表情で寡黙そうなエリックが喜びの感情というのが結びつかないのだが。
「我は忙しいのだ。早く行ってこい。」
オレはそう言ってディオスに部屋を追い出された。
その後、アルティアの所へ行きディオスからの話をすると、
「……ハァ………分かりました。ただ手が空いた時だけに限ります。今は無理です。シェリアさんのこともあるので、そこは譲ってください。」
おい、いきなりタメ息つかなかったか!?
そして早口で言葉を告げられ、アルティアは去っていった。
………アルティアは面倒見が良いほうではなさそうだ。
次にエリックを探すが、出かけているようでその日は捕まらなかった。
次の日。
アルティアには断られた。
エリックを見かけたので、話かけようと近づくと消えるようにいなくなってしまった。
結局その日は見つけられなかった。
その次の日。
アルティアには断られた。
教える気が無さそうだった。
エリックを見つけるも、またしても消えるように逃げられた。
オレは、何故か避けられているような気がする。
だがエリックが消えた瞬間に目を閉じ、以前よりも鋭くなった魔力探知を使い場所を探る。
すると、その場からスタスタと逃げようとするエリックの姿が見えるようになった。
逃がさん!!
近づいてその肩を掴む。
「何故逃げる!?」
「何だと!?……何故俺が見える?」
驚愕の顔をするエリック。
疑問を疑問で返すんじゃないと言いたいところだが、仕方ない。
「魔力探知だ」
「馬鹿な……俺の隠遁の術は神の技。魔力を使わず、俺自身の魔力も気配も消しているのだぞ?」
それが喜の力か。
気配も魔力も隠す力なのか?
「やはりお前はどこかおかしい。会ったときから感じていたが、何かズレている。」
「ふむ……ディオスからエリックとアルティアから感情の力をコントロールする術を学べと言われたんだ。丁度いい、今の件も含めて色々と教えては貰えないか?」
暫らく無言の時間が続き、
「…………条件がある。」
エリックは絞り出すように声に出した。
ディオスは真面目。
アルティアは面倒くさがりや。
エリックは………?
ちなみにニールは感情の力を使えません。
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