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万能賢者は邪神の力で復讐したい〜女神と勇者だけは許さねぇ〜  作者: CronoA
第二章 第一部 〜神へと至る道〜
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050〜二度目の目覚め

閲覧ありがとうございます。


最強主人公設定何処行った?

と書いてて思ってます。


ディオス戦、後のお話です。

流れ、揺蕩う闇の中………



一人の男がいた。



『まだオレの力を使うには早かったみてぇだな………気長に待つとするぜ、クロムウェア。』



その言葉は本人の耳には届かず消えていった。





目覚めた時、オレは寝かされていた。

デジャブのようだ。

魂を呼ばれ意識を取り戻した、その時と同じ場所だな。


そして思い出す。


圧倒的な敗北だ。

女神との戦いに次ぐ敗北。


女神の時も戦いと言っていいのか分からんが……


コテンパンにされたからなのか、あの部屋での出来事以降にオレの中にあった渦巻くような黒い感情は消えている。


あの時オレを突き動かした怒りとは違った感情………あれは憎悪だった。


全てを終わらせ無ければならないと強く思っていた。

女神、勇者、ディオス……レナ様ですら憎んでいた。


あれが何だったのか、オレにはまだ分からない。

あの感情がいつ噴き上がるかも分からない。

警戒はしておいたほうがいいのだろうな。


無意識に拳を握りしめていた。

そういえば身体に何の問題も無い様子から見て、オレは誰かに治されたのだと思う。

あれだけ骨が折れたというのに、何ともない。



オレは……無力だ。

感情に流されたとはいえあれだけ粋がって、強くなったと思い込み、ディオスに挑んだ結果がこれだ。


ボロボロに負けても治されて生かされている。


だが、生かされているのは感謝しなければいけないな。

シェリアの為に、オレは死ねない。


そして、神の力の領域は人の次元では到達し得ないと再度認識させられた。


だが、あの部屋で得たあの力は何だ?

神の力とは違う“何か”なのだろうか。



「目覚めましたね、クロムさん。身体の調子はどうですか?確実に治したとは思うのですが。」



部屋にアルティアが入ってきた。


アルティアがオレを治したということか。

これも神の力か?


「スマナイ……オレは調子に乗りすぎていた。身体は今の所問題ない。ありがとう。相当ボロボロだったと思うが、アルティアの神の力なのか?」


「まぁ、ディオス様もやりすぎたと言っていましたが、あなたにはいい薬になったでしょう?。そして思う通り、私は“あい”の感情の力。悲しみが力の原点であり、癒しの力。」


癒しの力か……。

アルティアならばシェリアを助けることも出来るのではないだろうか。



今のオレには………何も出来ない。



「ディオス様が目覚めたら連れてこいと言っていたので。もう動けますか?」


「あぁ、動ける……」


ディオスにもかなり迷惑をかけたからな。

謝罪をしっかりとしなければならない。


その前に………


オレは収納ボックスから最愛の人を取り出す。


「ちなみにアルティア……頼みたいことがある。このシェリアを蘇らせることは出来ないか?」


アルティアはシェリアをじっと見つめる。


「………身体は何処かの神の力によって変質してますね。しばらくお預かりしても?確実とは言えませんが調べてみたいと思います。」


見ただけでその状態が分かるのか。

やはり神の力は次元が違う。


「頼む……オレの生きがいだ。奴らに復讐する以外の、オレが生きる理由だ。」


「分かりました。出来ることはやってみましょう。ではディオス様の所へ行きましょう。」


アルティアに連れられ、ディオスの所へ移動するために部屋を出る。


部屋を出て直ぐに気がついたことがある。

………感覚が鋭敏になっているのか、どの方向にディオスがいるのか何となく分かる。


「……ディオス様の位置が分かるのですか?」


気配の方向に視線向けたからか、アルティアに聞かれた。


「ここからどの方向にいるかだけなら分かる。前はそんなこと無かったが……」


そう言うと、アルティアは顎に指をおいて考えるような表情を浮かべる。

だが、直ぐに顔を上げた。



「………ま、いいか。」


「!?」


行きましょうといってアルティアは先に歩き始めた。


小さい声だったがオレには聞こえてしまい、シェリアのことが大丈夫か、少し心配になった。

少しアルティアの素がでました。


魔族は皆、素は出していません。

次回、クロムをボッコしたディオス再登場です。


「面白い!」「楽しい!」「続き気になる!」とか感想あれば応援も兼ねてぜひよろしく!



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