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万能賢者は邪神の力で復讐したい〜女神と勇者だけは許さねぇ〜  作者: CronoA
第二章 第一部 〜神へと至る道〜
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048〜覚醒

閲覧ありがとうございます。


暴走中のクロムとディオスの戦いです。

実に心地が良い。

身体の奥底から湧き上がってくる闇の力が、気分を高揚させる。


「クロムウェア・ウォーロードよ。感情に支配されるな。感情を制御し支配するのだ。」


何を言っているんだ?

オレの力の源は怒りだ。


「支配なんてされちゃいねぇよ。怒りの感情なんて少しも湧いてこないからな」


怒りの感情なんて何処にも感じられない。

どちらかといえぱこの力を振るう楽しさが大きく前に出ている。


「………ここでは建物を無駄に破壊してしまう。場所を移そうではないか。」


「あぁ、いいぜ。オレはどこでもな。」



ディオスの転移ワープで開けた荒野に移動する。


「ここなら邪魔も入らん。」


「じゃあ行くぜ?」


オレは一瞬で魔法を構築する。

今まで使ったこともない魔法が、頭の中に次々と浮かんでくる。


まずは、螺旋回転しながら周囲を溶かしながら燃やし貫く魔法。


獄炎螺旋槍メギドランス!!」


「ぬぅ!これほどの魔法を一瞬で作り出すか!」


ディオスは魔力の盾で飛んでくる獄炎の槍を空へ弾き飛ばす。

周りへの被害を考えた上だろう。


だが、まだまだ行くぜ。


闇、炎、水、雷、地の五属性で龍を形作る。

それぞれを操りディオスへと放つ。


五源龍砲ドラゴニックバースト


魔導師が何人も揃って行うような、緻密な魔力制御が苦もなく行える。

使っても使い切れない膨大な魔力が溢れ出す。

様々な魔法の知識が湯水の如く、脳内に浮かび上がる。



「何なのだ!?その力は!!感情を制御したとて、そのレベルに到達するには長い時間と鍛錬が必要だ!!」


五つの龍を捌きながらディオスは叫ぶ。


「知らねえよ。あの部屋で自分の闇を取り込んだらこうなったんだ。」


「闇を取り込む………?ちっ!!この龍は厄介だ。我も少し楽しむとするぞ。スクエア・バニッシュメント!!」


ディオスの周囲に魔力の四角い壁が出来る。

その数は五つ。


壁のそれぞれにオレの魔法が当たり、消滅した。

壁は未だに健在だ。


「相殺したのではなく消滅させたのか。」


あの魔法を相殺するには回数制限か、消費魔力の制限があるはずだ。


まずは数で攻める。


ウル流星群メテオガトリング!!」


ディオスに向けて、炎を纏った隕石を大量に落とす。



「数で攻めようがこの魔法は破れぬよ」


頭上に魔法壁を展開したままディオスが向かってくる。

接近戦をお望みのようだ。


接近戦でも数で攻めるぜ。


幻想騎士団プリズマナイツ!」


クリスタルのような水晶で出来た騎士たちが数十体程、整列して出現する。

ある程度の自律思考魔法を付与しているから、勝手に連携してディオスに迫る。


ディオスの上と周囲を数で埋めた。


「ウル・バニッシュクロウ!!」


巨大な手が出現し、横薙ぎに払われると騎士達は消滅する。


ディオスの魔法は消滅に特化しているのか。


当たったモノを問答無用で消滅させる魔法なんて規格外だな。


「だが、解析したぞ。その魔法の力。」


ずっと見ていれば魔力の動きが分かる。

あの消滅の魔法は、一度魔法を吸収し分解しているようだ。

その工程が早いから消滅したように見えるのだ。


「バニッシュメントアロー!!」


消滅魔法同士をぶつけたらどうなる?

ディオスの魔法名を借りるとしよう。


「何だと!?貴様も消滅魔法を使えるのか!?」


流石のディオスも驚いている。


まだ残っている騎士の間を縫うように放たれた消滅の矢は、ディオスの出した巨大な手に当たり双方が消滅した。


ふむ、同時に分解されるから両方消えたか。


魔法の手が消え、そこに騎士が攻め込んでいく。


「さぁ、どうする?ディオス?」


一つ一つディオスの策を潰していく。


消滅魔法が相殺されることが分かってから、ディオスに焦りが生まれた。



「貴様……本気で我を殺そうとしているな?」


「何故殺されないと思っているのか分からねぇよ。」


勝てないと感じていたディオスを、これだけ圧倒出来るとは思っても見なかった。


だが……


「このままでは殺されてしまう故、我も魔法の枷を外さねばなるまいな」


オレの感動はディオスの言葉によって塗りつぶされた。


魔法の枷だと?

制限付きでオレと戦っていたというのか。


「久方ぶりに神の力を解放する。手加減が出来ぬかもしれん。」


神の力………


魔法とは異なる力で、オレが求めている力だ。


やはり模倣出来る程度の魔法は神の力ではない。

そして、オレの振るっていた魔法も同じくということだ。


人の扱う魔法の理を超えていない。



「刮目せよ」



ディオスの一言で、周囲の音が消えた。

ディオスの本領発揮です。

対するクロムは………


「面白い!」「楽しい!」「続き気になる!」とか感想あれば応援も兼ねてぜひよろしく!



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