036〜影の蔓延る街
閲覧ありがとうございます。
3日ほど休んでおりました。
今日からまた掲載開始します。
多くの人で溢れていたこの街も、今は誰もいない。
その代わりに影の魔物が街中に跋扈している。
「おらぁっ!!」
俺達は、次々と襲いかかってくる影の魔物達を倒しながら先へと進んでいく。
「あ、また倒したやつ消えたー」
どうやら普通の魔物とは違うらしく、倒してもその場に死骸は残らず、影に溶けるように消えていく。
「これは倒されても何度も復活しているように見えるな。」
「大本をやらねぇとダメってことだな」
影の支配者にココまでの力は無かったと思うが……。
魔王軍の中でも都市一つをまるごと掌握するようなヤツはいなかった。
これも神の力なのか?
「あぁ!ウザってえ!」
ナミトが影を切り捨てていくがキリがない。
ふむ、倒さなければ復活しないのだろうか。
試してみようか。
「光鎖呪縛!」
あまり得意ではないが、光属性の魔法だ。
これは光の鎖で相手を縛り、動きを止める魔法。
闇属性の魔物だと、これ自体が攻撃にもなったりするが影にはどうだろうか。
狼っぽい影を五体程まとめてみた。
ジタバタして必死に脱出しようともがいているが、ダメージがあるようではない。
だが、倒していないことで再復活はしないようだ。
「このまま放置するのが良さそうだな。早く学園へ向かおう。」
「了解!!」
「はいはーい!」
俺達は更に加速して学園へと駆けていく。
移動しながら、幾度となく魔法で影を縛る。
光鎖呪縛は効果的で、明らかに出現する影の数が減っている。
やはり倒されたら再出現するというのが考えとしては良さそうだ。
「学園が見えてきた……ぜ……って………何だよありゃあ!?」
「大きいねー」
学園の入り口である正門には、今まで倒してきた影とは形もサイズも違う、人型の影が立っている。
それは突然グルリと俺達へ顔を向けると……
何故か正門を開けて、地面に溶けるように消えていった。
「どういうことだよ……?」
「いや分からんが罠……だろうな」
罠と分かっていても行くしかないのだ。
だが、正門の先には更に驚愕の光景があった。
「これは……影の壁か。」
正門から歩道のみが見えるように、壁が作られている。
必然的にそこを進まざるを得ないように。
「おりゃあ!!」
ナミトが剣で斬りつけるも、傷一つ付かない。
正確には攻撃のみがすり抜ける。
試しに抜けられるのかどうか、手を伸ばしてみたが壁に阻まれた。
「この道の方向は学舎ではなく、教会か」
学園内に建てられている教会は一般向けにも開放されている場所。
教会か。
神が関わるには最適の場所だな。
「光芒封絶!光属性の魔法の鎧だ。念の為にな」
この先に何が待っているか分からないからな。
教会までの道のりで、魔物は一切出てこなかった。
辿り着いた神聖な教会も、影の壁に囲まれており今では不気味な気配しか感じない。
そして、周りに魔物はいない。
「………入るぞ」
最大限の警戒を持って、俺は扉を開いた。
教会には何が待ち受けているのか……。
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