031〜家へ
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ナミト家に帰る。の巻です。
レメア王国南部、フルール地方統括をしているリィエン公爵家。
俺はそこのお抱え魔導師で、ナミトは公爵家直属の騎士団長の息子。
リィエン公爵家は南部一の大都市である、ラインバードから少し離れた所に小さな街を構えて住んでいる。
その街に俺の家もあるが、今回は家に戻るつもりは無い。
「ナミトは仮面を外してもいいだろう。俺はこの街でもシルバとして動くつもりだ。流石に公爵様とナギには正体は明かすつもりだが、自分の屋敷の使用人達にも隠すつもりでいる。」
公爵家の街近くまで転移してきた俺はナミトにそう伝えた。
「じゃあ俺が親父にシルバさんを紹介すればいいんだよな?」
「その通りだ。頼むぞナミト。」
素性のしれない仮面の男など、ナギや公爵様には面通しされないだろうからな。
「街の宿屋に俺は泊まっているから、ナミトは一度家に戻ればいい」
「分かったぜ!アミナは、紹介出来るだろうからそのまま付いてこいよ」
「いぇーい!!」
ナギのやつ、ナミトが子どもを連れてきた事で逆にビックリしそうだな。
街の入口まで来たところで、いつものご挨拶だ。
「止まれ!何者だ!!」
ナミトはまだ仮面を付けたままだった。
「俺だよ俺!」
仮面を外しながらナミトは街の衛兵に声をかける。
「あぁ!?ナミト!お前何やってんだ!?ナギ様がずっと行方を探してるぞ!!」
「あぁ?書き置きしてったぞ?」
「それでもいきなりいなくなるやつがあるか!!」
ナギではなく衛兵に怒られているナミト。
書き置きだけで出てきたのか。
「まぁ帰って説明するさ。後、この人はシルバさんな。俺の魔法の師匠で、ちなみにクロムウェア様並の強さだから」
「おまっ……師匠!?クロムウェア様並!?ってヤバすぎるだろ!?あの人単体でナギ様とやり会えるんだぞ!?いやいやいや、そんなことはいいんだ。こっちでウェイド家には連絡するからとりあえずそのまま家に帰れ!!あんたもそのまま付いていって構わない……」
混乱はしているようだが話の分かるやつだ。
俺もこの街に住んでいた以上、この衛兵に会ったことはあるかもしれないが覚えていない。
いつも家に直接転移していたからな。
まぁひとまず、宿を取る必要が無さそうだな。
「………いや、情報ありすぎてツッコめなかったんだけど、ナミトの肩の上にいる子ども誰だよ?」
先へ進む俺の耳にはそんな衛兵の呟きが聞こえた。
街の様子を見ても、代わりは無いようだ。
東部のように少しピリついたような気配も無い。
ただ、ナギがナミトを必死に探していたのは少し気にかかる。
あいつの性格なら、息子に修行の旅くらい行かせると思っていたんだが。
「あ、ナミトが帰ってきてる!」
「ナミト!お前どこ行ってたんだよー!」
先を歩くナミトは街の人達に次々と声をかけられている。
「ちょっと修行してきたんだよ」
「ナミトは人気者だなー」
「その子誰だよ!?」
「教えねーよ」
まぁ、ナギに直接聞けばいいか。
その前にナミトは怒られるだろうがな。
そうこうしている内に、ウェイド家の前まで来た。
その門の前には既に人が立っている。
変わらないようだな。
次回名前だけだった男が出てきます。




