030〜勇者の帰路その②
閲覧ありがとうございます!
今回は勇者のターン!
胸くそ悪い気分にはなるかも。
読むときは注意してください。
龍共を駆逐した後、俺達は東側の交易都市アルハバードへ戻ってきた。
まぁまぁの道のりだったが、全力を出して移動すればどうってこともねぇ。
「ここの市長には借りを返さねぇとな!!」
俺が味わった屈辱は返すぜ。
まずはあの市長自身に鉄槌を下してその後、更に絶望を与えてやるぜ。
俺達は役所へ入ると、その辺の職員を捕まえた。
「おいアンタ、市長は何処にいる?」
「どちら様ですか?アポは取っていますか?」
「あぁ!?魔王倒してきた勇者がわざわざ来てやったんだぜ?アポ何か必要無ぇだろうが、分かれよ。」
「勇者………様ですか?」
「んだよ、俺の顔も知らねぇのか?勇者であるこの俺、カイト・シラサギの顔は覚えておけよ。つーか、早く市長の所へ案内しろや」
「……わかりました」
目の前の職員は渋々といった表情で、俺達を市長の執務室へと案内した。
こいつも後で酷い目に合わせてやろうか……。
「市長、失礼致します。勇者を名乗るものが面会を求めています。」
あぁ、そういうお伺いみたいなのはまだるっこしいから要らねぇんだよ!
「お前どけ!もういいから戻れや!」
俺は、職員の襟を掴んで後ろに放り投げる。
「失礼するぜぇ」
俺は市長のいる部屋にそのまま入る。
おぉ、ちゃんといるじゃねぇか。
スゲェビックリした顔してるのがウケるな。
「勇者殿、魔王討伐お疲れ様でした。今日は、何用で?おや、賢者様の姿が見えないようですが……他の皆様も何やら様子が違いますな。」
やっぱウゼェなコイツ。
「賢者のヤツは魔王と戦って死んだんだよ。他の奴らはショックから立ち直れてねぇんじゃねぇの?」
もう面倒だからやっちまうかぁ。
「市長さんよ、これはこの前のお礼だ。ありがたく受け取んな!」
俺は、光の魔法で“視暗”を発動し永続化で目を潰した。
それと同時に眠らせる。
近くに、ガタイのいいヤツもいたけどついでに眠らせておいた。
「さぁて後はコイツの両足を少しずつ弱体化させてみるかぁ。」
あ、右脚は折っておくか。
これでコイツは目が覚めたら足が動かず目も見えない。
「ハハハハハッ!!」
愉快だなぁ!!
俺をあざ笑った罪は重いぜ!
さて、あとは目が覚めたコイツを絶望に落とす準備だ。
「お前ら、しっかりヤれよ?証拠なんて残したら承知しねぇからな」
「「はい………」」
俺の下僕達に、市長の家を襲うように命令した。
金品を奪って、家族を攫って火を付けてこいってな。
まぁ、攫った奴らは途中で捨ててきゃいいだろ?
俺らの旅には邪魔だし、顔もバラしたくはねぇからな。
昼間の内に俺はあの街を出て、南へ向かっている。
夜になれば下僕達が市長の家を襲って、俺を追ってくる。
合流したらそこでアイツの家族は捨ててきゃいいな。
「どうせ捨てるなら帰れなさそうな山奥にするか。」
俺は夜までに良さげな山を見つけたからそこで待機する。
その夜。
「「戻りました」」
山中で下僕達が合流した。
その手にはアイツの家族が抱えられている。
「遅ぇな!で、コイツラは気絶してんのか?」
「はい……」
置いていくには丁度いいな。
ついでに記憶も封印して、色々とわからなくしてやろう。
ホントは記憶を消しちまいてぇんだが、俺には出来ねぇからな。
封印しておけば大丈夫だろ。
俺の封印を解けるのは賢者くらいだからな。
だが、その賢者ももういねぇ!!
「さて、次は南だな!!」
南は面倒な奴らが多いんだよなぁ……
公爵やら貴族やらの相手をするのがクソウゼェ。
学術だかに力入れてるせいで頭が硬いやつが多すぎるぜ。
『ーーーーーー。』
………あぁ、そこをどうにかすりゃあスッキリするのか?
頭に“浮かんだ言葉”でそうすればいいのかと思った。
あぁ、早く次の街に行かねぇとな!!
この頭に浮かぶ言葉をやらねぇと気がすまねぇ!!
勇者は自分の意志で動いているのでしょうかね。
次回は賢者のターン。




