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万能賢者は邪神の力で復讐したい〜女神と勇者だけは許さねぇ〜  作者: CronoA
第一章 第二部 〜東部動乱・帰還編〜
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029〜続く依頼と南部帰還

閲覧ありがとうございます。


市長への報告回です。

第二部もあと少しばかりお付き合いください。

障壁に叩きつけられていた攻撃が止む。


念の為に障壁はそのままにして様子を確認する。


「グ、ウァァァァ!!」


ミアが頭を抑えて苦しそうに叫んでいる。


「ァァァァ……マ……オウ……クロム………ウグッ!」


一瞬俺をパーティ時の愛称で呼んだか?


「『………コレは何をしたのかしら?これ以上はこの身体に負担がかかるわね。あの偽善者な邪神がこの魔王を生み出したのかしら?まぁ、イイわ。アノ子に言えば何とかするでしょう』」


ミアの口から放たれる言葉。

それは何やらダブって聞こえてくる。


言葉の内容からすると、


「コイツが女神か……」


「クッ……魔王、今日のところは私達が引いてやる。次は勇者と私達が滅ぼす。」



どうやらミアに戻ったようだ。

だが、洗脳状態というか乗り移っていた状態はまだ継続していそうだ。


ミアはそれだけ言うと撤退していく。

まぁ、戦争どころでは無くなっただろうから暫くは大丈夫か。


ミアのセリフも棒読みじゃ無くなっているから、少しは解消されたのだろうか。


撤退する前に解析アナライズを使って見たが、妨害は継続されており何も読み取れなかった。


「全力の解呪ディスペル解析アナライズも通用しないか……これは少しばかり皆を元に戻すのが苦労しそうだ。コレは魔法だけでは無い、神の力を調べる必要がありそうだ。」


「魔王様。ソロソロキツイぜ。」

「もう終わりか?」


そうだった。人目があるここで俺達の正体を明かす訳にはいかないな。


「一度拠点に戻り、元の装備に戻してから再度市長の元へ行くとしよう」


山中の拠点に転移ワープし、魔王装備を解除する。


「しんどっ!!ダルっ!!」

「ははは!ナミトはまだまだだなー!」


ナミトは拠点内で大の字に倒れている。

その額を軽くはたいているアミナ。

ナミトは魔力も大分減らしていたみたいだからしょうがないか。


アミナは鱗の色を変えていただけだからそこまでの負担は無かったはずだ。


「で、シルバさん。市長のとこ行ったその後はどうするよ?」


今回の件で俺の魔法が通用しないことが分かった。

神の力について色々と調べて見なければならない。


俺はレナ様から力を頂いている。

出来ることがあるはずだ。


「行くならば南だな。勇者の足跡を追うのもそうだが、市長の家族も探さないといけない。そして南側フルール地方には学術都市ラインバードがある。調べ物にはもってこいだ。」


「ラインバードかぁ……」


あぁ、南は公爵家が領地として治めていたな。


北は魔王領が近く、ギルドメインの独立した体制で、東側は商人が主に仕切っていた。


南は貴族が多く、公爵家が統括し、その下の貴族達が管理をする。

ラインバードもその内の一つだな。


「ナミト。ついでだ、一度公爵家に戻って挨拶でもするとしよう」


「ウゲゲッ!マジかよ!」

「ナミト帰らないの?」


「今のお前の力がナギにどれだけ通用するか知りたくないか?」


まぁ、アイツには勝てないまでもいい勝負は出来るんじゃないか?


「仕方ない、帰るぜ。アミナのこともあるしな」

「ナミトの家族に会えるよー!」


では次の行き先は決まった。

王国の南側、公爵家だな。


市長の所へ行き、今後の説明もしなくてはならないな。


いくつか有用なアイテムも渡しておくとしよう。



今回はアルハバードの近くまで転移ワープを使った。


流石にギルドにはもういないはずなので、役所の方へ顔を出す。


「おい、仮面が来たぞ。急いで市長を呼べ。」


役所に入るなり、職員が慌ただしく動き出した。



どうやら市長が言っておいたらしい。

俺達はそのまま応接室に、通された。


そして直ぐに市長がやってくる。

病み上がりだから無理はしないといいのだが。


「シルバさん大丈夫でしたか?あの拳聖……いや、魔王が出たと聞きましたが?」


市長と秘書だけは俺の作戦を知っている。


王国軍を追い払う為だからな。


「あぁ問題ない。遠目だったが、前魔王よりも遥かにヤバそうなヤツだったな。目的は不明だが、王国軍だけを相手にしてくれて助かったな。」


「………俺は何も言わない」


当人達からすれば白々しい会話なのだが、どこで誰が聞いているか分からないからな。


打ち合わせも無しでここまで話を合わせられる市長は相当なものだ。


そのままナミトは黙ってていい。



「俺達はこれから市長の家族を探すべく南側へ行こうと思う。魔王という脅威が現れた今、王都から軍が動くとは思えないがいざという時の為に魔道具を置いていく。俺とだけ会話が出来る魔道具と、この都市全体を守る結界装置だ。使い方は説明の書類を一緒に置いていくから読んでおいてくれ。」


「何から何まですまないな……妻と娘を頼む……」


まぁ、あまり手助けが出来なかったからこれくらいのことはする。


村と違って、防衛策を考えて実行すると一ヶ月くらいはかかってしまうだろうからな。


女神の件で、あまり時間をかけないほうがいいと思っている。


市長に渡すものを渡したので俺達は役所を出て移動する。


「とりあえず、公爵家のお膝元へ行くぞ。俺の家もあるからな。」


アルハバードを出て、人目を避けたら転移ワープで次の目的地である公爵家へ移動する。


さて、ナギのやつは元気かな?

東部動乱というタイトルでしたが、終わってみたらそうでもなかったなぁと思ってしまった。


悲惨な目に合っている市長には、報われてほしいですねぇ。

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