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万能賢者は邪神の力で復讐したい〜女神と勇者だけは許さねぇ〜  作者: CronoA
第一章 第一部 〜異変の北部編〜
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015〜弟子強化訓練ニつ目

閲覧ありがとうございます!

ナミトの修行パートです。

いろいろやったその日の晩。

村長にお願いして、空き地に小屋を建てさせてもらった。


ナミトはずっと俺に小言を言い続けていたが、「今のお前は村長にすら勝てないぞ」と言ったら大人しくなった。


小屋は俺とナミトの泊まるところである。

村を拡張したおかげで、空き地だらけなのだ。


そして小屋の中でナミトに魔法の講義をする。

魔法の知識なんて頭に叩き込んだら、流石にナミトでも死ぬかもしれないからな。

それだけ魔法とは情報量が多い。


「今の村長は接近戦の鬼と化した。」

「あんたのせいだろうが!」


「ナミトは魔力を使っての身体強化と魔力感知を習得したが、それだけでは村長には勝てない。」


短距離転移を使いこなしていた村長は、そもそも戦いへの勘が鋭いのだろう。


ナミトも積み上げてきた戦闘勘は多少あるだろうが、何故か村長の方があるようだ。



「まずナミトが覚えなければいけない魔法は、障壁シールド敏捷増加アジリティだ。コレがなければ一瞬で迫られて切り捨てられて終わる。」


「マジかよ……」


それだけの性能を持つのだよあの装備は。



「この小屋には魔法を付与して、外との空間を隔離してある。どれだけ暴れても壊れないし音も漏れない。存分に鍛錬が出来るぞ。まずは障壁シールドから行こうか!」


障壁シールドの魔法は、魔力に厚みを持たせ質量を作ることで盾を作るイメージだ。


熟練度が上がれば、自分のイメージ通りにどんな形の障壁シールドでも出せるようになる。


「魔法とはイメージだ。どこぞの勇者やその辺の魔導師が、やたらと長いセリフを使っているが必要無い。魔力とイメージ、それが魔法の鍵だ。とりあえず最初は、自分の魔力で手の内に盾を作るイメージだ。」


「魔力に厚みを持たせる、盾をイメージ……」


ナミトはブツブツと自分に言い聞かせるように呟きながら魔力を紡ぐ。


騎士の息子だからこそ、盾のイメージはしやすいはずだ。


ナミトの手の内に魔力の盾が作り出されていく。

魔力は視認出来ないが、魔力感知を極めれば分かるようになる。


それを分からないようにすることも出来るのだが。


「これでいいのか……?」



ナミトは不安気な表情で聞いてくる。


「俺が魔法を撃ち込むから、障壁シールドを前に出してみな」


ナミトの表情が一気に強張る。


「いや、初級の魔法を威力を下げて撃つから安心したまえ」


「今日だけで色々やらかしてるから信用は出来ない。けど……魔法に関しては信頼する」


少し肩の力は抜けたようだ。

では、初級の炎弾ファイア障壁シールドに向かって発射する。


当たれば弾ける程度の威力だ。


俺の指から放たれた魔法は真っ直ぐ障壁シールドへ進み、当たって弾けた。


パァンという音が部屋に響く。


「おぉ、本当に盾になってる!!」


ナミトは障壁シールドで魔法を防いだだけでも成長した実感があるのだろう。

騎士として伸び悩んでいたらしいからな。


魔法に関しても、思っていた以上に才能がありそうだ。

このまま魔法騎士マジックナイトにでも育ててみようか。


「後はひたすら反復練習とイメージトレーニングだ。手の内だけではなく、空中に出したり、全身を包んだり巨大化させたりな。コレから俺は、ナミトに向かってさっきより少し威力を上げた魔法を撃ちまくる。勿論動きながらだ。さぁ修行開始だ!!」


「マジかっ!?」


魔法によって小屋の中の空間を拡張、少し広い空間となる。

実は時間をゆっくりにする魔法も使っていたので、まだ全然時間は経っていない。



俺はナミトに向かって魔法を撃つ。

撃つ。

撃つ。

撃つ。


「ぐぅっ!!」


かなりの速度で俺は移動しているから手の内にある障壁シールドだけでは対処出来ない。


いくつか魔法を身体で受けてしまっている。


かなりのスパルタだが、ナミトは騎士の訓練で打たれ慣れているのか、直ぐに体制を持ち直す。


「ただ、やはり騎士の癖が抜けないな。盾としてしか利用していないのであれば意味はない。」


あれでは勿体ない。

見て、来る方向を判断しているから同時に別方向から来られると対処出来ない。


時間差攻撃ではダメだ。

3〜4方向同時攻撃に切り替える。

全身防御を覚えてもらおう。


「っ!?」


魔法を見て、ナミトの両手に障壁シールドが出現。


「いや、背中にも障壁シールドを背負っているな」


どうしても盾のイメージが抜けない

のか。

形なんて自由自在だというのに。


まぁ、それでも進歩はしている。

少しずつだが障壁シールドの数は増え形も崩れて来ている。


効率良く防御する為に試行錯誤しているのだろう。


「さぁ、まだまだ行くぞ!!」

「チキショーめぇぇぇ!!」


この後ナミトの修行はかなり続いた。


だが、結果は上々である。


全身に薄く纏う。身体の一部分だけに展開する。離れた所に設置する。足場にするなど、俺が教えずとも思いつき実行できるようになった。


「ナミト、よくやったな。コレで障壁シールドはそれなりに扱えるようになった。次は敏捷増加アジリティだが、実はもう出来るようになっているのだ」


「えぇっ!?どういうことだ!?」


実は、障壁シールド修行の中で意図的に魔力を足に纏わせるように指導していた。

修行の後半、俺は魔法を障壁で防げない時は躱すようにも教えた。

脚力を意識して魔力を使うことで、この魔法は完成する。


魔力操作が緻密に出来るようになってきているナミトなら、出来ると確信して身体で覚えてもらったのだ。


「だから初めいつもより速く感じたのか。まぁ、速くなった分魔法も速く飛んでくるようになったからそんなことを考えている暇も無かった……」


最後の方は全方位から時間差であらゆる属性の魔法が来るような修行だったからな。


これで受ける魔法、躱す魔法を判断出来るようになったはずだ。


後は教えた魔法と騎士の戦いを融合させるだけで、今までよりも強くなるだろう。


「後は、明日の模擬戦で自分の戦い方を見つけろ。そこまでが今回の修行だ。」


「よし!!やってやるぜ!!」



こうして魔法の修行は終わり、小屋の中で一晩を明かした。

次回はナミトと超接近戦特化の村長との戦い。

お楽しみに!!

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