011〜村の防衛を構築する②
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村は賢者の手によってヤバいことになります。
畑の近くから壁を作っていくにあたり、生えている木も退かさなければならない。
面倒なので、そのまま空間魔法の収納へ次々と放り込んでいく。
後々、村の建物を作るのに木材はかなり必要だ。
あぁ、そうか。
収納した木の乾燥と加工も並列して行えばいい。
こうして収納された空間で、木材も作っていく。
本当なら創造で作り出せるが、今はそっちに回すほどの魔力はもったいない。
「シルバさん…あんたどれだけ高位の魔導師様だよ?普通の冒険者じゃあこんな真似出来ないだろう?そしてこんな村のために動いてはくれないはずだ。」
村長さんには俺達の名前を伝えておいた。
俺の所業に驚いているようだ。
「俺の力は神からの貰い物だ。だからこそしっかりと練度を積んで、かの英雄レナ様に俺は追いつきたい。俺は出来ることはやろうと思っている」
神といっても邪神様だし、勇者への復讐のためには出来ることをやろうと思っている。
嘘は言っていない。
レナ様に追いつきたいという想いはある。
「とりあえずこれで村の外周は壁で覆われたぞ。要望通り出入口も、北と南に一つずつだ。」
「あんたヤバいな……マジで助かるぜ。これで俺達の生活も大分変わっていくだろう。」
村長は、俺にとても感謝しているようだが、認識の齟齬があるようだ。
「これで?まだ俺の仕事は終わっていないぞ」
「え……?」
まだ壁を作っただけだ。
壁の四方には見張り台とそこへ至る階段を付けなければならない。
出入り口には監視所と門扉が必要だ。
壁だってまだ土魔法の発動のままで装飾すら無いし、内部に防御術式を刻んでいない。
「あぁ、そうだ。バリスタもつけよう。では、村長俺はまだやることが山積みだ。皆にはまだ変わっていくことを伝えておいてくれ」
俺は転移魔法で移動し、見張り台の製作にかかった。
「俺の村がヤバいことにぃぃぃぃ!!」
遠くで村長の声が聞こえた気がした。
見張り台の製作は簡単だ。
一度土魔法でベースとなる形を作り装飾して“複製”する。
そして収納。
で、壁の上に収納から取り出して土魔法で結合。
緊急を告げる半鐘を創造して取付けて完成だ。
後はちゃちゃっと土魔法で階段を作るだけ。
「やはり要塞作りには土魔法が最適だな。」
後はこれを三箇所でやって終了。
所要時間は一時間程度だろうか。
あぁ、遠距離の攻撃を防ぐ結界魔法もサービスで付けておくか。
次は北側出入口に転移!
土魔法にて監視所を作成して壁と結合。
これは一瞬だ。
門扉は流石に木材が足りないので創造で作って取付ける。
南側も同じようにする。
「む、大分魔力が減ってきたな……創造は燃費が悪いのが難点だな。」
収納から魔力回復薬を取り出して飲み干す。
これでまだ戦えるぞ!!
まだまだ賢者のターン!!
村長「ナミト君早く帰ってきてー!!」
ナミト「悪寒がヤバい……何か大変なことになっている気がする」




