010〜村の防衛を構築する①
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賢者が自重しない防衛網を構築します。
村は手作り感満載、木材の防護柵と思われるモノで囲まれている。
そして人力で掘っただろう浅い堀が
あり、木で組み上げられた今にも崩れそうな見張り台が一つあった。
村単位で見れば予想以上に頑張っていると思うが、全てが素人の工作レベルなのでちょっと強い魔物とかが来たら更地になるだろう。
「シルバさん、このレベルの防衛じゃ直ぐに崩壊しそうなんすけど……」
ナミトも俺と同じ意見だ。
「だが、今日来たのは俺達だ。邪神……いやレナ様から授かった力を存分に発揮すればこの村を要塞にすることも可能だ!」
「やりすぎ注意っすからね!?」
防衛策に関してはやり過ぎても問題ないと思っているのだが。
「ひとまず村長に挨拶しようか。」
俺達は村の入口に立っている村人に声を掛け、村長の家に案内してもらうことにした。
やはり仮面でびっくりされた。
案内している人から聞いたが、村人達は魔物のせいでまともに食糧も得られないこともあるそうで、領主へ連絡して食糧を一部負担してもらったりしているそうだ。
畑等が村の敷地の外にあり、怯えながら作業するという。
かといってそこまで守りを回せず、困っている。
村長に聞くまでもなく現状を把握できてしまった。
「村長!冒険者の方々が、防衛の件で来ていただけました!!」
「何っ!?とうとう来たか!!」
想像していたよりも声が若い。
家から出てきた人は、それなりにガタイのいい男性。
やはり声の通りに年齢はまだ30代程に見える。
「む!?仮面?いや、よく来てくれた!ひとまず中へどうぞ!」
声がデカい。
村長は先代がつい最近亡くなり、代替わりしたばかりだそうだ。
今は自ら戦闘に加わり防衛をしているとのこと。
さて、どこまでやっていいかね……?
「村の敷地は特に定められていないはずですね?」
俺は村長に大事な確認をする。
「あ、あぁ……特にどこまでが村の土地というのは決められていないな」
ならば簡単な話だ。
敷地を広げて壁を構築すればいいのだ。
「村長殿、少々付き合ってください。ひとまずこの村を壁で囲みたいので、細かいところを聞きながら作業します。」
俺は外へ出て行動を開始する。
あぁそうだ、ナミトにも仕事を与えなければ。
「ナミト、この村を中心に出来る範囲の魔物を退治してくるように。魔力操作の速度を上げれば身体強化魔法に繋がる。この辺の魔物程度なら遅れを取ることもないだろう。あと、これを使え」
俺はナミトに両刃の剣を渡す。
勿論、創造の力を使って作られた剣である。
「簡易空間魔法を施してある。かなりの量を収納出来るようにしてあるから狩った魔物も回収な。」
「またこんなものを軽々と作って……とりあえず行ってくるぜ!!」
ナミトには呆れられてしまったが、村人の食料だったり、武器を用意するには魔物は必須だ。
ナミトも行ったことだ。
「では村長、防壁を作りにいきましょうか!」
俺は村長を伴って村の外へと出発した。
村から少し離れた場所、とは言っても村からは見える場所だ。
僅かだが、畑をやっているところ。
「ここから円形で村まで囲うように壁を作りますが構いませんね」
「そんなこと出来るのか?」
私の魔法があれば問題ない!!
「アースブロック!!」
これは土の壁を作る魔法だ。
新しい身体の魔力は膨大だ。
一気に村を囲う壁を作っていく。
高さは2m程、厚みはとりあえず10m程でいいか。
壁を作ったら後で更に加工しなければ!!
まだまだ続くぞよ。




