表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/182

王都到着

 レップアース国の王都カッチャ。


 今まで訪れていた街とは比べものにならない程の大きさと賑やかさにシスは圧倒されていた。


「本来ならあと三日はかかっていた筈だが……飛ばしたな」


 ヴィルモントも無言で街を見回していたが、こちらはただいきなり王都に着いた事に驚いていたようでゼビウスの方へ責めるような視線を向けた。


「別にいいだろ。どうせ他の街は大したもんないし、それなら王都にいた方が色々あるし楽しめる。つうわけで、行こうかシス」

「えっ。でもここの王に会わなきゃいけないんじゃないのか?」

「……王への謁見は三日後だ。遅れるのは勿論、早過ぎても問題がある。この三日間は自由に過ごせ、私もそうする。宿は」

「こっちでやっとく。手続きが終わり次第ちゃんと連絡してやるよ。そういうわけだから、ムメイちゃんも自由にしたらいいよ」


 ゼビウスの言葉にトクメが目を輝かせた。


「ムメイ、王都は初めてだろう。王都は広く危険もあるから私の側にいるように。退屈はさせんぞ? 私は王都内の店は勿論、施設の場所や催し事などはほとんど把握している上に最新の店にも対応出来るから何処へでも案内出来る。さあ、何が見たい? 従魔コンテストか? それとも装飾品? 遠慮なく頼るがいい」

「じゃあ単独行動で。ついて来ないでね」


 胸に手を当て自信満々なトクメの方を見ることもなくバッサリ言い切ると、ムメイはそのまま何処かへ行ってしまった。

 その体勢のまま固まるトクメに、ゼビウスは呆れたようなため息をつきながら額に手を当てている。


「のうヴィルモント、実は妾も王都に赴き来たのは初めてなのじゃ。案内を頼めぬか? 人気のある店やヴィルモントが気になる店などを教えてたもれ。共に街を歩き一緒に楽しみたいのじゃ」

「王都ならば私よりもトクメが詳しいようだからそちらに頼めばよいのでは? 私も単独で自由に過ごさせてもらおう。では三日後にな」


 トクメにつられたのか、ダルマもヴィルモントと一緒に行動しようとしたが近づこうとした瞬間に拒絶され大きく距離を取られた。

 更に三日後まで会わないと遠回しに言い放つと、ヴィルモントもそのままダルマを置いて何処かへ消えてしまった。


「……ダルマの案内してやったら? 需要と供給は一致してんだろ」

「私が案内したいのはムメイだ。ダルマではない」

「妾もじゃ。街を一緒に歩くのはヴィルモントでないと意味がない……」


 ゼビウスの提案に不貞腐れたような態度のトクメと明らかに落ち込んでいるダルマだが、これ以上どうする事も出来ないのでゼビウスは変に巻き込まれる前にシスの手を引き街の中心へと向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ