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BL恋愛ゲーム世界に転生しました。  作者: 高殿アカリ
本編
44/46

かくかくしかじか。


かくかくしかじか。

と、私はすべてをジャンに吐露した。


ただ、自分が転生者であることとここがBL恋愛ゲームの世界であることは告げなかった。


それから、ほんの少しの不安を吐き出した。


「それに、だ。キース王子とクリス様が恋愛関係にあるのだとすると、キース王子はいずれ、エドワードに王位継承権を譲るのではないだろうか。そうなると、私は困るのだ」


「どうして?」


「なぜなら、先程も述べたように私はエドワードを守るためだけに婚約者になったのだ。私に王妃になる気は無い。それに、エドワードとはいずれ別れるのに、エドワードが王位継承権を譲られれば婚約破棄は難しくなるのではないか?」


不安げにジャンを見つめると、彼の頬が少しだけ朱色に染まったのがわかった。


……すべてを秘密にしていたからな。

ジャンが怒るのも仕方がない。


ジャンははぁ、とため息をついた後、


「そんな理由で婚約してたのか。……兄上が不憫だ」


「何故、エドワードが不憫なのだ?」


私が不思議に問い返すと、ジャンは苦笑いをして首を横に振った。


「まぁ、いいや。……それより、話を戻すけど」


「あぁ」


「十六歳になったら、セシリアはブラッドレイ家とは縁を切るつもりなんでしょう?」


「うむ。ラングアニス大陸中央地開拓計画には、そうするのが一番だからな」


「それなら、そのときに自然と婚約は破棄されるはずだよ。仮にも、王族の妃になるのが前提だから。貴族でない庶民の娘では、民に示しがつかないだろう?」


「なるほどな。ジャン、ありがとう!」


私はそう言って、ジャンを抱きしめた。


「ぼ、僕も男なんだからな!」


ぽぽぽぽと頬を赤らめて、わたわたと慌てるジャンの言葉など私には聞こえていない。


うむうむ、美少年とはこう可愛くあるべきなのである。


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