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BL恋愛ゲーム世界に転生しました。  作者: 高殿アカリ
本編
41/46

ルート変更したいです。


シド様ルートを放棄して、クリス様ルートかオリヴァー様ルートに変更すれば良いことに気がついた私は、二人の様子を見に行くことにしたのだ。


クリス様やオリヴァー様に想い人が居た場合、この計画は破綻するのだから。


とは言え、私は油断していた。

ルート変更など、造作もないと思っていたのだ。


それが敗因だったのかもしれない。

まさかあんな場面を見てしまうことになるとは……。


最初に見付けたのは、クリス様の方であった。

普段は落ち着いている彼が、急ぎ足でどこかへと向かっている姿はとても珍しい。


その際、周囲を警戒していることも気になった。


私はそっと彼の後を追いかけた。

バレない程度に距離を開けて。


クリス様が向かった先は、旧校舎の図書室であった。

古い文献があるばかりのそこは、余程のことがない限り使われることはないと聞いていたが……。


一体、何の用があるのだろうか。


図書室へと向かう廊下には、二人分の足跡が埃の上にはっきり描かれていた。

どうやら、クリス様の他に誰かがやって来ているようだった。


嫌な予感がした私は、慌てて図書室の扉の前へと足を進めた。


扉にかけようとした私の手がピタリと止まる。

奥から何やら話し声が聞こえてきたからだ。


「……ふふ、可愛いね。僕のお姫様は……」


「かっ! 可愛いなどという戯言はよしてください」


「ほら、早くキスをして」


「……っ!」


そろりと扉を開けて、中を見た私は決して痴女などではない。

二つの声に聞き覚えがなければ、私とて覗き見などしなかっただろう。


扉の向こうには、二人の影が重なっていた。

何度も繰り返されるリップ音が私にも聞こえてくるのは、きっと彼の仕業だろう。


そこには、唇を交わし合うキース王子とクリス様の姿があったのだ。

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