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BL恋愛ゲーム世界に転生しました。  作者: 高殿アカリ
本編
33/46

ボビーお兄様!

幾ばくかの不安を覚えた私の様子に、何を思ったのか、ボビーお兄様がこんなことを聞いてきた。


「セシリア、緊張しているのかい? やっぱり男子生徒用の制服で入学するのは、やめた方が……」


「あ、いえ。大丈夫ですよ、兄上」


慌てて私がそう答えると、今度は寂しそうな顔をするボビーお兄様。


「そっか」


「どうかしましたか?」


「……もう『ボビーお兄様』とは、呼んでくれないんだと思うと」


ボビーお兄様は、今にも消えそうな笑顔でぽつりとそんなことを言うではないか。

鼻血、出しても良いですか?


それに、私とて呼びたい。

ボビーなんて素敵な名前、呼びたいに決まっている。


現に心の中では、「ボビーお兄様」以外の名前で呼んだことはない。


しかし、しかしだ。


「兄上、制服を着ている間は男として扱って欲しい、と学園長にも話してあります。そしてその責任をすべて自分で取ることで、この制服を受け取ることが出来ました。なので……」


「ボビーお兄様」とは呼べません。

などと馬鹿なことは言えなかった。


「なので?」


「つまり、制服を着ているときは『兄上』と呼ばせていただきますが、私服のとき、私がスカートを履いている時は『ボビーお兄様』と呼ばせてもらいたいと思います。私は兄上の妹ですから」


そして、心の中ではいつまでも「ボビーお兄様」と呼ばせていただきます。


本当は、「兄上」と統一したかったのだが。

致し方ない、私は誘惑に弱いのだ。


ここは潔く諦める道を選ぼう。


私の言葉にボビーお兄様の顔がぱぁっと華やぐと、近くにいた女子生徒が鼻血を出して倒れていく。


私は鍛えた脚力を活かし、その身体を支えた。


「大丈夫か?」


はっと意識を戻したその子は、私の顔を見るやいなや、再び鼻血を出して腕の中に倒れ込んできた。


「「「嫌ぁぁぁ」」」


可愛いらしい女子生徒たちの黄色い声が廊下に響き渡った。


今から入学式なのに、そんなに興奮して大丈夫なのだろうか。


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