オンセン開拓書類の一部より抜粋。
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オンセン地帯を「中央地」という単語で統一。
以下、「中央地」とする。
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その一。
トランプの開発……了
トランプ概念の導入……了
ルールブックの作成……印刷屋と交渉中
その二。
小説、漫画の概念導入……了
※ただし、元々がBL世界だからなのか、同性愛や異種族愛の物語もタブー扱いとされず、恋愛ものとして一括りにされる。フジョシの出現可能性は極めて低いと推測。
作家の囲い込み……了
小説、漫画の作成……印刷屋と交渉中
その三。
ギターの作成……了
ギターの練習……不可
※ジャンに才能の片鱗が見られるため、ギターは彼に譲ることにする。無念。
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備考
鍛錬は概ね順調。
この前、私の師となる近衛兵から仕事の誘いを受けたほど。
また、中央地の資料収集、及び情報整理も順調。
残りは旅の出発前のみで可能と判断。
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一つ、問題が起きた。
ジャンが男であることを忘れていた。
彼は仮にもこの国の王子である。
十六歳の私の卒業と同時に旅に出るのは不可能では?
↓
ジャンの気持ちを優先。
最悪の場合、私と同じように家と縁を切ることも考慮する。
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またまた、問題発生。
ジャン曰く、王妃候補もまた十八歳まで学園に在籍しなくてはならないらしい。
私もその規定に該当するか?
↓
否。
なぜなら私は学園在籍中に婚約破棄されるから。
しかし、念には念を入れることにする。
婚約破棄が十七歳や十八歳の頃にされる可能性も否定出来ないためだ。
よって、ここから先の学園生活においてはオンセン開拓計画を一時中断し、新たな計画を始動する。
なお、この「十六歳までに婚約破棄計画」のことはジャンには伝えず行うことが理想。
場合によっては、理想通りにいかなくとも良い。
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十六歳の卒業までに婚約破棄されなかった場合は、ブラッドレイ家と縁を切ることを優先すれば回避可能か?
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