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BL恋愛ゲーム世界に転生しました。  作者: 高殿アカリ
本編
3/46

真理とは。


「ほーら、おもちゃですよー」


デレデレと緩みきった顔のお父様が私の前で、でんでん太鼓のような音の鳴るおもちゃを振っている。


きゃっきゃっと笑って欲しいのだろう。

だが生憎、私の精神年齢は赤ん坊と同じではないのだ。


何も楽しくはなかった。

普段から無表情な私の顔が更に不機嫌そうに険しくなってゆく。

世界一可愛くない赤ん坊である。


お父様の持ったでんでん太鼓の音も虚しく部屋に響く。

遂には、それを持つ手も次第に降りてしまった。


「やはり、セシリアは私のことが嫌いなのだろうか?」


眉尻を下げ、今にも泣きそうなお父様が私にそう問いかけてきた。


そんなお父様にお母様は、慰めようと手を伸ばし、お兄様は不思議そうな顔をしていた。

しかし、お母様の手がお父様の背中に届くことはなかった。


私が笑ったからだ。


「セシリア!」


喜ぶお父様。

再び不機嫌な私。


「セシリア……」


悲しむお父様。

きゃっきゃっと笑う私。


その繰り返しである。

私の心中は誰にも気づかれていなかった。


やはり、美丈夫の泣き顔は堪りませんね。

これはどんな世界でも共通する真理だと思う。


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