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BL恋愛ゲーム世界に転生しました。  作者: 高殿アカリ
本編
29/46

ジャンの嫉妬。

「兄上! セシリアと婚約したと聞きましたが、一体どういうことですか?!」


僕はセシリアからの手紙を手に、学園へと乗り込んだ。


王城に住む僕にとって、王都にある学園などほんの目と鼻の先なのだ。


僕の言葉に兄のエドワードは、にっこりと微笑んだ。


昔はコンプレックスを感じながらも、裏表のない兄は、どこか憎めない人だと思っていた。

だが、ここ最近は、いいや、セシリアが関わる話だけ、どうにも昔の兄はいないように思う。


なんだか、何を考えているのか分からない笑顔をするのだ。

まとわりつくような、溺れてしまうような、そんな笑顔を。


「どういうことも何も、そういうこと。俺とセシリアは、婚約したんだ。つい先日、国王と王妃にも宣言したから、今頃ブラッドレイ家にも文が届いているはずだよ。王子妃教育のために、王城に住むようにって」


「……っ」


何も言い返せない僕は、いつの間にか手紙を握りしめていた。

セシリアの綺麗な文字が綴られたそれは、僕の心みたいにくしゃくしゃになっていた。


婚約なんて冗談じゃない!

そう叫びたかった。


セシリア、君は兄上のことが好きだったのか?

そう問いかけてみたかった。


だから、手紙の返事なんて到底書ける心情ではなかったのだ。


それなのに、数日後、兄上の宣告通り、王城にやって来た彼女は相変わらずの無表情で、僕に言うんだ。


「ジャン、手紙の返事がなかったが。体調でも悪かったのか?」


「いや。……それより、兄上と婚約したって」


「あぁ。そのお陰で、王城に住むことが出来るのだからな、感謝している。やはり、王都の方が資料も人脈も良いものが沢山あるだろうからな。それで、まずはトランプというものに関してだが、」


「それだけ?」


「それだけ、とは?」


「兄上との婚約に関してのこと、というか」


「あぁ、心配しなくても良い。私が学園を卒業する頃には、破棄されているだろうからな。私とて、国を放って中央地に旅をするつもりはない」


「……それなら、どうして婚約したのさ」


「エドワードは、大層可愛らしいからな。不埒な者たちを少しでも出さないようにする為の措置だ」


そんなことを至極真っ当に言うものだから。


何一つ気持ちの通じていない兄上が、少しだけ憐れに思えた。


「そっか」


「何だか、嬉しそうだな」


「そんなことないよ。それより、その中央地の開拓なんだけどさ。僕も一緒について行って良い?」


「本当か? それは嬉しい。誘うかどうか迷ったんだが、やっぱりジャンは王子だから、あまり無理は言えないと思ってたから」


「あはは、そんなこと考えてたの? 今更だよ。それに、僕とセシリアの仲なんだから。ここまで一緒にやって来て、旅は行けないって悲しいだろ?」


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