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BL恋愛ゲーム世界に転生しました。  作者: 高殿アカリ
本編
27/46

エドワードの独白。

セシリアと初めて会ったのは、確か七歳の誕生日だった。


思えば、あの時からそうだったのかもしれない。


彼女は、キースお兄様に言われ、拗ねたジャンの後を追いかけていった。


その後ろ姿に、惹かれたんだと思う。


俺は、心のどこかで驕っていたんだ。

みんなに、世界に、愛されるのが当たり前なんだと思っていた。


誰もが皆、俺のことを肯定した。

誰もが皆、俺のことを褒めた。


俺のなす事やる事すべてが、正解だった。

でも、それが幼いながらに虚しかったのもまた事実だった。


気難しい大臣たちも。

気性の激しいはずの凶暴な動物たちでさえ。

俺の言うことは聞くんだ。


不思議だった。


争いのする方へ向かえば、自然と皆が和解した。

俺が願えば、天候だって変わった。

何もかもが思い通りに動いてしまうんだ。


こんなに怖いことはなかった。


そんな中、セシリアだけは無関心だったんだ。

あんなにも俺に無関心な女の子なんて初めてだった。


それがどうにも悔しくて。


ブラッドレイ領に遊びに行っても、彼女はいつもジャン、ジャン、と弟の名前しか呼ばない。


もの凄く興味が湧いた。


彼女の瞳に映るには、どうすればいい?

彼女の心を捉えるには、どうすればいい?


気がつけば、彼女のことばかり考えていた。


俺にはどこか被虐心があるのかもしれない。

だって、あんなにも無関心な彼女のことを好きになってしまったんだから。


こんな自分は初めてだよ。

彼女をこの腕に閉じ込めて、どこにも行かせたくないんだ。




あ、そうだ。

今朝は言い忘れていたんだけど。

昨日、俺とセシリア婚約したから。



**********


エドワードの最後の言葉に衝撃を受けたシドとボビーなどお構いなしに、馬車はがたごとと道を進んでゆく。


波乱の学園に向かって。


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