表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BL恋愛ゲーム世界に転生しました。  作者: 高殿アカリ
本編
23/46

なんてこったい。

夕暮れの中、エドワードの真っ赤な髪が空に溶け出してゆく。


私は何故、自宅の庭でヒロイン(♂)に手を引かれているのだろうか。


幾度となく遊んだのだろう。

エドワードの足は、迷うことを知らない。


勝手知ったる様子でずんずんと庭を進んでゆく。

そうして辿りついたのは、一軒の東屋であった。


エドワードはどこか不機嫌な様子でどすん、と腰を落ち着けた。

手を引かれるがまま、私もその隣に座る。


「エドワード、」


「しっ!」


しっ! だって。

唇に指を当てて、しっ! だって。


私の思考回路が停止したのも仕方が無い。

それほどまでに今のエドワードの仕草は可愛かったのだから。


いやいや、そうではなくて。

私は首を勢いよく横にブンブンと振った。


しっかりするんだ、年齢不詳。

精神年齢、幾つだと思っているのだ。

自我を保つのだ。

世界に抗え。


それから、頬をビタンと一発叩いて。

もう一度、口を開いた。


「エドワード、わた」


紡がれた言葉は、エドワードによってどこかへ行ってしまった。


彼の長いまつ毛が目の前を占拠し、彼の芳しい香りが脳内を占拠し、彼の柔らかな唇が私の唇を占拠していた。


私、ボビーお兄様との最後の思い出を作りたかったのだが……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ