我が家の天使たち。
「おねえさま!」
「おねえさま!」
我が愛しの双子の妹たち、クレアとクララだ。
二人はボビーお兄様と同じく、お母様の血を受け継いだミルク色の濃い髪の毛に、タレ目の優しい顔立ちをした六歳の幼女である。
ちなみに、彼女たちはたくましいドワーフ族のオリヴァー様がお気に入りらしい。
「おねえさま! かみをきったのですか??」
「ええ、そうよ」
「か、かっこいいです! クレアのきしさまになってくださいませ!」
興奮したように私に抱きつくのは、妹の方のクレアだった。
「おねえさま! やっぱり、おねえさまはクララのあこがれです! クララもおなじようにみじかくしてもよいですか??」
そう言って、キラキラした瞳で私を見上げるのは姉のクララであった。
「駄目だ!」
そう言ったのは、二人のお気に入りのオリヴァー様。
怖い怪談話が好物で、幽霊屋敷を探索したり、夜中にかなりクオリティの高い幽霊に扮装し、屋敷のみんなを驚かせたりと、何かと問題の多い二人のストッパー役でもある。
二人を寝かしつけるために、私が怪談話をしたことがきっかけだということはこの際関係ないと思う。
「「オリヴァーさま、どうしてですか?」」
こてんと同時に首を傾げるその姿は、大層愛らしい。
「クレア、騎士様とは男であるべきじゃないか? あまり、セシリア嬢を困らせてはいけない」
「むぅ」
ほっぺたをぷっくり膨らませて、クレアは私の腰に顔をうずめた。
「それにクララも。セシリア嬢のようになりたいなど、あまり御両親を困らせてはいけない」
「むぅ」
クララは私の背に隠れ、オリヴァー様を睨みあげている。
大した威力もないのだが、オリヴァー様は少しだけ寂しそうな表情をしていた。
私の両親や使用人たちが共に、オリヴァー様の言葉に勢いよく頷いていたことを、私はしっかり目に焼き付けておいた。




