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3話:重蔵のひ孫が誕生

 これで2万円相当の豪華景品を3つもらい奥さんも大喜びした。その後、毎月日曜日に勉強会を東京の豪華ホテルの昼食付きで開催してくれた。毎月聞いているうちに、多くの情報をもらい、大きな金額で、安全性を重視するなら、外貨投資、外貨の変動の差益、国債一定の金利、次に大手企業の社債、投資信託、リート・不動産ファンド、株ファンド、日本株投資、外国株投資の順でリスクとリターンが大きくなることも教えてもらった。


 そのうちに1997年が終わり1998年を迎えた。この年も継続しシティバンクの勉強会に参加し、帝国ホテル、パレスホテル、ホテルオークラ、ニューオータニ、ヒルトン、赤坂プリンス、品川プリンス、京王プラザなどの昼食をいただいた。1998年1年に臼井重光と路子さんの間に子どもができた。出産予定日が1998年7月17日とわかり赤飯を炊いて祝ってくれた。しかし妊婦にしてもお腹が大きいので心配になり産婦人科の先生に見てもらうと簡単に双子の可能性が高いと言われた。


 そして予定より2日早く7月12日に近くの産婦人科病院に路子さんが入院して男の双子の臼井正一と正二と名付けた。そして臼井家の近くに住む親戚の女集が本家の跡取り息子達のために路子さんの世話や双子の面倒をよく見てもらった。これには重光も申し訳ないとお礼を言って粗品を手渡した。それに対して亡き仙台の重蔵さんには田畑をもらったり、いろいろ世話になったから当然だと言った。この跡取り息子の誕生を一番喜んでくれたのは他でもない当主の臼井重蔵だった。路子さんに出産当時、でかしたと言い、心底、喜んでくれたのが印象に残った。


 夏の暑いので老体にむち打って、よく、ひ孫の臼井正一と正二の顔を見に来ては大きな男になれよと言っては1人ずつ、抱っこしてくれた。そして夏が過ぎ秋風が吹いて10月稲刈りが始まった。そんな2000年2月22日早朝、N証券の担当者から臼井重蔵に電話が入りソニー株を最高値を更新し16000円で売り重蔵は残金合計5億円となり孫の重光は2.2億円となった。それを間近で聞いていた臼井重蔵が俺なら、もっと突っ込むが重光は初めての取引だから引いても良いかもしれんなと薄笑いを浮かべた。


そして重光が注目し購入していたソフトバンクが上昇して大きな利益確定が出ていた。そして重蔵は、これから俺の腕の見せどころだ、よく見ておけと心の中でつぶやいた。予想通り2000年2月に24万円を越えた。そこそろ売りを考え始めた頃、再びN証券からの電話で今朝の営業会議で売り目標30万円と言う話題が出たというと、よっしゃ30万円、いや29万円で全株売り指値を入れようと重蔵が言うと担当者、それ方が良いかもしれないと言い電話を切った。


 その後、29万円で売り指値注文を出した。この頃には臼井重蔵は今迄の株の売買の成功で絶対の自信を持っていた。しかしソフトバンク株は少しずつ下げはじめ、ちょっと不安になったが、株の格言、春になれば大丈夫と様子を見ていると2000年3月10日、急降下し買い値を切りマイナスとなった。しかし。この2日の大きな売りが終われば反転上昇すると来週を待つことにした。しかし売買は増えるどころか減り2000年3月15日には78500円に下がり、ここから反転上昇し、3月21日月曜日には再び10万円を回復し、これからだと思った。


しかし、ここから上昇せずに一進一退を繰り返し2000年3月30日木曜日に78800円で多くの売りが出て株が売れた後は売り気配となり3月31日金曜日、4月3~7日の5日間ストップ安、値つかず、売り一色となり何と前代未聞の1週間連続ストップ安という新記録を作った。仕方ないので反転するまで我慢するしかないと臼井重蔵は腹をくくった。すると2000年4月26日、N証券から電話で担当者が上司に代わりますと言い、この数日間の売買数の少なさを見ると売買が増えた時に一気に投げ売りしかないと言った。


 これだけ下げると、会社が倒産する可能性も出て来たと話した。これは極秘事項ですが業務部で何回か計算して資産の含み損を考えると十分に倒産の可能性も見ておくべきだと言った。そこで日本の大証券が買いに出るのはいつかと聞くと、それは、わかりませんが、週の頭よりは週末じゃないですか、いいえ、これは個人的な見解で全く参考になりませんがと笑いながら言った。その話を聞いた重蔵は4月28日、朝から市場を見て8時40分に意を決して、全株・3千株の成行売り注文を出した。すると9時に臼井重蔵の2千株が11800円で売れた。これで損失が2.3億円と確定した。


重蔵の資産5億円から差し引くと2.7億円となった。これで重蔵は負けを認めて株売買から手を引くことにした。そんな時に重蔵の次男、伸二が重蔵に徳久家の家が雨漏りし始め建て替えなければならないと言われ建築資金として5千万円貸して欲しいと連絡が入り貸すことにした。これで重蔵の資産が2.2億円となった。そして重蔵の実家も古くなった農家を解体して、木造の4LDKの住宅を重蔵と信一の家として2軒を合計7千万円で建て車も2台買い電気製品なども揃えて1千万円の合計8千万円をかけて重蔵の資産が1.4億円となった。

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