20話:臼井一族の今後の話1
この件で急いで11月25日、臼井信一が一族の会議を開くと言い、総勢12人が集まった。そこで、臼井信一が銀行員で働き、信二は体を壊して働けない、重光は塾の講師をしている。その他も病気をして野良仕事はできないので、この土地にいてもしょうがな。いずれ耕作放棄地の宅地並み課税の方針が出てるので数年後には税金を払えなくなる。そうなると、この土地に肩を寄せ合って生きて行くことが難しくなる。それに、この20年で臼井一族から4家族が出て言ったのも事実だと言った。
この話を聞いていた重光が信一さんは、具体的に徳久信二さんたちは、どうしたら良いと考えているのかと聞くと信二は俺の隣に住んでもらい親族のように一緒に面倒見ていくと断言した。その他の徳久家の連中は、既に、この土地を出ていると言った。じゃー、もし、この土地を更地にしてどうしたいのかと聞くと、以前みたいに賃貸アパートというわけには行かないし、建築会社、または不動産会社に売るか、定期借地権で事業者に貸すかしかないかも知れないと言った。でも、準農地だから臼井一族でないとダメだろうというと、実は名前貸しで貸せると言った。例えば、臼井信一が個人の名義の土地を会社の社長に定期借地権として貸すことはできると言った。
なるほどと重光が言った。するともう1軒の臼井善蔵さんが俺もおふくろと親父がいなくなったら現在、あまり良い思い出のない、ここよりも狭くても、もう少し都会のマンションにでも住みたいと言った。もう1軒の臼井貞一さんもうちも4人で狭くても、もっと便利な都会のマンションの方が良いと言って、誰1人残りたいという人間がいなかった。土地を借地権の話は賛同するから臼井信一さんに一任してやってもらおうじゃないかと言った。すると信一が重光に、どうと思うと聞くので、今住んでいる家は、多分、売れると思うので、早く売り、奥さんと娘の3人でマンション暮らしすれば良いと語った。2人の息子は多分、自分達で独立するか結婚して家庭を持つだろうと言った。
だから、この土地を臼井一族が離れるかどうかには、まったく影響しないし、一族の集落に住んでいるわけでもなく駅から徒歩7分と恵まれた土地に住んでいるので今の状態でも不服はないと言った。そう言う事で、私がどうこう言う問題ではないと思うので気にしないで、自由にやって欲しいと言った。これらの話を聞いて、信一が、それに一任してくれくれるなら、その委任状を書いて持ってきてくれと言った。今迄世話になった、祖父の臼井重蔵さんには悪いが、これも時代の流れで仕方ないというしかないと言って、話し合いは終わった。
そして12月になり、やがて2018年を迎えた。2018年になり、臼井信一が昔から世話になっている工務店の社長に相談し、この広い土地を使いたい人をさがして欲しいと伝えた。また、近隣の6つの不動産屋にも状況を話した。しかし2,3月になっても何も進展がなかった。ところが
4月8日に工務店の社長がある新興企業がパナソニックと共同でソーラー発電のために定期借地権住宅か買い取りの話のりたい業者が2社あると伝えてきた。その2社に話してみたらと言われた。その話を聞いて会社に連絡できるかというと紹介しても良いと言ってくれた。
そして、信一から重光にその話を伝えてきて、話合いのできに一緒に出て欲しいと頼まれて了解した。工務店の社長からその2社に電話を入れると、その場所を見たいと言われ、信一が許可して、訪問するときに地権者が話をしたいと伝えるようにお願いした。4月5日、10時にA社が3人で、4月7日、10時からN社が3人で来ると連絡が入った。最初のA社が来て臼井信一が臼井一族の土地の全体を車にのせて走り、説明した。その後、こちらで話しましょうと自宅に入れて話合いが始まり具体的に土地は買われるのですか、それとも定期借地権ですかと聞くと、借地権なんかはしない、購入ですと答えた。
しかし農地ですから宅地みたいに高くはなりませんよと言った。その代わり、耕作放棄地も含めて全部買いますと言った。しかし、いくらで購入価格は即決できませんと言った。というのは土地の写真を撮って日照時間、実際にソーラーパネルを使って、1週間ほど実験させて欲しいと言った。その話を聞いて、信一がわかりましたと答え、実験を4月8日から14日で宜しいですかというと、解りましたと言った。4月7日にもB社が来て、同じ様に敷地を見せて、借地権でなく購入で宜しいのですかと聞くともちろんですと言った。
同じ様に値段は即決できないことと、1週間、ソーラーパネルを置いて、実験させて下さいと言われ了解した。その時に7、8月の方が必勝時間が長いから、それでも良いですかと聞くと、それは季節に関係ないと言い、6月と8月では日照時間の平均が出ているから、数字を入れて補正するから、どっちでも良いと言った。むしろ暑い夏はロスが生じるとも言った。