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剣ヶ峰龍雅の欲望/Life.of.Predetermined:GreedDragon  作者: 六月不二
第1章《学園編~Psychic.of.Japanese~》
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第漆話《アーケードゲームで並んでいると目の前の人が、超激レアを当てると超激ムカつく》

今回は、龍雅ではなく虎太郎が主人公です。ハーレムを望む龍雅よりもハーレムを望まない虎太郎の方が、ハーレムを作る速度が速いかも…

 得大紐は、東京湾に出来た火山島にある都市である。今も火山は、地球の鮮血であるマグマを噴出しており、マグマの滾りは、地球にも命があると感じられる。得大紐は、1973年の西之島が確認された同じ時刻に東京湾にて海底火山の噴火が発生し、無名の無人島が誕生した。この島が、出現してすぐに日本に帰化したアメリカ人とロシア人と日本人のクォーターの男性を先頭に、この島の成長観察と開拓が始まり、後にこの島の名をサンクトペテルブルクとニューヨークを漢字表記した聖彼得堡と紐約と日本有数の都市大阪の名を組み合わせた得大紐島と名付けた。得大紐島は、地図上では千葉と東京の県境を超えて存在しているように見えるが、得大紐は、東京の一つとなっている。気温が東京より低いのは、わかっておらず一説は、ある能力者が関係していると噂されている。


 昼休みの銀河丘高校の2年G組の教室…他のクラスの生徒数は、50人以上で、普通クラスともなると70人程度の生徒数である。しかし、1~3年のG組は、普通の高校のように30人程度しかいない。他のクラスより数少ないG組は、エリート達からは、絞り粕教室という不名誉な名で呼ばれている。

 そのG組で学ぶ中肉中背の普通の高校生にありがちな濃さの黒髪のM字バングで、怠惰という罪に相応しい程に覇気のない眼をした少年…盾ヶ原虎太郎だ。今日は、何故か暗い雰囲気を放っている。


 (今日もだるいな…昨日の奴で、体が筋肉痛だぜ…)


 虎太郎は、全身筋肉痛で体を痛めている。


 (ハァ…何故俺が…無駄に強い力を? 俺は、平和に過ごしたいのに…別の奴にやればいいのに…)


 虎太郎は、平和に過ごしたい願いとは裏腹に、様々な局面において需要のある能力を得て、自分の能力に絶望している。


 (それに、昨日、アーケードで、連コした結果、爆死したし…龍雅は、そんな俺をよそにシークレットレアやアルティメットレアを平然と当てやがる…まぁ、それとこれとは関係ないが…後は、色々な場所で能力者たちとの戦いを強制的に見学させられたし…)


 「どうした? 虎太郎君? 何か困った事でもあったか?」


 黒髪のナイスバディなこのクラスの委員長である佐藤乃愛は、落ち込んでいる虎太郎を心配している。


 「いや何でもない。ただ疲れているだけだ。」


 虎太郎は、そう言って机に凭れた《もたれた》。


 「もう! そんなに落ち込んでいたらダメでしょ!」


 男の十人中十人が、一言コメントで、普通に可愛いと評する事が出来る容姿をした美少女西村香織は、幼馴染である虎太郎の落ち込み様に、喝を入れた。


 「立ち直れねえな…」


 虎太郎は、更に落ち込んだ。虎太郎は、まるで重力が二倍になったように重い表情を取っている。

 そんな虎太郎を見る右手に二つコーラの缶を持ち、左手にもう一つのコーラの缶を持ったモデル体型の高身長で黄金と暗黒の髪色の細マッチョの二次元から次元を越えてやってきたような容姿をした美少年剣ヶ峰龍雅が、虎太郎を憐れみの目で見る。


 ――言えないな…俺が、タイムリープを何回もして高レートカードを当てまくっただなんて…


 そう、龍雅は、昨日…ゲームセンターでアーケードゲームで高レートカードをゲットするだけの為に、タイムリープを何度も行ったのだ。その方法は、龍雅が紗里弥から聞くまで知る由も得なかった。

 龍雅と虎太郎がやっているアーケードは、カードの位置がわかる配列表は存在せず、ランダムでカードが出る為、稼働開始からいきなりシークレットレアが出たり、カード切れになるまでシークレットが出ないという事もある。ランダムと言っても出る法則があり、金を入れるタイミングまたは、カードが出るまでの時間にボタンを押した回数。或いは、その両方によって結果が変わり、1プレイされる度に、タイミングと回数が変動する。故に、高レートカードは、新弾が始まってから一週間以内だと最低でも5万円の価値のあるカードとなるのだ。龍雅は、能力の悪用し、筐体の乱数調整に失敗したときに、タイムリープを使い、金を入れる前に戻り、再び筐体の乱数調整するという地味な作業を行っていたのだ。


 「虎太郎…」


 龍雅は、憐れみの表情で虎太郎の肩を軽く叩き、「ドンマイ…運が悪かっただけだぜ…別に、心の中で、お前を笑ってねぇぜ」と虎太郎を慰めた。


 「いや、お前…絶対俺を馬鹿にしてるだろ…」


 虎太郎は、そう言って慰める龍雅を睨んだ。


 「あ~もう、これやるから機嫌直せよ。」


 龍雅は、最新のアルティメットレアカード2枚を虎太郎に、与えた。


 「まじかよ! 龍雅!」


 虎太郎は、アルティメットレアを貰って歓喜の笑みを浮かべた。


 「「こら! 龍雅! 学校にカードを持ってくるな!!」」

 「先生にバレなきゃよかろうなのだよ。可愛子ちゃん達よ…」


 乃愛と香織は、龍雅が、カードを持ってきた事を叱り、龍雅は、悪い笑顔を浮かべた。


 「先生の所に報告しに行こうかな~」

 「それがいいな。」


 乃愛と香織は、先生に言いつけようとすると…


 「待て待て!! 悪意があるのは、わかる…しかし、俺なりの虎太郎の慰め方はこれしか思いつかなかったのだ。」


 「そんなのは、言い訳にならないぞ。」


 乃愛は、龍雅にそう言い返した。


 「そこを何とかさ…」


 龍雅は、乃愛に手を合わせ、頭を下げて懇願した。


 「仕方ない。今回は許すが、今度あったら即刻、先生に…」

「わかった。やらかさねえよ。一度やったミスから学ぶ方法もあるしな。うん…反省した。」

 「反省したならいい。」

 「そうか…なら、虎太郎よ。そのカードは、俺からの餞別だ。見つからぬようにな。」


 龍雅は、アルティメットレアカードを虎太郎のブレザーの胸ポケットに入れた。


 「だけど、そのカードは、私が放課後まで没収する。」

 「…やっぱりな。」


 乃愛は、虎太郎からカードを没収し、乃愛はその場から立ち去っていき龍雅は当然かと言う表情で、カードを没収した乃愛を見て、虎太郎は、カードを没収されて落胆している。


 「虎太郎。そう落ち込むなって…放課後に返ってくるからさ…ホレ、コーラだ。これでグィーっと一気飲みして気分を晴らせよ。」


 龍雅は、虎太郎の肩を叩いてそう慰め、虎太郎の机に冷えたコーラの缶を置き、龍雅は、もう一つのコーラの缶を開け、コーラが入った缶の中から、コーラ独特の甘い香りが強炭酸の弾ける音が龍雅の鼻と耳を刺激し、龍雅は、缶に入ったコーラのプルタブを上から下に回し、プルタブに、ストローを入れ、右手にあるもう一つのコーラを香織に、投げ渡し、香織は、「ありがと」と言いそれに対して龍雅は、「元々お前らにやるために買ってきたんだしいいんだよ。」と言って飲み始めた。


 「言われなくてもわかってらァ!」


 虎太郎は、勢いよく缶コーラのプラタブを開けて貪るように一気に缶の中のコーラを飲み、虎太郎の気分は少し晴れた。


 「どうだ? 少しは気分が晴れたか?」

 「あぁ…」

 「そうか…それは、良かった。んじゃ俺は、まだ見ぬ学校に居る美少女に会いに行くとするぞい。」


 龍雅は、虎太郎の機嫌が直ったのを見て安心し、そして龍雅は、煩悩だらけのブ男の如く悪意を持った不敵な笑みを浮かべて教室から出て行った。


 (また変態的な奇行に走るのか…)


 虎太郎は、不敵な笑みを浮かべた龍雅を見て、虎太郎は、心の中でそう思った。


 「ねぇ、虎太郎。委員長に没収されたカードって何?」

 「あぁ、アレか? アレは、最新弾のアルティメットレアカードで、最新弾が始まって一週間以内に売れば、5万円の価値で売れるカードだ。」

 「よく分からないけど、そんな価値のあるカードを委員長の目の前で出すなんて、見つかったのが先生だったらカードが返ってこないから大損ね。」

 「それに、二枚と言う事は、10万円が手に入ると言う事か…」

 「龍雅の運ってそんなに良かったっけ?」

 「いや、そんな事は無いと思うが、もしかしたら手に入れる方法があってそれを使ってズルをしたとか…」

 「なるほど…」

 

 香織は、虎太郎の言っている事を理解し、頷いた。


 


 そして、放課後…虎太郎は、教室で委員長である乃愛からカードを返してもらう約束だ。しかし、乃愛は教室に来ない…何故ならば、乃愛は今――


 「何をしている!」


 乃愛は、校舎裏で虐めの現場をたまたま見てしまい、乃愛は、その真面目な性格が故に、虐めを止めようとしているのだ。虐めている側は、数人の不良。虐められている側は、口をガムテープで抑えられ、縄で手を縛られて怯えている少女…まだ手をかけられてはいないが、乃愛が来ていなければ大切なモノを失っていただろう。


 「あぁん? こいつを助けに来たってのか?」

 「―――――!! ――――!!」


 性懲りも無くあの男は、龍雅によって酷い青痣で顔が所々青く染まった顔で、乃愛を睨みつけた。こんな事をしてまた傷を負うのが、一目瞭然の筈なのに…

 乃愛は、ガムテープによって口を閉ざされた少女の言葉にならない叫びを聞き、不良達に敵意を向けた。


 「こいつを返して欲しけりゃ…俺達を倒してみろよ。」


 青痣のとこがそう言うと不良数人が、立ち塞がる。


 「多数の男が一人の女に対して戦うなんて卑怯だとは思わないのか?」


 乃愛は、不良達に言う。


 「俺達は、生憎そんなの関係ないんでな。」

 「卑怯者め…」

 「痛い目に逢いたくなきゃ…お前も、こいつと一緒にやられるか?」

 

 青痣の男は、卑劣な笑みを浮かべてそう言った。


 (仕方がない…使いたくはなかったけど…)


 乃愛は、一瞬にして消え、一人の不良の前に現れ、プロの空手家顔負けの強烈な蹴りを放ち、不良は蹴りに飛ばされ、壁にぶつかり気絶した。乃愛は、瞬間移動テレポートの能力者なのだ。


 「てめェ!」


 複数人の不良が跳躍し、バットで乃愛に殴りかかろうとしたが――


 「ハァ!!」


 複数の男は、空中で身動きが取れなくなったのだ。


 「これは、能力者の基本的能力の一つ…念動力だ。」


 そう、全ての能力者は、念動力を有している。それを気付くのは、教えてもらうか、自分で知るかによる。基本的能力が人にとって骨や肉だとすると基本的能力ではない能力は、人にとっての才能や心と言っても過言ではない。

 乃愛は、浮かした複数人の不良を両手で超能力を駆使し、乃愛は体を大の字にし、勢いよく複数人の不良を壁に叩きつけた。


 「これで、あらかた倒したか――」


 そう言って、乃愛がよそ見すると青痣の男は、乃愛の顔を殴り、乃愛は、後方に大きく吹き飛ばされた。


 「俺はな…能力は、生物最強アニマルエンペラーって能力で、能力が色々な生物の力を人間の姿のまま得る事が出来るって代物だ。あの時、あいつにバールで殴られた衝撃で、この能力を得たって訳だ。今のは、モンハナシャコの力を軽めに使ったが…これを本気で使ったらお前の綺麗な顔が、台無しになるって訳だ。ハハハハハ!! まぁ、能力を得た時、スポーツのエリートクラスであるC組から、何故か上から数えて普通クラスの一番下G組に落ちたがな。」


 その能力を持っていながら龍雅に使わなかったのか…その理由は、龍雅があまりにも強かったからだ。しかし、青痣の男にとって乃愛は所詮女能力者だとしか思っていないだろう。そして青痣の男は、自分が落ちこぼれに落ちた事を自虐した。


 「クッ…だが…やるしかない…」


 乃愛は、青痣の男の周りの無数の小石を浮かせて青痣の男に、向かって小石の弾幕を銃弾の速度で浴びせようとしたが――


 「無駄だ。」


 青痣の男は、体を硬化させて全ての小石は、はじき返された。


 「念動力は、基本的能力って言っていたな…ならば、自分の攻撃を自分で受けろ!」


 青痣の男は、はじき返された小石を念動力で、乃愛に向かって放ち、乃愛は、瞬間移動で、青痣の男の懐に潜り、青痣の男に、強烈な一撃を与えた――に見えたが、青痣の男は、こうしてくるのを読んでいて皮膚を硬化したままであった。


 「しまった!」


 瞬間移動で、距離を取ろうとする乃愛をゴリラの握力で、掴んで地面に思い切り叩きつけ、乃愛は、気を失った。


 「―――!! ―――!!」


 捕らえられた少女は、乃愛が気絶した事で、絶望した表情で叫んだ。乃愛を起こす為に…


 「これで、また一人…俺の獲物になったぜ。」


 (あぁ…私は、助からないんだ…助けに来た人…ごめんね。私と同じようにこいつにやられるなんて…)


 口を閉ざされた少女は、起きる事がないとわかり、諦め、絶望し、目を閉じた時…


 「てめぇ! うちの委員長に何をした!!」


 男の声が、校舎裏に響くその声は、怒りに震えていた。その声の正体は、盾ヶ原虎太郎だ。


 「お前は、昨日の…何だ? 能力者になったからって俺に勝てるとでも思っているのか?」

 「うるせえ…女に平気で暴力を振るう奴に言われたくなんかねえよ。」

 「女に暴力を振るうのが、非道だなんて、男女不平等だとは思わないのか? 後輩…」

 「そうか…お前は、何度やられても心の底から…クソ野郎って訳だな!」


 虎太郎は、青痣の男に対して怒りに震えた。


 「来いよ! クソ先輩! これが三度目の正直だ! 龍雅に続いてお前をもう一度倒す!」


 青痣の男に挑む虎太郎の気迫は、まるで怒れる虎のようだ。

感想・リクエスト・質問があればどうぞ

お待たせしました。色々試行錯誤や、学校で忙しかったので投稿が遅れました。すいませんでした。

次回も、虎太郎が主人公で、虎太郎の能力が活かされる回です。

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