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剣ヶ峰龍雅の欲望/Life.of.Predetermined:GreedDragon  作者: 六月不二
第1章《学園編~Psychic.of.Japanese~》
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第肆話《この学校には、主人公が二人居る!》

 龍雅の家の隣の何処にでもある普通の家。ここは、盾ヶ原家が住む家である。

 盾ヶ原家の長男の盾ヶ原虎太郎は、二階にある自室のベッドで鼾をかき、腹を出して眠っており、実にだらしない姿で眠っている。


 「もう、食えねえ…ムニャムニャ…」

 

 虎太郎が、寝言を言いながら眠っているといきなりドアと窓が開いた。


 「「起きっろ~!」」

 「戦じゃ~!!」


 窓から一人の少女とドアから一人の少女が現れ、虎太郎に飛び込み。ドアから甲冑の着た男が、模造刀を構えながら現れた。


 「やめろって! お前ら! そして龍雅! 危ないからやめろ!」


 龍雅は、兜を脱ぎ、覇気に満ちた美少年の顔を晒し、模造刀を鞘に納めた。


 「フハハハハハハ!! 二次元でよく見る光景が、現実でこの目で見られるとは、愉快愉快…」

 「龍雅! 笑ってないで助けろよ!」

 「では、俺はここで退散させてもらうとしよう。では、学校で待ってるぜ!」


 龍雅は、部屋から出て部屋から出たすぐそこにある廊下の窓を開けて飛び降りていった。


 「あいつ…やっぱり可笑しいな。」

 「お兄ちゃん。早くご飯作ってよ~」

 「早く起きて! 学校遅れちゃうよ?」

 

 虎太郎は、二人の少女に起こされてうざいと思いながら起きた。

 窓から入ってきた少女の名前は、西村香織。虎太郎と龍雅とは幼馴染で、平日の毎朝、虎太郎を起こしに来ている健気な美少女である。クラスは、2年G組で、龍雅が言っていたアイツとは、この少女の事である。

 そして虎太郎を兄と呼ぶ少女の名前は、盾ヶ原芽衣。虎太郎の妹である。1年C組で、少しブラコン気味があり、虎太郎は、それを察知している為、虎太郎は芽衣を少し恐れている。

 妹の芽衣が、兄に朝ご飯を作ってと言う理由は、虎太郎の両親がアメリカに海外出張しているからだ。


 (毎朝うざいな~まぁ、起こしてくれなちゃ俺遅刻するしな。…それにしても何で今日は、龍雅まで来たんだ? もしかして何かを自慢しに来たのか?)


 「ふう~今日も学校行くのめんどくせえな~」

 「もう! そんなこと言わないの!」


 (あっ、もしかしてあの甲冑と刀か!? 龍雅の家に遊びに行ったときに、あんな甲冑なんてなかったしな。何故、朝っぱらから自慢をするんだ?)


 「それにしても今日は、何で龍雅君も来たんだろ?」

 「龍雅さんは、お兄ちゃんに武将の格好を自慢したいから来たらしいですよ。」

 「なるほど、そういう訳だったのね。」

 「わざわざ朝からすることでもないだろ…」

 「うだうだ言ってないで早く準備準備!」

 「へいへい…」


 虎太郎は、一階に降りて行った。


 一方…龍雅は、龍雅と紗里弥しかまだ来ていない静かな教室で甲冑を脱いで自分の番号のロッカーに、甲冑と模造刀を入れた。


 「やっぱ朝からパルクールは目覚めに良いぜ。」


 龍雅は、ロッカーの前で気休め程度に体を動かして足元に置いてある袋を見た。


 ――ふう…アイツ以外には、バレなかった。流石は乱数調整…隠密行動が楽になるぜ。使い方によっては、世界を支配できるかもな…ククク…


 龍雅は、野望を抱きながら自分の席に座った。


 「お前それ持ってきたのか…何で学校に持ってきた?」


 紗里弥は、模造刀と甲冑を持ってきた龍雅を冷ややかな目で見てそう言った。紗里弥の席は、龍雅の前の席である。


 「刀と言ったら甲冑だ。それに、模造刀は元々ロリの物だったからロリコンの俺としては、ロリから貰った物は…」

 「私の事をロリロリ言ってんじゃねーよ。お前どうしようもない変態だな。」

 「そうだよ。俺は、美少女をペロペロしたいと思っているどうしようもない変態だよ。」

 「うわっ…あの時お前にキスするんじゃなかった。」

 

 紗里弥は、龍雅の変態発言にドン引きして落ち込んだ。


 「良いではないか…良いではないか…」

 「良くねえよ!」


 紗里弥は、龍雅の脛を無数の氷の棘で覆った足で蹴った。


 「冷た痛ッ!」

 

 龍雅の脛に氷の棘が突き刺さり、突き刺さった場所から血が出た。


 「朝からこんな事をして…バレたらどうするんだ…よッ!」


 龍雅は、氷の棘を抜いて血が噴き出たが、脛はすぐに完全に再生した。


 「俺が不死身だとは言え…痛覚には負けちまうもんだぜ。」


 龍雅は、氷の棘についた血を舐めとり、氷の棘をバリバリと食べた。


 (やっぱり色々とヤバい奴だ…)


 紗里弥は、更にドン引きした。


 「まぁ、いいや…それよりも今度私の家に来ないか? 良ければ、お前の友人と共に来ても良いぞ。」


 (だが、龍雅は少し頭がおかしいだけだ。龍雅は、行動が少し可笑しいだけだな。)


 「いいのか?」

 「あぁ、それよりもお前って随分と来るのが早いじゃないか…何故だ?」

 「俺は、気まぐれなんでな。いつ学校に、着くかもわからないな。お前は?」

 「私も気まぐれだ。」

 「そうか…」

 「…」

 「…」


 二人は、話の話題が無くなって黙り込んでしまった。


 「誰もこねえな…」

 「それよりも床に着いた血を拭いておけおけよ。龍雅」

 「雑巾に着いた血って落ちねえじゃん。お前の能力を使って血をどうにかしてくれよ。」

 「は? なんで私が?」

 「暴力振った方が負けだぜ? 紗里弥?」

 「…チッ…」


 紗里弥は、床に着いた血を熱で蒸発させて血を消した。


 「これでいいだろ。」

 「その能力…色々と万能だな。」

 「そうか? まぁ、熱を操る能力を応用すれば、地球全体の天候を変更する事も可能だがな。しかし、あまり天候を変更する力は使いたくないな。」

 「動植物と経済界の影響が出るからか?」

 「そうだ。動植物が育たなければ、生態系を崩れる。また、雨が嫌だと思って雨を無くすと雨の時に儲かる企業が赤字になるやもしれん。それに、農業の方面も農作物が育たなければ、消費者と生産者にとって悪い影響が出る。そして田畑は荒れ、森は枯れ、人々は水を求め、いずれは日本は破滅する。だから天候を変更する力は使いたくないな。晴れを無くした場合もまた別の破滅への道が見える。」

 「なるほど、天気を操るというのは、それほど危険な力を持っているとはな。」

 「まぁな。だが、全てが悪いと言う事ではない。要は、使い道だ。能力に飲まれないようにしろよ。」

 「あぁ、わかった。」

 

 そして、龍雅と紗里弥が駄弁り始めて30分間、次々とクラスメイトが教室に入り席に着き始めた。


 「よう、龍雅。」


 虎太郎は、香織と共に教室に入り、龍雅に挨拶をした。


 「よぉ、虎太郎、香織。香織、今日も可愛いね~」


 龍雅は、香織をまるでセクハラをするおっさんのような口調で、容姿を褒めた。


 「嬉しいけど、何か言い方がおっさんくさい」

 「確かに」


 虎太郎と香織は、龍雅をツッコんだ。


 「そう言えば龍雅、朝なんで甲冑を着て俺んちにやって来たんだ?」

 「お前に自慢する為だ。」

 「やっぱりか」

 「後、お前に対する嫌がらせでもあるがな。」

 「俺なんかしたか?」

 「いや、何もない。ただ弄りたかっただけだ。」

 「おい!」


 虎太郎は、龍雅にまたツッコんだ。


 キーンコーンカーンコーン


 チャイムが、校内に鳴り響き学校の始まりを告げる。


 「虎太郎早く席に着けよ。先生が来るぞ?香織もな。」

 「そうだな。」

 

 二人は、席に着き、座ったのと同時に、教室の扉が開きアビゲイル先生が教室に入ってきた。


 ――一時間目は、体育だったな…


 龍雅は、そんな何気ない事を心の中で思った。

 龍雅にとってホームルームは退屈と言う拷問だ。だが…


———学校の中で指折りで美人教師は、我がクラスの担任である事に誇りに思うな…昨日俺の中で思った事が矛盾しているがね。


そう、担任が美女教師だから龍雅にとっては少しはマシである。龍雅は、昨日の心の中で思っていたのが矛盾しているが、美人な教師を目の保養として見てホームルームを過ごした。


 ホームルームが終わった一時間目、クラスの女子達は、女子更衣室に向かい、クラスの男子達は、教室で体操服に着替えようとしていた。龍雅は、虎太郎の席の近くで着替えている


 「おい、虎太郎。着替えたら更衣室覗こうぜ~」

 「何言ってんだよ。龍雅、そんな事したら停学、最悪は退学モンだぞ。」

 「そのスリルを味わいながらJKの着替える姿をね。」

 「お前一人でやれよ。」

 「面白みがねえ臆病者だなぁ~」

 「面白みが無くて悪かったな。」

 「まぁ、いいや俺だけで行ってくるよ。」


 龍雅は、瞬く間に着替えて教室へ出て女子更衣室に向かって行った。


 (本当に行くのか…)


 龍雅は、目に留まらない速さで女子更衣室に向かい、女子更衣室の近くで隠れた。


 「さてと…こっからどうするかだな。」


 ――更衣室に居る人数は、10人程度か…俺の能力を応用した透視を使うか? 或いは、乱数調整とトンネル効果を使った何処でも壁抜けバグを使ってみるか?


 龍雅は、二つの方法を迷い、そして決断をした。


 ――何処でも壁抜けバグにしよう。フヒヒヒヒヒ~


 龍雅は、心の中で超々低確率で壁をすりぬけられるトンネル効果と確率を変動し、望みの結果を出す乱数調整を使った何処でも壁抜けバグを採用した。


 ――さてさて…実行開始だぜ。


 龍雅は、脳内で無数の0と1を思い浮かべ乱数調整しながら壁に向かって歩き、龍雅は壁の中に入っていった。


 ――上手くいったようだな。場所は、このJK特有の甘美な芳香で考えると着替え済みのロッカーか…ここならバレずに覗けようだな。


 そう言うと龍雅は、スマホを灯り代わりに使ってロッカーの使用者が誰なのかを見た。


 ――極星院紗里弥…運が良かった…あのロリの…いや、待てよ。着替え済みと言う事は、俺はロリの着替えが見れないと言う事ではないか。


 龍雅は、すぐさま紗里弥のブレザーを嗅ぎながらロッカーの穴から女子更衣室を見始めた。


 ――クソッ! 何て様だ! ロリコン変態紳士であるこの俺のメインディッシュのロリの着替えが見れないとは、何て様だ! だけどいい夜のオカズ(意味深)が手に入ったぜ。


 「ねぇ、龍雅君ってかっこいいよね~」

 「うんうんでも、近寄りがたいんだよね。あまりに完璧すぎて怖いって感じ」

 「わかる。声援をするのも畏れ多い」


 そそられる美しい肌を曝し、男のアレを硬化させる様な下着姿の三人の美少女は、龍雅の事を話している。三人の美少女は、体操服に着替えようとしているのだ。

 

 ――おやおや、俺の事を話しているではないか…俺は少女たちの間で良い待遇を受けているようだな。それにしてもこの2年G組は、美少女と美少年だらけだ。これは、見た目の格差社会だな。


 龍雅は、体操服に着替える美少女達を眺めながら紗里弥のブレザーを嗅ぎ、自分自身の私欲を満たした。


 その頃、虎太郎は、学校の運動場で龍雅の事を待っている。


 (あいつ…ホントに、更衣室に行ったのか…バレたら俺の評判も悪くなるかも知れねえのに…やれやれ、龍雅は、困ったやつだな。)


 虎太郎は、龍雅の行動に呆れてため息をついた。


 「虎太郎君! また、溜めを息をついて…何かあったのかね!?」


 龍雅は、体育館の屋根から虎太郎に話しかけた。


 「誰のせいだと思っているんだか…」


 虎太郎は、頭を抱えてそう言い、龍雅は、体育館の屋上から飛び降りて着地した。


 「まぁ、そう気にするなよ。バレてねえから」

 「バレなきゃいいってもんじゃねえよ!!」

 「そうなのか? どこぞの者が、バレなきゃ犯罪ではないと言っていたような気がするのだが?」

 「それは、二次元の話! ここは、三次元! 現実では通用しねえ!」

 「バレてしまったか…だけどさ…この世界も二次元みたいなもんじゃねえか」

 「おい! そういう危ない事を言うなよ!」

 「何もメタ発言はしていないのだが?」

 「だ~か~ら~」


 虎太郎は、顔に怒筋を浮かばせて、今にも龍雅をツッコもうとする態勢を取っている。


 「あっと…もうすぐで授業が始まるな…という訳で、早くしねーと遅れるぞい!」


 龍雅は、そう言って虎太郎のツッコミを回避しながら、男子生徒が集合している場所へ急いだ。


 (もしかして新幹線より速いんじゃないか? 龍雅の足の速さって…)


 キーンコーンカーンコーン


 (って、急がなきゃな。)


 虎太郎も、集合している場所に急いだ。


 「お前の球…打ち返してやるよ。」


 龍雅は、そう言ってバットをホームラン宣言の構えをしてからバットを構えた。今日の体育の授業は、体育のようだ。運動場に野球グラウンドで言うホームランとして判定される場所に、壁型のホログラムが浮遊しており、このボールがこのホログラムを越えるとホームラン判定されるのだ。


 「嘗めやがって!!」


 野球少年は、龍雅の挑発に乗って100kmの球を投げた。


 「オラァ!!」


 龍雅は、ボールを打ち、ボールは、ホログラムを越え、300m先まで飛んで行った。


 「フハハハハハハ!!」


 龍雅は、笑いながら一塁二塁三塁と走っていき、ホームベースに戻った。


 (やれやれ、野球の何が楽しんだか…)


 ――スポーツは良い、俺のストレスを発散してくれる一つのツールだ。


 龍雅は、スポーツを良いモノと考え、虎太郎は、スポーツをめんどくさいモノと考えている。虎太郎は、ライトの位置でグローブを持ってサボっている。


 (それにしても早く終わらねえかな~)


 虎太郎は、空を見てそう嘆いた。



 体育が終わり、龍雅は鍵を持って教室に急ぎ、着替えた。何故、そんなに急いでいるのか…そう、また更衣室を覗くつもりなのだ。


 ――さて…今度こそは、ロリの着替えを舐めるような眼で見てやるぜ~その前に、匂いを消さなきゃな。


 龍雅は、鞄から香水とタオルを取り出して汗を拭き取り、匂いを確認した。


 ――匂いは大丈夫だな。香水は必要ないな。


 龍雅は、教室を出て更衣室に急いだ。


 更衣室前に着いた龍雅は、前に隠れた場所にまた隠れ、スマートフォンのカメラアプリを開いた。


 ――さて、入りますか…


 「おい、何をしているんだ? そんな所で…龍雅よ…」


 少女の声が聞こえた。その声は、聴いたことのある声だ。その声の主は…


 「さ…紗里弥」


 ――もう着替えているだと…?


 「もう一度聞く…こんな所で何をしている?」

 「い、いや…お前が着替えて出てくるのを…」

 「ほぉ~では、何故カメラのアプリを開いているんだ? 私が着替えて出てくるのに、カメラは必要はないだろう?そしてロッカーに荒らされた形跡がある。それに、生徒手帳の位置も変わっていた。まさかだが…お前…」

 「はい、ブレザーをハスハスしながら更衣室を覗いていました。」

 「てめぇ…覚悟しろよ…」


 紗里弥は、氷の剣を生成し、襲いかかり龍雅は逃げた。


 「待ちやがれ~!!」

 「ウボアァァァァ!!」


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