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剣ヶ峰龍雅の欲望/Life.of.Predetermined:GreedDragon  作者: 六月不二
序章《Prologue.Story》
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第参話《爆炎女帝のバイオレンスファイア》

龍雅は、靴箱に入っていた手紙を開くと、驚愕をした。その内容は龍雅への挑戦状であった。この手紙を読んだらすぐに校舎裏に来いと挑戦状に書かれていた。そこまでは、龍雅は驚く事は無いが、龍雅は挑戦状の差出人に驚いたのだ。それは――


 「極星院紗里弥…あの財閥のお嬢様からか…」

 「いや、これはまずいだろ。」

 「あぁ、大体俺、女に暴力振る事が嫌いだし…そもそも良家の奴に手を出したら親父や姉さんが世間的に抹殺される可能性もあるしな。」

 「確かに…だが、お前の撒いた種だ。お前で何とかしろ。」

 「そうだな。では、行って参る。」


 龍雅は、靴を履いて校舎裏に向かった。

 

 校舎裏には、いつも不良達が屯する不良達の溜まり場。だが、今日は、不良は屯しておらず、代わりに不良ではない者が多く居る。その不良ではない者は、黒服のサングラスをかけたSPだろうか…どうやらここに居る者は、何かを待っているらしい…龍雅は、そんな校舎裏にやってきたのだ。


 「待っていたぞ。最強最悪の男D!」


 大勢の人波の中から右腰に二本の模造刀と左腰に一本の模造刀を差した赤い目をした龍雅の黒髪よりも更に深い黒い髪のロングヘアーの可憐な小学生の少女ような容姿のどこかしらに妖しい色気のある美少女極星院紗里弥が現れた。極星院紗里弥は、世界の十分の一の金を掌握する七星院グループの次女。学校で、不思議な力を持っていると噂されている。龍雅と同じクラスメイトで、龍雅と紗理弥は気付いていないが、一年の時も同じクラスメイトである。


 「早速質問だが、こいつらは、お前の代理か?」

 「いいや、飽く迄私と戦う前の前座に過ぎない。さて…武器の使用は構わないか?」

 「俺も使っていいのならば、良しとする。」

 「わかった。では…」


 紗里弥は、右腰に差してある武術用の鞘の入った模造刀を龍雅に投げ、龍雅は、模造刀を手にした。


 「これで、武器の使用はOKという訳だな。」

 「そうだな。」


 龍雅は、鞘から模造刀を出して模造刀の刃を見て、再び鞘に模造刀を納め、模造刀を腰に差した。


「では、やれ!」


 紗理弥が、そう言った瞬間。黒服の男達は、列に並んで銃器や警棒を取り出し、黒服の男達は、龍雅に向かって銃を乱射し始め、追い打ちにロケットランチャーでロケット弾を龍雅に向けて放った。


 「ククッ…」


 龍雅は、銃弾の軌道を見て全ての銃弾を紙一重で避け、ロケット弾を掴んで空へ向かって投げ、ロケット弾は、高度100mで爆発した。


 「何だと!?」

 「余所見はいけないぜ。」


 龍雅は、黒服の男達に一瞬で近づいて黒服の男達を次々と投げて行きながら銃を次々と手で握り潰し、ロケットランチャーの弾を全て紗里弥の方向に投げた。


 「フッ…」


 紗里弥は、指を鳴らしてロケット弾を全て爆発した。


 「噂通りだな。何か不思議な力を持つという噂は…」

 「そういうお前も、能力を持っているではないのか? 《ゲームシステム》の使い手龍雅よ。」

 「俺の能力を知っているならば、お前の能力を名乗れ!」

 「よく聞いてくれた。私の能力は、炎と熱と爆発を操る能力――《バイオレンスファイア》だ。まぁ、能力の内容を知った所で、私の手札などお前には、わからないがな。まぁ、無論。お前の手札も知らないが。」

 「そうだな。では、お前はそのつもりかもしれないが一つ確認しておく」

 「何だ?」

 「今より、俺は、お前を女子供扱いせずお前に力を振るう…覚悟はいいか?」

 「フッ…重々承知している。そして…もしお前が紳士ならば…レディーファーストとして私の先制攻撃でいいよなァ!」


 紗里弥は、指を鳴らして龍雅の立っている場所を超巨大な炎で包み込んだ。


 「ハァ!」


 龍雅は、黄緑色のエネルギーの大爆発を起こして火を吹き飛ばした。


 ――この技は、ボムと言うべきだな。


 「危ないだろう。この黒服の奴らに当たってしまう所だったぞ。」

 「他人の心配よりも、自分の心配をしたらどうだ?」


 紗里弥は、そう言って龍雅の懐に近付いて、龍雅の腹を殴ったのと同時に、龍雅の腹の表面で爆発が発生し、龍雅は吹き飛ばされた。


 「やるな!」


 龍雅は、力を入れて空中で止まり、そのまま浮遊したまま黄緑色のエネルギーの弾幕を放ち、追い打ちにエネルギー波を放った。


 「無駄だ!」


 紗里弥は、空中爆発を連続で起こしてエネルギー弾の弾幕の全ての弾は爆発し、エネルギー波を回避した。


 ――エネルギー弾が着弾する前に起爆したか…ならば、反射でいくか?いや、熱や爆発に対する耐性がある筈だ。そうならば、だがあのエネルギー弾を防ぐはずもない。俺のエネルギー系の技は、爆発性のある筈だ。という事は…


 龍雅は、少し力を溜めた八つのエネルギー弾を紗里弥に向かって放ち、抜刀術の構えで、模造刀を構えながら急降下し始めた。


 「だから無駄だと言っているのがわからないのか!」


 紗里弥は、指を鳴らして空中爆発を起こしてエネルギー弾を誘爆し、雷雲のような黒煙が発生し、その中から龍雅が現れた。


 「行くぞ!」


 龍雅は、紗里弥に模造刀による神速の居合切りを放ち、紗里弥は、地面に勢いよく叩きつけられた勢いでボールのようにバウンドした。


 ――ヤベェ…少しやり過ぎたか?


 「…ククク…楽しくなってきたぞ」


 紗里弥は、起き上がるのと同時に、紗里弥は指を鳴らして爆発を発生させて龍雅の目を眩ませた。


 「さてと…そろそろ本気を出してみようかな。」

 「何?」

 「来るがいい!」


 紗里弥は、校舎の壁をよじ登り、屋上に登った。


 ――いいだろう。


 龍雅は、浮遊して屋上へ向かって飛び、屋上に着地した。

 

 「さてと…第二ラウンド開始だ!」

 「お前の力をもっと俺に見せろ! 紗里弥ァ!」

 

 (ククク…ならば、応用した私の力を見せてやる…)


 紗里弥は、二つの模造刀を抜いて右の模造刀に、炎を纏わせ、左の模造刀に、日本刀の形状をした鋭い固体窒素を纏わせた。


 「お前…冷気も操れるのか!?」

 「まぁ、正解だな。これは、私の能力の応用だ。」

 「何だと!?」

 「熱を操れるならば、つまり熱を奪う…そう、冷気を操る事も可能。つまり氷をも操ると言う事だ。」

 「なるほどな…」

 「さて…行くぞ!」


 紗里弥は、そう言って炎の刀を上に、氷の刀を下に向け、刀の柄の部分を氷で結合し、模造刀は両剣のような形になった。


 「さぁ、避けてみろ!」


 紗里弥が、そう言うと両剣をバトンのように回し始め、両剣から大量の炎で包んだ個体窒素の弾幕が放ち始めた。よく見ると全ての氷の弾幕の中に謎の光が入っており、謎の光が入った氷の弾幕が地面に当たると、氷と炎の爆発が起こった。


 ——面白い趣向をする…良いだろう俺もそれに乗ってやろう。


 龍雅は、左手からエネルギー弾の弾幕を氷の弾幕の数だけ放ち始め、屋上を弾幕による爆発音が支配し始めた。


 ——後は、踊るとしようか…


 龍雅は、「ククク」と笑い模造刀を鞘に納め、龍雅の弾幕を突破した紗里弥の弾幕を龍雅は、踊るように制服にかするくらいのギリギリで接触するぐらいの紙一重で弾幕を避け続けた。


 ——戦闘後に、グレイズボーナスがあるといいが…


 龍雅は、そう思いながら紙一重で避けていると、紗里弥は、弾幕が無意味だとわかり、弾幕を撃つのをやめた瞬間——


 「ハァッ!」


 龍雅は、振り向きざまに巨大なエネルギー弾を紗里弥に向かって放った。


 「避けやすい攻撃だな!」


 紗里弥は、熱能力を応用した全てを上へ吹き飛ばす程の上昇気流を発生させてから空中へと跳躍し、エネルギー弾を避けた。


 「そいつは、追いかけてくるぞ!」


 龍雅がそう言うと、巨大なエネルギー弾は、上昇気流に乗った紗里弥を追った。


 (これは、中々…だがな。)


 紗里弥は、剣の柄の部分に付いている氷を溶かし、再び双剣の状態に戻した。


 「爆発しろ!」


 紗里弥は、炎の模造刀を本気の力で投げ、炎の剣は、風に逆らって進んで炎の剣は、エネルギー弾は、空中爆発した。


 「興が乗ったぞ…私の奥義を見てから負けるといい。」


 紗里弥は、固体窒素の模造刀を天に掲げると模造刀は、10m程の巨大な大剣に変わり、その固体窒素に超巨大な炎を纏わせ、そしてコンクリートと空気が液状化し始め、龍雅に超高熱と極低温が襲う。紗里弥が浮いている場所にある液体は全て紗里弥に到達する前に、液体と化した気体は、熱されて空気に戻り、液体と化した固体は冷やされて固体に戻る。元あるべき姿に戻っている。


 ——滅茶苦茶痛いし、異常に熱いし身が凍える程に冷たいな…前の俺ならば、この痛みであいつに対して生に懇願していただろうな。


 龍雅は、苦渋の表情を浮かべているが、心は平穏なままでいる。不死による死に対する慢心である。


 「ハァ…ハァ…ほう…中々の代物じゃないか…」


 龍雅は、心は落ち着いているが、激痛、低温、高温によるダメージで、吐息が荒くなり、体は悲鳴を挙げて震えている。足元は、素足になっている、足は再生と燃焼を繰り返し、龍雅の足元は無いに等しい為、龍雅は空中に浮いた。

 高温と低温の湖から出た龍雅の足は、再生しきっていない為、足の皮が爛れて気味悪く再生していっている。龍雅の靴はもう、高温に溶けて無くなってしまっている。


 「その震えは、恐怖からではないようだな?」

 「そうだ。足元が少しばかり痛いもんでな。どうやら口と心では平気なふりをしていても体は正直って奴かな?ハハハ…」


 龍雅は、笑いながらそう自分の事を皮肉った。


 「そうか…この技を見て物怖じしないと来たか…だが、そんな余裕もここまでだ! これで、お前の心も悲鳴を挙げさせてやろう! 深紅の絶対零度大剣クリムゾン・アブソリュートゼロ・ブレイド!!」

 

 紗里弥が技名を叫び、巨大な剣を振り下ろすと龍雅は、すぐさま模造刀に巨大なエネルギーを纏わせ、熾凍の巨剣と黄緑の巨剣がぶつかり合った。


 「何!? お前も私と同じような技を!」


 ——シューティングシステムに頼りっきりだな。


 龍雅が、作ったエネルギーの刃。それは、シューティングシステムの応用で、貫通性のある中距離エネルギー波を模造刀に付けただけである。だが、それだけでも戦術的優位性は高い。この攻撃は、どちらかというと形状的には、剣というより槍の方が近い。


 「そこまで私と戦闘を楽しみたいのか!?」

 「そうだ! 俺は、強い奴と戦いたいし、俺の為に何かを必死にする美少女の姿を見るのが好きだ。今、お前は俺との戦闘を必死にやっている。そうだろう?」

 「その通りだ。お前を倒したくて仕方がない!」


 二人は、剣と剣を空中でぶつけ合い、剣のつばぜり合いで、両者一歩も引かない。二人は、剣をぶつけ合いながら笑い、龍雅は、ラスボスのような風格を放ちながら下衆な笑顔で、剣を振り、紗里弥は、龍雅と同じような風格を放ち、笑みを浮かべて剣を振っている。地面は、液状化したコンクリートは、液状化した空気に冷やされて固まっている。

 剣を振り続け、永遠に続くと思われていたが…


 「気流が!」


 紗里弥を浮かせていた上昇気流が止み、紗里弥は液状化した地面に落ちて行く


 (クソッ!ここで終わりか!)


 紗里弥は、龍雅を空中で倒せなかった事を悔やみながら、極寒と灼熱の湖に落ちて行く。


 ——危ない!!


 龍雅は、心でそう思う前に、体が動いていた。龍雅の心の隅では、自分の能力でやられる筈もないと思っているだろう。しかし、龍雅は、恐らく自分が生み出した湖にやられるだろう考えて、体が紗里弥を助けようと動いた。

 龍雅は、急降下して紗里弥を掴み、横抱きで液状化した地面に足だけで着地し、龍雅に着地した時のダメージが体に振りかかった。


 「龍雅…お前何を…」

 「お前は、自分の攻撃にやられかけたな。」


 紗里弥が、上を向くと紗理弥を見下し笑む龍雅が紗里弥を見つめていた。


 「…自分の攻撃でやられるのは、屈辱だ。そして今、敵に助けられるのは、もっと屈辱的だな。だが…私をここまで追いつめるような強い奴が居て嬉しいぞ。……私は、平気とはいえ、私を助けたんだ。その経緯を持って私は、降参する。」

 「いいのか?そんなにあっさり…」

 「まぁな。負けたいい訳なんだが…この力…まだ得て数日しかたっていないお前と同じルーキーだ。いつか、私は、鍛えてお前を倒して見せる。」

 「わかった。期待を裏切るなよ。それよりも、地面を何とかしてくれ冷たくて仕方がない…」

 「了解。」


 紗里弥が地面に向かって赤い光を放ち、液状化した空気は、気体に戻った。その瞬間、頭に謎のメッセージが脳に入ってきた。


 ボス撃破 6000

 ノーデス 500

 HP80%以上 800

 グレイズ200回 2000

 経験値 9300

 龍雅 Lv10→Lv13

 追加能力 炎耐性Lv1 物理耐性Lv1 弾幕乱射速度Lv2


 ——レベルが上がったようだな。これで、体力が回復したようだ。だが、追加能力とは何だ? 俺が戦闘をすれば戦闘をするほど、能力が追加されるってか?


 龍雅は、レベルがアップする事によって体力と気力が全回復する。追加能力という謎の力…この力は、後に能力を最強へと導くだろう

 戻ったコンクリートの地面は、荒れており、恐らくは明日ここを修復する為に、封鎖するだろう。


「なぁ、大丈夫か?」

「大丈夫だ。私は、大怪我を負っても数時間で治るからこれくらいはどうって事ない。それよりもお前の方が…」

「俺は、ついさっきある理由で全回復した…でも紗里弥…あの時、お前に当てた跡が…」

「跡? んなもん気にするかよ。世の中には、痣のある女が好きな変態が居るそうじゃねえか…」

「そんな奴いるのか?」

「多分いるだろうな。この国にな…それよりも随分と私を心配してくれるじゃねえか…もしかしてお前…ロリコン予備軍か?それともロリコンか?」

「…………」


龍雅は、紗里弥にロリコンかと聞かれて冷や汗を掻いている。


 「その冷や汗…つまり本当なんだな。」

 「いや…それは…」

 「いいだろう。勝者には、褒美をやらなきゃいけないしな。ロリコンなお前に、プレゼントをやろう。」


 紗里弥がそう言うと、龍雅の頭を掴み、龍雅は動揺し、「何をする気だ」と聞いたら「イイコト」と答え、紗里弥は自分の唇を龍雅の唇にキスして龍雅の口の中に舌をいれて口の中を掻き混ぜた。その舌使い


 ――!?!?!?!?!?!?


 龍雅は、まさかの事態に驚き、動揺した。まさかの見た目が小学生の少女である紗里弥に唇を奪われるとは、思いもしなかった。

 紗里弥は、驚愕する龍雅を気にせず数秒間深い口付けをし続けた。


「ぷはっ…」


紗里弥の顔が龍雅から離れ、紗里弥は、ニヤリとした顔のままハンカチで口に着いた唾液を拭き取った


 「ちょっおまっ…おい…これってお前」

 「ん?どうした?私のファーストキスだが?」

 「ファーストキスでディープキスって…お前…お前は、お嬢様だ。俺のような成金で上がってきた奴の子供にやるなんてどうかしてるぞ!」

 「そんなもん気にするな。だがどうだ? この私のキスは?」

 「今も心が高揚してるぜ。でも、犯罪的な背徳感が…」

 「そうか。やはり、お前は重度のロリコンだな! ハハハハ!!」

 「言うな!」

 「……」


 紗里弥は、急に笑いをやめて屋上の出入り口の方を見た。


 「どうしたんだ?」

 「チッ…今楽しい所だったのに…興醒めした。めんどくさい奴が来たぞ。」


 龍雅が、屋上の出入り口の方を見るとそこには、金髪ロールの右手に鉄扇を持った高貴な気品を持つ美少女極星院麗弥が現れた。


 「わたくしは、ちょっと屋上が騒がしいから身に来ただけですわ。それにしてもG組同士の喧嘩とは、やっぱり普通クラス人間は、野蛮で愚かですわね。それにしても庶民の人間と喧嘩なんて…紗里弥…やはり貴方は、劣等遺伝子ですわね。」


 麗弥は、紗里弥と龍雅を見下しながらそう言った。

麗弥は二人を見下す理由は、クラスの問題である。この学校は、A組からG組まであり、クラス分けは、成績の優秀さで分けられる。

A組は、文武両道の者だけが集うクラスで、麗弥はこのクラスに入っており、別名超エリートクラスと呼ばれている。また、格下のクラスを見下す者が多い

B組は、知恵に長けた者だけが集うクラスで、C組は、身体能力に長けた者だけが集うクラスで、二つのクラスを纏めてエリートクラスと呼ばれている。A組と同じく格下を見下す者が多い

D組とE組とF組とG組は、ノーマルクラスと呼ばれているが、G組には、A組とB組とC組を上回る人材が多く何故G組に、エリートが多いのか生徒の間で疑問に思われており、G組のクラスもその事を知らない。真相を知るのは、教師の間であると噂されている。

 龍雅は、紗里弥「いつまでそうしてんだ早く私を降ろせ」と小声で言われ、紗里弥を降ろした。


 「…確かに、めんどくさい奴だ。」

 「だろ? 私より力の劣る癖にな。能力も使えぬ無能が…見下すなよ。」

「なんつーか…テンプレだな…清々する程のテンプレだ。いつもアニメや漫画でよく見る高飛車なお嬢様キャラをそのまま調理せずに出したという感じだ。」

 「なっ!」

 「ハハハハハ!! テンプレート通りって…ククク…つまり個性のない奴って訳か!? ハハハハハ!!」

 「そういう事だ。」

 「個性無しってこの私を愚弄するとは…身の程知らずねッ…!」

 

 紗里弥は、麗弥を侮辱するように指を指して笑い、龍雅は、紗里弥に便乗するように静かに笑い始め、紗里弥は、顔を怒りで赤くして涙目になった。


 「さてと…そろそろ私は、帰るとしよう。おい、お前らに聞く! 私のバッグは?」

 「私が預かっています。」


 紗里弥の後ろにいきなり、男袴を着た模造刀ではなく真剣を腰に差したショートカットの茶髪のテレビに出てくる女優のような美少女が現れた。


 「おう、本田か…相変わらずお前の隠密力が素晴らしいな。」

 「ありがとうございます。」

 

 彼女の名は、本田緋香里。紗里弥の世話役であり、ボディーガード。

侍のような姿をしており、異名は現代の女侍と呼ばれ何度かテレビにも出ており、紗里弥の剣の師を務めている。


緋香里は、紗里弥の耳元で小声で話し始めた。


 「紗里弥様。お怪我は?」

 「大丈夫だ、すぐ直る。」

 「それとよかったのですか?あのような男に…」

 「アイツは、私の口付けをやるに相応しい人間だ。私は思う…アイツはデカくなる。世界を揺るがす程にな。だから、誰かに取られねえうちに私が頂いたって訳だ。いわば、投資のようなモノだ。」

 「なるほど…私には、そうは見えませんが…」

 「ククッ…そうか…」

 

 緋香里は、紗里弥の耳元から離れた。


 ――俺がここにいるのは、場違いな気がする。ここは、早く終わらせるとするか。


 (龍雅は、恐らくここにいるのは場違いだと思っているな。ここは、龍雅に考慮して終わらせるか。)


 二人は、似たような事を考えた。


 「「なぁ、ここは、もうお開きにしないか?」」


 二人は、同じタイミングで言った。


 「あらあら…同じタイミングで言うとは、やっぱりG組同士お似合いですわ。ホホホホ」


 麗弥は、鉄扇を開いて口元を隠して二人を嘲笑った


 「チッ…まぁ、いいや…おい、緋香里帰るぞ。」

 「ハッ! ヘリの手配はできております。」

 「そうか…アレを用意しろ。」

 「どうぞ。」


 紗里弥は、緋香里から白いバッグを受け取った。


「その模造刀は、お前にやろう。それで、その力を鍛えるがいい。では、龍雅。SeeYouNextTime!!」


 紗里弥は、龍雅に挨拶をして紗里弥と緋香里がバッグを開けた瞬間、ワイヤーで繋がった小さい気球が飛び出して二人は、気球に捕まり、二人は気球と共に空へと消えていった。


 「フルトン回収システムか…」

 「そこの貴方!」

 「あぁ?」

 「わたくしは、寛大ですから、今日の態度の事は許して差し上げますわ。けどもし、紗里弥を泣かせたりしたらその時は…」

 「フッ…わかっている。俺は、女を泣かせる趣味は無い。ククッ…アイツの前では悪口を言っていてもお前は、妹思いだな…」


 龍雅は、何処か悲しそうな顔をしてそう言った。


 「では、そろそろ俺は、ここで立ち去らせてもらおう。また会おう!」


 龍雅は、浮遊して鞄を取りに行く為に、屋上から校舎裏へと急降下していった。


 後に、銀河丘高校で、爆発騒ぎがあったというニュースが報道で流れたが、極星院財閥が、金を出して犯人は不明となった。その報道を見た龍雅は、冷や汗を掻いて、龍雅はその夜、社会的な恐怖を感じて眠れなかった。


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