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霊界との境界  作者: 紅刃
死神
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第九十四話

 頭の中に声が響いた直後一度も聞いたことのないはずの呪文が頭に入ってきた。


「やれ、紫苑。お前は俺ら守っといてやる。」


 希莉が笑いながら言ってきた。涼音と紫紅もこちらを見て笑っている。


 僕はゆっくり目を閉じて呪文を唱える。すると僕の周りを回っていた黒い御札があつまって黒い棺になる。


「あれは…黒棺…本当に存在していたのか。」


 アヌビスの声が聞こえた途端すぐ近くで金属同士のぶつかる音がした。おそらくアヌビスが襲い掛かってきたのだろう。


 その時だ。


「紫苑、危ない。」


 涼音の声が聞こえた。それと同時に棺にものすごい衝撃が響いた。それが2方向から同時だったので何事かと思った。


 よくよく外の音を聞くと紫紅がアヌビスを両断したらしい。しかしそこから分裂し二人になったそうだ。


 棺の同じ所を2.3回叩かれていたその時、棺にヒビが入った。しかしそのヒビはアヌビスの攻撃で入ったものではなかった。それは僕が中から棺を突き破り死神の鎌を受け止めたからだ。


「全くうるさいな。少しぐらい待てないの?」


 そう言いながら僕は握力だけで鎌を粉砕した。黒棺は完全に砕け散りそこから変化を終えた僕が姿を見せた。


 僕の見た目はそこまで変わってはいなかった。変わったところといえば今まで片角だったのが完全に両方角が生成されたのと両目が同じ色に変化したぐらいだろう。


 しかし動体視力や運動能力は桁違いに変化していた。


「俺の鎌を一握りで粉砕するだと?お前、何者だ?」


 アヌビスに聞かれて僕は答えた。


「自己紹介がまだだったか?俺は神楽 紫苑。またの名を終焉の神 ロキ。」

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