第九話
zzz… 紫苑は眠っている。
zzz… 紫苑は眠っている。
ズゴッ… 紫苑に10000のダメージ 紫苑は目を覚ました。
授業中寝ていると先生に教科書チョップをくらいました。
痛い……この授業さえ終ればあとは帰れる、そう思った瞬間その事件は起きた。突然クラスメイトの一人が悪霊に取り憑かれたのだ。さっきまで熟睡していたので気づかなかったが外を見ると雨が降っていた。
まずい……
次の瞬間そのクラスメイトが暴れだした。人ではなくもはや獣並の身体能力だ。壁や天井を巧みに移動し誰一人として教室の外に逃さないつもりだろう。
すると僕の携帯に神主さんからメールが届いた。その内容は 「20分後には到着する、それまで耐えてくれ。」
いや、この状況で20分も耐えれないだろう……
もう除霊師と知られても構わない、そう思いながら僕は御札を取り出し希莉を憑依させる[炎刀、焔] 突然現れた刀にクラスメイトは言葉を失っていた。完全に怖がられてるな…
しかしそんなことは気にしていられない、下手をすればクラス全員命を落としかねない。
〜戦闘開始から数分後〜
素早すぎる…
封印が解かれた僕の動体視力をもっても捉えきれない速度、次の瞬間僕は背中に物凄い衝撃を受けそのまま教室の壁に激突する。よろけながら立つと間髪入れずに頭に蹴りを決められる。その衝撃で脳震盪をおこしてしまう僕、意識が飛びそうになりながらその場に力なく座り込む。もう打つ手が見当たらない。
次の瞬間悪霊は攻撃対象を生徒に向けた。ダメだ、このままじゃ全滅だ。
「ガキィン」 鈍い音がする。音のした方を見ると涼音が結界で生徒を守っていた。
その時僕はこの状況の突破口を見つけた。
そして「涼音、制限を解除するよ。」そう言って涼音の能力の制限を解除した。
御札を取り出し涼音を憑依させる。
すると出てきたのは…
[イージスの盾]絶対防御の盾である。
これなら焔の力を惜しみなく使える。生徒は涼音が守ってくれる。脳震盪も治った。今なら勝機がある。
悪霊のみを燃やし尽くすイメージをして焔で斬りかかる。しかし、やはり早い僕の斬撃は当たらなかった。
しかし悪霊の攻撃は僕に届く前に止まった。[イージスの盾]の防御力は伊達ではなかった。更に盾はいくつかに分裂し悪霊を挟み込んで動きを止めてくれた。
「これでチェックメイトだ」そう言いながら僕は今までで一番最悪な出来事に終止符を打った。
しかし、面倒なのはここからだった。クラスメイトにどう説明しようか……
とにかく今は言えるとこが思いつかなかったので先生に早退すると言って学校を後にした。