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霊界との境界  作者: 紅刃
第一章 門(ゲート)
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第八話

 昼食を食べ終わった頃僕らは本部に呼びだされた。


 「え?俺らなんか悪い子とした?」


 「いやー僕ら普通に仕事してただけじゃない?」


 「わ、私は身に覚えがないよ……」


 と、こんな会話しながら神主さんの車でくつろいでいた。本部に呼びだされたということはそれほど重要な事があるのだろう。


 ちなみに本部というのは僕ら除霊師をサポートしてくれている神社の管理や悪霊の発生現場への出動命令を行っている各支部を統括しているものだ。これから行くところは関西本部、言っていなかったが僕が住んでいる場所は大阪である。所属は関西地区第4管区だ。


 神主さんの話しによると僕以外にこの第4管区には9人の同業者がいるらしい。しかしまだ会ったことはない。第4管区は大阪北部から京都の南部までととても広いからである。


 そんな説明をしているうちに本部に到着した。僕は緊張しながら会議室に入っていく。するとそこには本部長や各支部の支部長が勢揃い……


 「僕、なんか悪いことしたの?」と直接言いたいぐらいの状況だった。


 「君があの悪霊を一人で祓った除霊師だね?」


「…はい、僕がやりました。」


 おそらく今聞かれた悪霊とは除霊師や神社の人を含め15人に重軽傷を負わせた日本刀の悪霊だろう。


 「君を本日から第4管区の管区長に任命する。」


 「え、あ、はい。了解です。」


 突然の大出世に驚きすぎて僕はそんな返事しかできなかった。なにがなにかわからないまま会議室をあとにする。


 「僕らなんか大出世しちゃったみたいだね…」


 「俺のおかげだな!ww」


 「私だって頑張りましたー!」


 帰りの車の中、二人はご機嫌だった。


 いきなり管区長に任じられたがその地位にはどれだけの責任がかかってくるのか考えると僕は彼らと同じように素直に喜ぶことはできなかった。ただのバイトから第4管区の長になってしまった僕、まだ高校生なんですけど…… 


 帰る頃には雨も止んで除霊の依頼は午前の二件だけで終了だった。


 次の日の朝、昨日は学校を休むことになったので久々の学校のような感覚だった。


 この日学校である事件が起きて僕の仕事のことがクラスメイトに知られてしまうことなんてこの時は何も考えていなかった。

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