第七十五話
律花から状況を聞いたが最悪だった。防衛線はほぼ壊滅、イザナギの館に到達するのも時間の問題だそうだ。
「涼音、イザナギの館へ行って門の守護を頼む。紫紅、イザナギと律花と音羽と暦の守護を頼む。暦、いざとなったら姫奈を起こして時間止めて逃げて。希莉、俺と一緒に来い。」
「わかったー」
「了解だ。」
「はい!」
「おう。」
僕が指示を出すとそれぞれ走りだす。全員運動能力上昇の効果付与をしておいたので恐ろしい速さで移動が可能だ。
数秒後僕は戦場の真ん中に着地した。そこは神格霊三人に対し何百人という兵士や神によって包囲されていた。
「んお!こいつどこから?!」
「落ち着け絶鬼。しかし我々が背中を取られるとは。こいつ中々強いぞ?どう思います?神威さん」
「あぁ、そのとおりだ。俺ですら気配を感じ取れなかった。修羅、絶鬼油断するなよ。」
絶鬼と呼ばれた大男、修羅と言われた背中に小刀を6本さしている男、そして神威と呼ばれた白い髪の男がいた。神格霊の上位三位の三人だろう。
言葉遣いからして神威、修羅、絶鬼の順番かな?そんな予想をしながら僕は三人に向かって言い放つ。
「どうも初めまして、皆さんここから出て行ってください。」
「なんだ、来ていきなり出て行けだぁ?舐めんじゃねぇぞ。」
絶鬼が殴りかかってきた。それを僕は片手で受け止める。そして彼を睨み再び言い放つ
「出てけっていってんだろ?聞こえなかったのか?あぁ?」




