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第七十二話
長い螺旋階段を上っているとだんだん感覚がおかしくなってきた。
「目が回ってきた…上も見えないしどうなってるの?」
「おそらくトリックだ。主、一気に打ち抜こう。」
「わかった。やるよ紫紅。」
御札に紫紅を憑依される。
[冥界の糸]
鉄よりも硬く切れることはない。さらに伸縮自在だ。
糸を天井に向って打つとどこかに刺さった音がした。糸を縮ませ上に上がると天井が見えてきた。
「見えた。効果付与!」
戦闘服の効果付与の力で手を強化して思いっきり天井を殴った。轟音と共に崩れる天井。
中に入るとそこは暗い空間だった。
「嫌な予感しかしない…」
「そこ効果付与には暗視の効果はつけれないのか?」
「なるほと、その手があったか。」
暗視の効果を付けて見てみると部屋の奥に牢屋があり涼音と暦が中にいた。
「見つけた。敵の反応は無し。一気に行こう。」
「了解。」
僕らは暗闇を一気に抜け難無く牢屋の前までたどり着いた。




