第六十話
城に入って長い廊下を歩くと大広間がにたどり着いた。
「待ってましたよ皆さん。そしておかえり二人共。」
そう言いながら階段から降りてくる女性。おそらくガイアだろう。
「お初にお目にかかります。紫苑と申します。」
「そんなにかしこまらないでいいのよ。」
「ど、どうも。それで、僕らはこれから陸路で国家都市へ向かいます。その報告に。」
「なるほど、わざわざ報告に来たということは空路と海路を使った時に二日に邪魔されたんでしょ?」
「え、えぇ。そのとおりです…」
「まったく…二人は何を考えていたのですか?」
「いや、ものすごい力の反応があったからのぉ……」
「確かに、ただの人ではありませんね…」
「主よ、勾玉の力を使ってくれ。」
当然紫紅が話しかけてきた。
「ん?わかった。」
そう言って勾玉を発動する。
紫紅の勾玉が緑に変色した。そして黒い何か紫紅を包んだ。
「ほぉ、こんなところに。」
「まさか、驚きですね。」
「いやー久々じゃのぉ。」
聖域の神々が驚きの声をあげる。そしてそこに黒いローブに大きな鎌を持った紫紅が出てきた。
「今まで隠してて悪かったな主よ。私の元々の名前はハデス。冥界の支配者だ。」
「「「えぇぇぇぇえ!!!!」」」
驚きすぎて何がなんだかわからなくなってくる僕ら。
「ある人に頼まれて聖域を離れ主の力の監視をしていたんだ。久々に皆に会えて嬉しいよ。」
「久々に四人集まりましたね。今日は気分がいいです。国家都市の前まで送ってあげましょう。」
「ほんとですか?!ありがとうございます。」
「もっと話したいところだが姫奈の父親の事もある、早く出発しようか。」
紫紅の発言でみんなの浮かれていた気持ちが正された。
「さーて、偉そうにしている評議院をぶっ潰しにいきましょうか。」
「珍しく物騒なこと言うな、紫苑。」
「希莉の言おうとしたことを代弁しただけさ。」
ガイアに国家都市の前まで送ってもらいいよいよ戦いが始まる。
「ゼウス、ポセイドンちゃんと頼んだことやってくれよ。」
「そっちこそ主を守れよ、ハデス。」
関所を抜けて僕らはそのまま評議院のいる館に向かった。




