第五十九話
「さて、国家都市に戻りますかー」
僕がそう言うとゼウスが
「陸路を通るなら先にガイアに会ったほうがいいぞ。途中で邪魔されるよりはよかろう。」
と助言してくれた。
「ガイアの住む場所ってどこなんですか?」
「ガイアも我々と同じように色々な場所を移動するからな……聖域に行くのがよかろう。」
「聖域?!でもどこから?」
「ポセイドンの神殿があるじゃろ?あの奥は扉になっておるんだ。」
「おいゼウス、なんで我の神殿なのだ?そなたの神殿でもよかろうに。」
「我の神殿は天空にあるんだぞ?そこまで行くまでに時間がかかりすぎるわ。」
「ぬぅ、なら仕方ないのぉ」
結果、ポセイドンの神殿を使って聖域へ行くことになった。
「暦、準備できてる?」
「はい、私は大丈夫です。姫奈はつかれたみたいで時計の中で寝ています。」
「希莉、涼音、紫紅出発できる?」
「俺はいつでも」
「私もいつでもー」
「可能だ。」
みんなの準備が整ったようなので聖域へと出発する。
「流石、海の中にあった神殿、湿度やべぇー」
「こら、希莉文句言わない!ほら、扉くぐるよ。」
聖域に入ると大きな城があった。というかそれしかなかった。城の外は真っ暗な闇。
「え、ここって聖域なの?」
「そーだ。聖域にはそれぞれの支配者四人しか住めない。そのためこの城より外は無の土地となっている。」
「今聖域には二人住んでるの?」
「いや、ガイア一人しか住んどらん。」
ガイアさん…寂しくないのかな。そんなことを考えながら城の扉を開ける僕らだった。




