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霊界との境界  作者: 紅刃
第三章 国家都市
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第五十六話

 門を開けるほどの力がある希莉、暦と姫奈と護衛の紫紅を東の国において僕と涼音で西の国に帰ることにした。


「上空は気流が酷いことになってるから低めで飛べる?」


「任せといて!」


[ヘルメスの靴]を具現化して飛んで数時間、突然雷雲が現れ僕らは雷に打たれた。普通の雷なら当たらないのだが僕らに直撃した雷はなぜか追尾してきた。


 衝撃で憑依が解除され海上に叩きつけられる僕と涼音。僕はとっさに足元の海水の霊子を操作して足場を作った。


「多分今のは僕らを狙った攻撃だ。こんなことできるのはあいつしかいないな……」


「いてて……あいつって?」


「聖域に住む天の支配者、全能神 ゼウス。」


「ほう、よくわかったな。」


 天から声が聞こえたと思うと雲の間から雷を帯びた槍を持つ男が姿を現した。


「これはあなたと戦わなければいけないのですか?」


「いかにも、天を通りたければ我に力を示せ。」


「マジかよ……」


「どうする?私、今の攻撃で結構ダメージ受けちゃったみたいで…」


 そう言う涼音の横腹からは大量の血液が流れていた。これでは早く治療しないといくら霊でも消滅してしまう。


「こうなったらやむを得ない。僕一人でやるから休んでて。」


 そう言って涼音を足場に寝かせ[パンドラの箱]から出た瘴気が僕を包み装備と変わる。しかし[クサナギの剣]は取り出さなかった。


 空中にいる敵にここからでは斬撃は届かないからだ。


 防御に専念していると突然僕の後ろに稲妻が落ちた。まずい、そこには涼音が……


 最悪の場合が訪れてしまった。稲妻は足場を砕き涼音は海の底へ沈んで行く。助けようとするが稲妻の攻撃が邪魔をして近づけなかった。


 深手を負った涼音はもう自力で上がってこれないだろう。


 その時僕はあることを思い出した。希莉が死にかけた時と同じようにすれば涼音は助かるのではないだろうか。僕は迷わず[ヤサカニの勾玉]を発動した。

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