第五十話
ポセイドンの水の槍が体を貫いた。しかしそれは僕の体ではない。僕の後ろにいた希莉の体だった。
その場に力なく倒れる希莉、槍を引きぬき止血しようとするが傷口が大きすぎて塞がらない。
「どうしよう、このままじゃ希莉が死んでしまう…」
「主よ、勾玉をつかえ」
「え?でも勾玉には再生能力はない」
「あぁ、だが使用者の本来の力を100%引き出すことができる。私達もそうだが希莉の力はこんなもんじゃない。」
「わかった。」
そう言って[パンドラの箱]から[ヤサカニの勾玉]を具現化する。しかし具現化した瞬間、勾玉は水の槍によって砕かれてしまった。
砕かれた勾玉は4つの破片に分かれてしまった。しかし僕が破片に力を流しこんだ瞬間、それぞれの破片が光り出し4つの勾玉の耳飾りへと姿を変えた。
僕はその耳飾りを涼音、紫紅、希莉に装着させた。
希莉の耳飾りが黄色に変色した。
希莉の体が宙に浮き勾玉から出た包帯のような物が繭を作った。
しばらくすると、繭が割れそこから希莉が出てきた。身長と髪が少し伸びなぜか和服を着ていた。
「あれ?希莉だよね?」
「今の名前はそうだぞ。元々の名前はツクヨミっていうんだけどな」
「ツクヨミって神様だったの?!」
「気づいてなかったのか?普通の霊があんな妖刀クラスの刀出せるわけ無いだろ」
「ってことは他の二人も…」
「話はさておき今はあいつをどうするかだな…」
「二対一なら勝機はある。俺の動きについてこれるか?」
「誰に言っているの?僕も半分神様なんだよ?」
「そりゃそうだな、やるぞ」
「主は僕だよ」
「わかってる、何年一緒にいると思ってんだよ。」
「そーだな。」
希莉はなにもないはずの場所から妖刀を具現化する。見覚えのある刀、あれは[呪刀 禁忌]か。自分の実体化を解かずに刀を具現化できるようになっていた。
そして僕は[クサナギの剣]、希莉は[呪刀 禁忌]を使いポセイドンに斬りかかった。




